Redmineが使いにくいと言われる理由を整理します。UIや設定、トラッカーや運用ルールでつまずきやすいポイント、改善策、見直しが必要なケースまでわかりやすく解説します。
「Redmineが使いにくい」「現場で運用が定着しない 」という声を受けて、改善すべきか別ツールに乗り換えるべきかで判断に迷っている方は多いのではないでしょうか。
私は、SIerで大規模な開発プロジェクトのPMを長く担当してきました。Excelで課題管理表を運用していた時代の苦労を経て、Backlogを長く使い、Redmineを採用した案件にも関わった経験があります。Redmineは自由度が高い反面、初期設定や運用設計を曖昧にしたまま導入すると、一気に使いにくくなるツールです。
逆に言えば、原因を整理して改善策を選べば、現在も十分に機能します。
本記事では、Redmineが使いにくいと言われる理由、運用の仕方で使いにくさが強まる要因、Redmineを使うメリットを解説します。 改善のポイントや見直すべきケースの判断基準も紹介するため、現場改善に乗り出したい方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:和田匠真
IT業界で20年以上の実務経験を持つプロジェクトマネージャー。プログラマー・SEを経てPMとなり、大手企業のシステム提案からデリバリーまで一貫して従事。PMP/認定スクラムマスター(CSM)保有。ウォーターフォール/アジャイル双方の現場経験をもとに、プロジェクト管理に関する記事を執筆。
Redmineが使いにくいと言われる理由

Redmineが使いにくいと言われる背景には、Redmine自体が使えないのではなく、標準状態のまま導入すると使いにくさが出やすいという構造があります。
以下では、Redmineが使いにくいと言われる3つの理由を解説します。
UIや操作性に慣れが必要な点
Redmineを初めて触ると、「画面把握に時間がかかる」「導線が分かりにくい」という意見が少なくありません。Backlogのようなクラウドネイティブのツールと比較すると、画面遷移や入力フォームの設計思想が古典的に映ります。
それ以上に問題なのは、Redmine固有の用語が日本語利用者に伝わりにくい点です。特に「トラッカー」という用語は、Redmineコミュニティの公式議論でも「日本語利用者には意味が伝わりにくい」という指摘が出ているほどで、「チケット種別」という訳語への変更が提案されたこともあります。
私が担当した案件でも、トラッカーという言葉の意味が現場に浸透しないまま運用が始まった結果、ルールの理解が進まず教育コストが膨らみました。社内では「トラッカー=課題種別/ワークフロー種別」という言い換えで説明資料を作り、用語集を先に配ってからようやく現場に定着するほどです。
トラッカーやワークフロー設計が複雑な点
Redmine.JPの用語解説によると、トラッカーは「チケットで使用するフィールドやステータスを定義する機能」であり、チケットを分類するカテゴリではありません。フィールドの構成やワークフローを切り替える単位として使われます。
一方、カテゴリは「プロジェクト内でチケットを分類する機能」で、ワークフローの新たな定義が不要なら、カテゴリの利用を検討すべきとされています。
しかし、現場ではトラッカーを「単なる分類名」として使い、案件分類や部門分類まで詰め込んでしまうケースが多く見られます。私の担当案件でも、トラッカーとカテゴリ、カスタムフィールドの役割が重なり、似た意味の分類が乱立してフィルタやレポートが機能しなくなる事態が発生しました。
整理する際は、トラッカーを「ワークフローや入力項目を切り替える単位」に限定し、案件分類や部門分類はカテゴリやカスタムフィールドに寄せました。
ワークフロー設計も同様に複雑です。Redmineでは、トラッカー・ロール・現在ステータスごとにワークフローを設定できるため、組み合わせの数だけ設定が存在します。柔軟性は高い反面、初期設定が複雑になると「この役割ではそのステータスに変えられない」「新しいステータスが選べない」という混乱が起きます。
ステータス数を絞り、トラッカーごとに本当に必要な遷移だけ残す整理が現実的です。
標準機能だけでは見える化が不足しやすい点
Redmineの標準機能だけで運用すると、ガントチャート、工数管理、進捗レポート、ダッシュボードによる可視化などが不足しやすいです。標準のガントチャートは表示はできますが編集はできず、参照中心の作りです。
不足を補うためには、プラグインで機能拡張するのが一般的といえます。とはいえ、後述するとおりプラグインを増やすほど互換性や保守性の課題が顕在化します。「Redmine単体で全部やろうとしない」という割り切りも、使いにくさを防ぐ重要な視点です。
運用の仕方でRedmineの使いにくさが強まる要因
Redmineの使いにくさには、ツールそのものではなく運用の仕方によって生じやすい不便さもあります。ここからは、具体的に3つの要因を詳しく解説します。
運用ルールが曖昧なまま導入すること
入力粒度や担当範囲、更新ルールが曖昧なままRedmineを導入すると、現場ごとに運用がぶれて使いにくさが強まります。たとえば、Redmineの運用ノウハウとしてチケットは原則1人の責任者を割り当てることが推奨されていますが、担当未設定のままにすると誰も主体的に更新せず、期限切れや放置が増えます。
私の担当案件でも、運用初期は担当未設定のチケットが残り、進捗会議で誰の課題なのかわからない状態が頻発しました。チケットは原則1人の責任者を割り当て、担当未設定のまま残さないルールを徹底し、例外は定例で棚卸しする運用に変えると、現場に定着しやすくなるでしょう。
全員に同じ使い方を求めること
Redmineは、トラッカーごとに異なるワークフロー、フィールド、ステータスを定義できる仕組みです。しかし、開発者・管理者・非IT部門で同じ入力粒度を求めると、どこかの現場で必ず負担が大きくなります。
開発者は詳細な進捗や工数を入力する必要があっても、レビューする管理者層は要約だけ見られれば十分なケースがほとんどです。非IT部門なら「もっと簡素な画面で運用したい」と思う方も多くいるでしょう。
私が担当した案件でも、全員に同じ画面・同じ運用を求めた結果、非IT部門から「項目が多くて入力できない」、開発者から「自分たちには簡素すぎる」と相反する不満が出ました。利用者の役割ごとに「見る項目」「更新する項目」を分け、トラッカーと権限設定で画面負荷を下げる運用に変えると、現場の負担を抑えられます。
情報を詰め込みすぎること
Redmineは標準フィールドとカスタムフィールドを柔軟に持てるため、要件を盛り込みすぎると入力フォームが肥大化します。私の経験では、要件を詰め込んだ結果、入力に時間がかかり、現場がチケットを更新しなくなるという事態が発生しました。
管理項目として使いたいからといって、カスタムフィールドを増やしすぎてしまうことも同様です。「入力できる」と「後で使う」は別の話であり、後で絞り込みやレポートに使わない項目は、入力負荷だけ増やして集計を複雑にします。
何を後で絞り込みたいのか、何をレポートしたいのかを先に決めてからフィールドを作る判断軸が重要です。
加えて、RedmineはIssue tracking、Time tracking、Wiki、Documents、Files、Repository、Boards、Calendarなど、多数のモジュールをプロジェクト単位で有効化できます。全部を有効にすると便利そうに見えますが、使わない機能が多いと現場は迷いやすくなります。プロジェクトごとに使うモジュールだけを有効にし、不要なメニューは非表示にするのが無難です。
Redmineを使うメリット
使いにくさが指摘される一方で、Redmineが今でも多くの組織に使われ続けているのには理由があります。ここからは、3つの代表的なメリットを紹介します。
OSSであるため柔軟に運用しやすい
Redmineはオープンソースで、ライセンス費用はかかりません。プラグインによる機能拡張や独自運用ルールへの適合など、自社業務に合わせて柔軟にカスタマイズできます。
「組織独自のワークフローを再現したい」「特殊な業界要件に合わせたい」というニーズには、SaaS型ツールよりも自由度が高く対応できます。
チケット管理を軸に情報を蓄積しやすい
Redmineの中核機能は、チケット管理です。タスク・バグ・問い合わせ・改善要望といった作業項目をチケットとして起票し、担当者・期限・ステータス・親子関係を設定して管理する思想で一貫しています。
課題発生から解決までの履歴が、チケットに紐づいて残るため、後から経緯を追えるほか、引き継ぎしやすい点はRedmineが持つ大きな強みです。
運用を整えると管理しやすい
設計や運用ルールを整えれば、Redmineは大規模プロジェクトの管理基盤として機能します。トラッカー・ステータス・ワークフローを役割ごとに整理し、入力ルールをシンプルに保てば、複数プロジェクトを横断する課題管理基盤として活用できます。
「使いにくい」という評価は、多くの場合、運用設計の不足が原因です。適切に拡張・運用すれば「Redmineだから使いにくい」といったトラブルは少なくなります。
Redmineを使いやすくするポイント
Redmineは機能が充実している分、適切に運用しなければ、使いにくさが目立ちます。ここからは、自社で見直せる改善策に絞って、設定と運用の両面から改善ポイントを紹介します。
トラッカーとステータスの設計を見直す
Redmineを使いやすくするには、用途別にトラッカーやステータスを整理し、使い分けの基準を明確にすることが大切です。Redmine.JP Blogでも、ワークフローの定義はロール×トラッカーの数だけ存在するため、トラッカーを増やしすぎると設定・管理が難しくなる、と注意喚起されています。
具体的には、トラッカーを「ワークフローや入力項目を切り替える単位」に限定し、案件分類や部門分類は、カテゴリやカスタムフィールドに寄せましょう。ステータス数も絞り、トラッカーごとに本当に必要な遷移だけ残すことが重要です。新ステータス追加時の運用手順を、管理者向けに文書化しておくと、後々の混乱を防げます。
運用ルールをシンプルにする
Redmineを使いやすくする方法の一つに、入力ルールや更新タイミング、担当範囲を絞り込み、現場負荷を下げる方向で整理することも挙げられます。チケットの責任者は原則1人、担当未設定のまま残さない、例外は定例会等の場で棚卸しする、といった基本ルールを徹底することが重要です。
また、利用者の役割ごとに「見る項目」「更新する項目」を分けて、トラッカーと権限設定で、画面負荷を下げるのも有効です。全員に同じ運用を強いるのではなく、役割に応じた最小限の負荷で済む設計に変えるだけで、現場の使いやすさは大きく変わります。
入力粒度と更新タイミングを明確化する
Redmineを運用する際に、どこまで記載するか・いつ更新するかを定めると、入力負荷や認識ずれを減らせます。必須項目は最小限にし、トラッカーごとに必要なフィールドだけ表示します。補足情報は説明欄に寄せて、更新のハードルを下げるとよいでしょう。
カスタムフィールドを作るときは、「入力できる」ではなく「後で使う」で判断します。何を絞り込みたいのか、何をレポートしたいのかを先に決めてから、必要な項目だけを定義する流れに変えると、フィールドの肥大化を防げます。
不足している機能を他ツールで補う
ガントチャートや工数管理、レポートなど、Redmine単体では不足しがちな機能は、プラグインや外部ツールで補う考え方が現実的です。最初からすべてをRedmine単体で対応しようとせず、標準で足りる範囲を決めて、足りないところだけ補完する方針がおすすめです。
ただし、プラグインを無秩序に増やすと、別の問題を生みます。Redmineの「フォーラム」でも「プラグイン更新後にエラーが出る」「本体アップグレード時に依存問題で障害が出る」といった相談が少なくありません。
プラグインは「絶対必要なもの」に絞り、導入前に互換バージョンを確認し、本番前に検証環境でアップグレード試験を行う運用にしておくと、保守性を維持できます。
加えて、本体アップグレードは定期保守として扱い、プラグイン更新とセットで棚卸ししましょう。使っていないものの残っているプラグインは早めに整理しておくのが、運用負荷を抑えるポイントです。
Redmineの運用を見直すべきケースの判断基準
どれだけ改善をしてもRedmineの使いやすさが向上しないときは、運用を見直す必要があるかもしれません。ここからは、改善で対応すべきか、見直しを検討すべきかを判断するための代表的なケースを整理します。
設定を見直しても定着しないケース
トラッカーや運用ルールを整理しても現場にRedmineが定着しない場合は、ツールと組織の相性を疑う段階です。
ルール文書を整備しても更新されない・担当者の異動で設計が崩れる、といった状態が続くなら、Redmineの自由度を活かせる体制がないと判断できます。この場合、設定を磨き続けても定着には至らないため、機能より定着しやすさを優先したSaaSツールへの切り替えが現実的でしょう。
非IT部門を含めて広く使いたいケース
非IT部門も含めて全社的に使う場合は、Redmineよりも国産SaaSツール(Backlogなど)の方が向いています。たとえば、営業や管理部門も共通利用する前提では、「トラッカー」「ワークフロー」などの概念が理解の妨げとなるケースが多いです。
エンジニア部門だけで使うなら問題のない自由度も、全社利用では逆に教育コストの重しになります。誰でもすぐ使える操作性を持つツールに変えるほうが、全社に浸透します。
可視化や工数管理を標準で行いたいケース
ガントチャートや工数管理、レポートを標準機能で行いたい場合は、Redmineの設計思想と合いません。進捗レポートが定例化している組織や、複数プロジェクトの工数を横断集計したい組織では、プラグインで機能を補う運用が前提となり、保守の負荷が継続します。
標準機能で完結させたいニーズが強いほど、この負荷は重荷になります。SaaS型ツールやLychee Redmineのようなプラグイン拡張製品を導入することがおすすめです。
【無料トライアルあり】使いにくいと感じるならLychee Redmineがおすすめ
Redmineの使いにくさを自社改善だけで解消しきれない場合、補完対象として候補に挙がるのがLychee Redmineです。Redmine本体に追加できるプラグイン製品で、クラウド版とオンプレミス版があり、用途に応じて選べます。
Lychee Redmineで補える機能
Redmine標準のガントチャートは参照中心ですが、Lychee Redmineではドラッグ&ドロップでタスクの追加・期間調整・依存関係の設定を直感的に行えます。 工数管理ではタイムマネジメントとリソースマネジメントが提供され、担当者ごとの予定工数と実績を見える化することが可能です。
進捗レポートは品質・進捗・コストを横断的に評価し、複数プロジェクトの状況を青・黄・赤のシグナルで把握できます。このほかカンバンやバックログ、EVMやコスト管理など、Redmine単体では不足しがちな領域をカバーする機能群が揃っています。
無料トライアルで確認したいポイント
「実際に機能を確かめてから本格的に導入したい」という場合は、30日間の無料トライアルをご活用ください。
ガントチャートの操作感や自社のWBS粒度との適合度を、実際のプロジェクトデータで試すのが感覚をつかむ早道です。工数入力の現場負担や、進捗レポートの集計軸が自社管理項目と合うかも確認ポイントになります。
無料トライアルを通じて、「プロジェクト管理が楽になった」「業務改善につながった」といった効果を得られてから、本格的に導入しても遅くありません。まずは、現場で機能するかをぜひお確かめください。
Redmineに関するよくある質問
ここからは、「Redmineが使いにくい」と感じるユーザーがよく抱える悩みについて、FAQにして紹介します。疑問や悩みを一つでも減らしたい方は、あわせて確認しておきましょう。
Redmineは無料で使えますか
Redmine本体はOSSで、ライセンス費用はかかりません。ただし、サーバー構築・運用・保守、バックアップ、セキュリティパッチ適用には別途コストが発生します。「ライセンス無料」と「運用無料」は別の概念です。
Redmineのトラッカーとは何ですか
Redmine.JPの用語解説によると、トラッカーは「チケットで使用するフィールド(入力項目)やステータスを定義する機能」です。チケットを分類するカテゴリではなく、入力フォームの切り替えやワークフローの切り替え単位として使われます。
ワークフローの新たな定義が不要で、単にチケットを分類したいだけであれば、トラッカーではなく「カテゴリ」の利用が推奨されています。
Redmineの代替ツールには何がありますか
Redmineの代表的な代替ツールは、次のとおりです。
- Backlog:国産SaaSで使いやすさを重視、非IT部門も参加が容易
- Jira:アジャイル開発・大規模プロジェクトに強み、標準機能が充実
- Trello:カンバン方式に特化、学習コストが低くシンプル
- Asana:業務全般のタスク管理に向く、非IT部門寄り
「全社で使いたい」ならBacklog、「アジャイル開発で大規模」ならJira、「シンプルなカンバンでよい」ならTrelloというように、組織のニーズで選び分けるのがおすすめです。
Redmineは個人利用にも向いていますか
技術的には個人でも利用可能ですが、サーバー構築や運用の手間を考えると、Redmineはオーバースペックな場合が多いです。タスク管理に特化したシンプルなツールや、無料プランのあるSaaSツールの方が個人利用に向いています。
Redmineが時代遅れと言われる理由はありますか
Redmineが時代遅れと言われる背景には、UIの古さや標準機能の範囲、運用や保守の体制といった、近年のSaaSツールと比較したときの相対的なギャップがあります。
ただし、Redmineは現在も活発に開発が継続されており、機能停止しているわけではありません。導入・運用が続いており、適切に活用すれば業務効率化に役立ちます。
詳しい背景や、時代遅れと言われるなかでもRedmineが使われ続ける理由は、「Redmineは時代遅れ?メリット・デメリットや代替ツールを解説」で詳しく紹介しています。
まとめ:Redmineの使いにくさは原因を整理して改善策を選ぶことが重要
Redmineが使いにくいと言われる背景には、UIや操作性・トラッカーやワークフロー設計・標準機能の不足という3つの構造的な要因が挙げられます。また、曖昧な運用ルールや一律運用、情報の詰め込みすぎなど、運用面が理由で使いにくくなるケースも少なくありません。
いずれもRedmineが使えないわけではなく、設定や運用設計を整えれば改善できる範囲の問題です。
重要なのは、闇雲に使いにくさを我慢するのでも、すぐに別ツールに乗り換えるのでもなく、原因を整理して改善策を選ぶことです。
改善しきれない使いにくいときは、Lychee Redmineのようなプラグイン製品で補うことがおすすめです。30日間の無料トライアルを設けており、Lychee Redmineが自社の運用に適しているのかを確かめられます。
クレジットカード登録不要で活用できるため、Redmine運用に課題を感じている方は、無料トライアルを通じて、Lychee Redmineが活用できるかどうかをご確認ください。
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