Redmineの標準ガントチャートでは、チケットは開始日順(同じ開始日ならチケット番号順)に並びます。任意の順序へ手動で並べ替えたり、その並びを保存したりすることは、標準機能だけでは難しい仕様です。
並び順を見やすく整えるには、開始日やチケット構造、フィルタ、表示オプションを調整する方法があります。さらに柔軟に並び替えたい場合は、プラグインの導入も検討しなければなりません。
私はSIerで開発プロジェクトのPMを長く担当し、Redmineをはじめとするプロジェクト管理ツールでチケットや進捗を管理してきました。ガントチャートの見せ方を調整し、メンバーが状況を把握しやすいように運用を工夫した経験もあります。
本記事では、標準の並び順の仕様と、標準でできる表示の調整、プラグインで広がる範囲、そして自社に合う方法の選び方までを整理します。
執筆者:和田匠真
IT業界で20年以上の実務経験を持つプロジェクトマネージャー。プログラマー・SEを経てPMとなり、大手企業のシステム提案からデリバリーまで一貫して従事。PMP/認定スクラムマスター(CSM)保有。ウォーターフォール/アジャイル双方の現場経験をもとに、プロジェクト管理に関する記事を執筆。
Redmine標準ガントチャートの並び順の仕様
Redmineの標準ガントチャートでは、チケットは開始日の早い順に自動で並びます。開始日が同じ場合は、チケット番号の若い順に表示されます。
この並び順は標準では固定されており、任意の順序に指定したり、手動でのドラッグで並べ替えたりするのは難しいのが実情です。まずは、標準の仕様を3つの観点で整理します。
標準ガントチャートは開始日順で表示される
標準のガントチャートは、チケットの開始日が早いものから順に表示されます。チケットに入力した開始日をもとに、Redmineが自動で並び順を決めます。
Redmineのバージョン2.4から採用された仕様です。それ以前のバージョンでは、チケット番号順に並んでいました。スケジュールを把握しやすくするために、開始日順へと変更された経緯があります。
同じ開始日のチケットは番号順で表示される
開始日が同じチケットが複数ある場合は、チケット番号の若い順に並びます。たとえば同じ日に開始する3件のチケットは、番号の小さいものから順に表示されます。
そのため、同じ日のタスクの並び順を、作業の優先度や担当者ごとにそろえることは標準ではできません。番号順という機械的な並びになる点は、あらかじめ押さえておくと安心です。
任意の手動並び替えは標準では難しい
標準のガントチャートには、チケットを任意の順序に手動で並べ替える機能はありません。並び順はあくまで開始日とチケット番号で決まり、利用者が自由に入れ替えることはできない仕組みです。
「この順番で見たい」という希望があっても、標準のままでは実現が難しいのが実情です。並び順を細かく調整したい場合は、後述する表示設定の工夫や、プラグインの導入が選択肢になります。
標準機能でRedmineガントチャートの並び順を整える方法
標準のままでも、開始日の設定やチケット構造の整理、フィルタや表示オプションの調整で、ガントチャートは見やすく整えられます。ただし、これらは並び順そのものを自由に変える操作ではなく、あくまで表示を調整する工夫です。
前提として、チケットの並び順は開始日とチケット番号で決まります。そのうえで、標準でできる4つの工夫を順に紹介します。
開始日・期日を正しく設定する
並び順は開始日に依存するため、まずは各チケットの開始日と期日を正しく設定することが基本です。開始日が入っていないチケットは、ガントチャート上にバーが表示されません。
意図した順序で並べたい場合は、作業の実態に合わせて開始日を整えることが大切です。開始日を適切に設定するだけでも、スケジュールの流れが追いやすくなります。
チケット構造を整理する
親子関係やバージョンを整理すると、ガントチャートが構造的に見やすくなります。Redmineの標準ガントは、バージョンや親チケット、子チケットといった階層に沿って表示される仕組みです。
関連するタスクを親子でまとめたり、マイルストーンをバージョンで区切ったりすると、全体の構造が把握しやすくなります。並び順を直接変えられなくても、構造を整えるだけで見え方は大きく改善します。
フィルタ・カスタムクエリで表示対象を絞る
表示するチケットをフィルタで絞り込むと、見たいタスクだけを並べられます。ステータスや担当者、対象期間など、条件を組み合わせて表示を絞り込めるのが特長です。
よく使う条件は、カスタムクエリとして保存できます。毎回フィルタを設定し直す手間が省けるため、目的に応じた表示をすぐに呼び出せる点も便利です。表示するチケットが絞られ、ガントチャート全体も見やすくなります。
表示オプションを調整する
ガントチャートの表示オプションでは、表示する項目や表示期間、イナズマ線などを調整できます。表示する項目を選んだり、項目の表示順を入れ替えたりして、画面を見やすく調整できるのが利点です。
ただし、ここで並べ替えられるのは表示する項目(列)の順序で、チケット自体の並び順(行)ではありません。チケットの行は開始日順のままである点に注意してください。
Redmine標準ガントチャートの並び順が使いにくいと感じる理由
標準のガントチャートが使いにくいと感じる主な理由は、並び順を自由に変えられない点にあります。開始日順という固定の並びが、運用の実態と合わない場面があるためです。
ここでは、並び順の観点で標準ガントに不便を感じやすい3つの理由を整理します。
任意の手動並べ替えを保存しにくい
チケットを任意の順序に並べ替えて、その並びを保存することは、標準ではできません。並び順は常に開始日順で決まるため、利用者が決めた順番を保持する仕組みがないためです。
「この案件はこの順で見たい」という並べ替えをしても、画面を開き直せば開始日順に戻ります。任意の並びを固定したい場合は、標準の範囲では対応が難しくなります。
表示項目とチケットの並び順を混同しやすい
表示する項目(列)の並べ替えと、チケット(行)の並び順は別物で、ここが混同されやすい点です。列の順序は入れ替えられても、行の並び順そのものは変わりません。
たとえば「項目を並べ替えれば順番が変わる」と思って操作しても、変わるのは列の見せ方だけです。チケットの行は、開始日順のまま並びます。
チケット数が多いと見づらくなる
管理するチケットの数が多くなると、開始日順の機械的な並びでは、必要なタスクを探す手間が増えます。関連するタスクが開始日の近さで分散し、ひとまとまりとしては把握しづらい並びになりがちです。
こうした場合は、フィルタやチケット構造の整理である程度は対応できます。それでも限界がある場合は、並び替えに対応したプラグインが有効です。
プラグインでRedmineガントチャートの並び順を柔軟に管理する方法
標準では難しい任意の並べ替えも、プラグインを導入すれば柔軟に管理できます。プラグインを使うと、項目ごとの並べ替えや、ドラッグでの手動並べ替えといった操作が可能です。
ここでは、Redmineの拡張プラグインとして広く使われているLychee Redmineを例に、並び替えの機能を紹介します。
Lychee Redmineの並び替え機能
Lychee Redmineのガントチャートでは、列をクリックして昇順・降順に並べ替えたり、行をドラッグして任意の順序に並べ替えたりできます。標準のガントチャートではできなかった操作が、画面上の操作だけで行えます。
行番号の部分をドラッグして並べ替えた順序は、カスタムソートとして保たれます。項目によるソートをかけ直したあとでも、直前の手動並べ替えの状態に戻せる仕組みです。
開始日順に縛られず、優先度や担当者、作業の流れに合わせて自由に並べ替えられるのが利点です。標準のガントチャートで並び順に悩んでいた場合の、有力な選択肢になります。
Redmineガントチャートの並び順を整える方法の選び方
並び順を整える方法は、プロジェクトの規模や運用の目的に合わせて選びます。標準の表示調整で足りるのか、プラグインが必要なのかを見極めることが大切です。
ここでは、標準設定で十分なケースとプラグインを検討すべきケースに加えて、避けた方がよい対応方法も整理します。
標準設定で十分なケース
チケット数が少なく、開始日順での確認が中心なら、標準設定だけで十分なケースが多いです。小〜中規模のプロジェクトで、スケジュールをざっと把握できればよい場合が当てはまります。
開始日や期日を整え、必要に応じてフィルタで絞り込めば、標準のままでも見やすく運用できます。まずは標準機能の範囲で試し、不便を感じてから次の手段を検討する進め方が、無理のない選択です。
プラグインを検討すべきケース
任意の順序での並べ替えや、その並びの保存が必要なら、プラグインの導入を検討する段階です。複数の条件で並べ替えたい場合や、大規模で標準の並びでは状況を把握しにくい場合も、検討の対象になります。
たとえば、優先度や担当者ごとにタスクを並べて固定したい、といった要望は標準では実現できません。こうした運用上のニーズが明確なら、プラグインが有力な選択肢になります。
ソース改修を避けるべき理由
並び順を変えるためにRedmine本体のソースコードを改修するのは、避けるのが無難です。一時的に実現できても、保守やバージョンアップのたびに負担が増えてしまいます。
Redmineを新しいバージョンへ更新する際、改修した部分が動かなくなる恐れもあります。並び順の調整は、ソース改修よりも、設定やプラグインで対応するほうが安全です。
Redmineガントチャートの並び順に関するよくある質問
ここでは、Redmineガントチャートの並び順について、よく寄せられる質問をまとめました。導入や運用の判断にお役立てください。
標準のガントはどの順番で並びますか?
標準のガントチャートは、チケットの開始日が早い順に並びます。開始日が同じチケットは、チケット番号の若い順に表示されます。
これはRedmineのバージョン2.4以降の仕様です。開始日を設定していないチケットは、ガントチャート上にバーが表示されません。
並び順を自由に変更できますか?
標準のガントチャートでは、並び順を自由に変更することは難しいのが実情です。並び順は開始日とチケット番号で決まり、任意の順序に手動で並び替える機能はありません。
自由に並べ替えたい場合は、Lychee Redmineなどの並び替えに対応したプラグインの導入が必要になります。
子チケットの並び順は変えられますか?
子チケットも、基本的には開始日順(同じ開始日なら番号順)で並びます。親チケットの下に、子チケットがその並びで表示される仕組みです。
標準では、子チケットだけを任意の順序に並べ替えることはできません。子チケットの並びも調整したい場合は、プラグインの利用を検討します。
無料でできる範囲はどこまでですか?
無料で使えるのは、Redmine標準ガントチャートの表示調整までです。開始日や期日の設定、チケット構造の整理、フィルタや表示オプションの調整は、追加費用なしで行えます。
一方、任意の並べ替えやその保存に対応したLychee Redmineの機能は、有料プランで利用できます。無料の範囲で見やすく整えるか、有料の機能まで使うかは、運用の必要性に応じて判断します。
表示項目の並び順とチケット自体の並び順は違いますか?
はい、表示項目(列)の並び順と、チケット自体(行)の並び順は別物です。列の順序は表示オプションで入れ替えられます。
一方、チケットの行の並び順そのものは、開始日順のまま変わりません。列を並べ替えても行の順番は変わらない点は、混同しやすいので注意が必要です。
Redmineガントチャートの並び順を自在に管理するならLychee Redmineがおすすめ
並び順を自在に管理し、ガントチャートをもっと使いやすくしたいなら、Lychee Redmineがおすすめです。Lychee Redmineは、Redmineを拡張したプロジェクト管理ツールで、ガントチャートの操作性を大きく高めています。
導入企業数は7,000社を超え、並び替えをはじめとする多彩な機能を備えています。ここでは、Lychee Redmineでできることと、導入の流れを紹介します。
Lychee Redmineでできること
Lychee Redmineでは、ガントチャート上の操作だけで、並べ替えやスケジュール調整を直感的に行えます。列での昇順・降順ソートや、ドラッグでの手動並べ替えに対応しています。
そのほかにも、用途に応じて次のような機能を利用できます。
- ガントバーのドラッグによる、開始日・期日の直感的な調整
- カンバンやバックログによる、タスクとスケジュールの可視化
- 工数管理やリソースマネジメントによる、メンバーの負荷の把握
- ダッシュボードやレポートによる、プロジェクト状況の共有
並び順の課題を解決しながら、計画から進捗管理までを一つのツールでまとめて管理できる点が強みです。
無料トライアルと導入の流れ
Lychee Redmineは、30日間の無料トライアルで、有料プランの全機能を試せます。ガントチャートの並び替えも、導入前に実際の操作感を確かめられます。
トライアルで使い勝手を確認したあと、スタンダード・プレミアム・ビジネスから必要なプランを選べます。ガントチャートの並び替えは有料プランの機能のため、まずは無料トライアルで試すのがおすすめです。
並び順をはじめ、Redmineのガントチャートに使いにくさを感じているなら、まずは気軽に試してみてください。
まとめ|表示設定とプラグインによるRedmineガントの並び順の最適化
Redmineの標準ガントチャートは開始日順(同じ開始日なら番号順)で並び、任意の並べ替えは標準では難しい仕様です。まずはこの仕様を理解することが、並び順を整える出発点になります。
標準のままでも、開始日や期日の設定、チケット構造の整理、フィルタや表示オプションの調整で、ある程度は見やすくできます。一方、任意の順序での並べ替えやその保存が必要なら、プラグインの導入が選択肢です。
小〜中規模で期日の確認が中心なら標準設定で、任意の並びや大規模な管理が必要ならプラグインで、と使い分けると無理がありません。並び順を変えるためのソース改修は、保守の負担が大きいため避けるのが無難です。
ガントチャートの並び順に使いにくさを感じているなら、並び替えに対応したLychee Redmineを、無料トライアルで試してみてください。
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