プロジェクトの成果は、体制設計の精度に大きく影響します。「体制図の構成が決められない」「役割や責任範囲を整理しきれない」といった悩みは、プロジェクトマネージャーによく見られる課題です。
体制図は単なる組織図ではなく、指揮命令系統や責任の所在を明確にし、プロジェクト運営の基盤を作るドキュメントです。
本記事では、体制図に必要な要素、役割の整理方法、指揮命令系統の設計など、体制図作成のプロセスを実務ベースでまとめています。
主要ロールの責務や注意点、RACIの使い方、管理ツールとの連携も解説しており、混乱のない体制作りに必要な要点と運用の判断基準が掴めます。
プロジェクト体制図とは何か|組織図との違いと機能

プロジェクト体制図とは、特定のプロジェクトを遂行するために集められたメンバーの構成、役割、責任範囲、指揮命令系統を視覚的に示した資料です。
誰が何に対して責任を持ち、誰に報告し、誰から指示を受けるのかが一目でわかります。関係者間の認識を統一し、円滑なコミュニケーションを促進する基盤として機能します。
プロジェクト体制図が成果に影響する理由
プロジェクトの成果は、メンバー個々の能力だけでなく、チーム全体の連携と意思決定のスピードに大きく左右されます。体制図を明確にしておくことは、プロジェクト推進の基盤を整えるうえで欠かせません。
特に、以下の点で成果に直接影響します。
| 影響を与える要素 | 具体的な効果 |
|---|---|
| 役割と責任の明確化 | 業務の重複や抜け漏れを防ぎ、各メンバーが自分の役割に集中しやすくなります。 |
|
コミュニケーションの円滑化 |
相談・報告ルートが明確になることで、情報伝達の遅延や認識の齟齬も減らせます。 |
| 迅速な意思決定 | 指揮命令系統が整理されれば、問題発生時のエスカレーションが迅速になり、判断もスムーズです。 |
| ステークホルダーへの説明 | 顧客や上層部に体制を明確に示せるため、信頼を得やすく、プロジェクトの推進にも協力を得やすくなります。 |
これらの効果が組み合わさることで、プロジェクト全体の生産性が向上し、計画通りの目標達成につながります。
プロジェクト体制図と組織図の違い
プロジェクト体制図と企業の組織図は一見似ていますが、目的も性質も大きく異なります。
組織図が企業の恒久的な構造を示す「静的な図」であるのに対し、プロジェクト体制図は、特定の目的を達成するために編成された一時的なチーム構造を可視化する「動的な図」です。
以下に、双方の違いをまとめています。
| 比較項目 | プロジェクト体制図 | 組織図 |
|---|---|---|
| 目的 | 特定プロジェクトの完遂 | 企業全体の恒久的な運営・統治 |
| 期間 | プロジェクト期間中のみ有効(期間限定) | 組織変更があるまで有効(恒久的) |
| 構成メンバー | 部署・役職を横断して編成される | 主に部署や役職に基づいて構成される |
| 柔軟性 | プロジェクト状況に応じて柔軟に変更可能 | 変更は比較的少なく、大規模になりがち |
| 焦点 | 役割(ロール)と責任 | 役職(ポジション)と権限 |
プロジェクト体制図は、期間内に成果を出すための機能的で柔軟なチーム構造に焦点を当てており、状況に応じて更新しながら運用することが前提となっています。
プロジェクト体制図の作成手順|メンバー選定・責任範囲の整理

質の高いプロジェクト体制図は、場当たり的に作れるものではありません。論理的な手順に沿って必要な情報を整理し、関係者間で合意を形成していくプロセスが不可欠です。
本章では、5つのステップに分けて具体的な作成手順を解説します。
Step1|目的・成果指標の整理
最初に、プロジェクトの目的と、成功を測るための成果指標(KGI/KPI)を明確にします。ここが曖昧なままだと、必要な役割やスキルセットを正しく定義できません。
プロジェクトのゴールがはっきりしていれば、「どのような体制で取り組むべきか」「どの機能・部門の関与が必要か」といったチーム編成の方針が見えやすくなります。
Step2|役割(ロール)とメンバーを定義する
次に、プロジェクトの目的達成に必要なタスクを洗い出し、それを遂行するための役割(ロール)を定義します。例えば、以下のような観点です。
- プロジェクト全体の意思決定は誰が担うのか(プロジェクトオーナー)
- 計画と進捗管理は誰が責任を持つのか(プロジェクトマネージャー)
- 実際の開発や実務作業はどのチームが担当するのか(開発チーム、マーケティングチームなど)
役割が整理できたら、それぞれに適したスキルと経験を持つメンバーを割り当てていきます。その際は個々人の能力だけでなく、「負荷バランス」「相性」「既存業務との兼務状況」など、チーム全体のバランスも合わせて考慮することが重要です。
Step3|指揮命令系統・報告ルートの設計
メンバーと役割が決まったら、チーム内の指揮命令系統と報告ルート(レポーティングライン)を設計します。「誰が誰に指示を出し、誰が誰に進捗を報告するのか」といった情報の流れを一本化するイメージです。
指揮系統が複数あったり曖昧だったりすると、指示の食い違いや報告の遅延を招き、プロジェクト停滞の大きな要因となります。特に、マトリクス型組織では「ライン長」と「プロジェクト側」の関係性を明確にしておくことが重要です。
Step4|体制図へ落とし込む作成プロセス
ここまで整理した情報を基に、実際に体制図を視覚的な図に落とし込みます。PowerPointやExcel、専用の作図ツールなどを利用し、階層構造や指揮系統が一目でわかるように、ボックスと線で配置してください。
役職名だけでなく、担当者名や主要な役割も併記すると、運用時に参照しやすい体制図になります。また、自社標準のテンプレートを用意しておくと、毎回ゼロから作成する手間を減らせます。
Step5|レビューによる責任と認識の統合
体制図のドラフトが完成したら、プロジェクトの主要メンバーや関係者によるレビューを実施します。レビューでは、主に次の点を確認します。
- 記載内容に抜け漏れや誤りがないか
- 各自の役割と責任範囲について、認識のズレがないか
- 指揮命令系統や報告ルートに、非効率な点や不明確な点がないか
フィードバックを踏まえて修正を行い、関係者全員が納得できる形に整えたうえで体制図を確定します。ここまでのプロセスを経ておくことで、プロジェクト開始後の「聞いていない」「自分の役割ではない」といった齟齬を大きく減らせます。
プロジェクト体制図に記載すべき役割と責任

効果的なプロジェクト体制図を作成するためには、役割や責任範囲の定義が大きな鍵です。本章では、一般的なプロジェクトで設定される主要な役割と責任範囲について解説します。
| 役割(日本語) | 役割(英語) | 主な責任範囲 |
|---|---|---|
| プロジェクトオーナー | Project Owner / Sponsor | プロジェクトの最終意思決定、予算承認、ビジネス目標の達成責任、重要な課題・リスクに対する承認 |
| プロジェクトマネージャー (PM) | Project Manager | 全体計画の策定、進捗・コスト・品質管理、課題解決、関係者調整、チーム統括 |
| プロジェクトリーダー (PL) | Project Leader / Team Leader | 担当チームのタスク管理、メンバーの技術支援、日次の進捗把握、PMへの報告、作業品質の担保 |
| プロジェクトメンバー | Project Member / Team Member | 割り当てられたタスクの実行、成果物の品質確保、リーダーへの進捗・課題報告 |
| プロジェクトマネジメントオフィス(PMO) | Project Management Office | プロジェクト管理プロセスの標準化、進捗・リスク状況の可視化、体制横断の調整、PMの支援・管制役 |
プロジェクトオーナー/スポンサーの責任
プロジェクトオーナーは、ビジネス上の成果に責任を持ち、必要な予算の確保、ステークホルダーとのコミュニケーション、最終的な意思決定を行う存在です。プロジェクトの成功に対して責任を負います。
プロジェクトが企業全体の戦略と完全に合致していることを確認し、経営層への報告、必要なリソースの提供、障害の排除など、プロジェクトの成功を支援するうえで重要な役割を担います。
プロジェクトマネージャー(PM)の役割と責任
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの全責任者として、計画(スコープ、スケジュール、コスト、品質、リスク、コミュニケーション、調達)を綿密に立案し、実行、監視、コントロール、終結までプロジェクトライフサイクル全体を管理します。
課題が発生した際には、迅速かつ効果的に解決を主導し、チームメンバーを鼓舞し、ステークホルダーとの良好な関係を築きながら、プロジェクトを当初の目標達成へと導きます。
プロジェクトマネージャーの役割について詳しく知りたい場合は、併せて以下の記事をご覧ください。
プロジェクトリーダー(PL)の役割と責任
プロジェクトリーダーは、特定のチームや分野における技術的な責任者です。PMが作成した計画を基に、より詳細なタスクを定義し、チームメンバーに明確に割り当てます。
技術的な専門知識を活用し、チームを技術的な側面からリードするのが特徴です。メンバーの作業進捗を詳細に管理し、技術的な課題に対して具体的な解決策を提供し、チームのスキルアップを支援しながら、チーム全体の技術的な成果を最大化する役割を担います。
プロジェクトメンバーの役割と責任
プロジェクトメンバーは、プロジェクトを構成する重要な実務担当者です。リーダーから割り当てられたタスクに対し、期日、品質、予算内で責任を持って遂行します。
自身の専門知識を活かし、プロジェクトの成功に直接貢献する存在です。日々の進捗状況、問題点、改善提案などをリーダーに積極的に報告し、チーム内のコミュニケーションを密にし、互いに協力しながらプロジェクト全体の品質、スピード、革新性に貢献します。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割と責任
PMOは、プロジェクトマネジメントに関する深い専門知識を持つ集団です。PMに対して戦略的アドバイスや方法論、ツール、トレーニングを提供し、プロジェクトの成功を強力に支援する参謀役です。
プロジェクト管理手法の標準化、ベストプラクティスの導入、管理ツールの運用、進捗データの収集・分析、リスク・リソース管理、関係部署との調整など、組織全体のプロジェクト遂行能力を高めるための多岐にわたる業務を担います。
組織全体のプロジェクトポートフォリオを最適化することがPMOの役割と言えます。
プロジェクト体制図作成における失敗要因と改善策

本章では、プロジェクトを停滞させがちな典型的な体制図の問題点と、その改善策を整理します。自社の体制図が当てはまっていないか、チェックの観点として活用できます。
| 失敗要因(悪い例) | 問題点 | 改善策 |
|---|---|---|
| 指示系統の複線化 |
メンバーが複数の上長から指示を受け、優先順位が不明確になることで、混乱や手戻りが発生する 結果として、責任の所在も曖昧になりやすい |
基本となる指揮命令系統を一本化し、「誰が誰に指示・報告するか」を明文化する 一人のメンバーが日常的に報告・指示を受ける上長は原則一人とし、例外がある場合はその条件も含めて事前に合意しておく |
| 役割名称が抽象的 |
「担当」「対応」「協力」など曖昧な表現が多く、誰が何に最終責任を持つのかわかりづらい タスクの抜け漏れや押し付け合いが起きやすい |
役割は具体的な動詞と成果物で定義する(例:「〇〇を承認する」「△△をレビューする」など) 併せて、RACIチャートなどを用いて責任範囲を文書化し、関係者間で共有する |
| 情報過多で複雑 |
連絡先や詳細スキルなど、あらゆる情報を体制図に詰め込みすぎて、一目では構造が理解できない 重要な情報が埋もれてしまう |
体制図には「主要な役割」と「指揮命令系統」に情報を絞り、シンプルな構成にする 連絡先やスキルセットなどの詳細情報は、別紙のメンバーリストなどに分離し、参照できるようにしておく |
| 更新がされない |
プロジェクト開始時に作成したまま更新されず、実態と乖離して形骸化する 新メンバーや役割変更が反映されない |
週次・月次など、定期的な見直しのタイミングをあらかじめ決めておく メンバーや役割に変更があった場合は速やかに体制図を更新し、最新の体制を関係者全員に共有する運用ルールを設ける |
こうした失敗パターンを事前に把握しておくことで、「作って終わり」の体制図ではなく、プロジェクト運営に実際に役立つ生きたドキュメントとして扱えるようになります。
指示系統の複線化による責任不明確化 → 再設計の視点
プロジェクトで特に避けたいのは、一人のメンバーが複数の上長から指示を受ける状態です。優先順位が曖昧になり、判断の迷い・作業の遅延・責任の押し付け合いといったトラブルの引き金になります。
体制図を見直す際は、各メンバーから上長への報告ラインが一本に整理されているかを確認することが重要です。マトリックス型組織のように複数のラインがかかわる場合でも、プロジェクトとしての報告・承認ルートは一つであることを明示しておく必要があります。
役割名称が抽象的 → 責任定義の再設定
「〇〇担当」「△△チーム」といった抽象的な役割名では、具体的な責任範囲がわからず、実務での齟齬が生じます。例えば、品質管理担当という名称だけでは、次のいずれを担うのか判断できません。
- テスト計画を作成する
- テスト実施を主導する
- 最終的な品質を承認する
こうしたズレを防ぐには、「何を実行する責任があるのか(責務)」と、「何に説明責任を負うのか(アカウンタビリティ)」を明確に定義したうえで役割名を付けることが有効です。役割定義が具体的であるほど、後工程のトラブルを減らせます。
情報過多 → 体制統制の阻害要因と改善
体制図を詳細にしようとして情報を詰め込みすぎると、かえって全体構造が見えづらくなります。体制図の目的は、チーム構造と指揮系統を直感的に把握できるようにすることであり、細かい情報を集約することではありません。
内線番号、メールアドレス、保有資格などの詳細は、体制図ではなく別の補足資料(メンバー一覧、連絡先一覧など)に切り分けて管理するほうが合理的と言えます。
また、色分けやアイコンを使って階層・役割・ラインを視覚的に整理することで、体制図としての可読性が大きく向上します。
役割・責任を明文化するツール活用|プロジェクト体制図の精度向上

プロジェクト体制図を「形だけの資料」で終わらせないためには、役割と責任をより精緻に定義し、運用と結びつける仕組みが必要です。本章では、体制図の実用性を高める代表的なツールと考え方をご紹介します。
RACIチャートによる責任分担の可視化
RACIチャートは、各タスクに対して「誰がどの役割を担うのか」を明確にするためのフレームワークです。体制図が「所属と指揮系統」を示すのに対し、RACIチャートは「タスクレベルの責任」を整理します。
| 役割 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| R | Responsible | 実行責任者:タスクを実際に担当・遂行する人 |
| A | Accountable | 説明責任者:タスクの最終結果に責任を持つ人(承認者/1タスクにつき1名) |
| C | Consulted | 協業先・相談先:実行前に意見を求めるべき専門家・関係者 |
| I | Informed | 報告先:進捗や完了報告を受ける人 |
RACIチャートを作成することで、
- 誰が最終責任者なのか
- 実行担当者が複数いないか
- 相談・報告ルートが適切か
といった点が可視化され、役割の重複や責任の空白を防げます。メンバー側にとっても「迷わず行動できる」環境を整えやすくなります。
プロジェクト管理ツールとの連携・運用
体制図やRACIチャートは、プロジェクト管理ツールと連携させることで実務的な効果が最大化します。ツール上のタスクに対し、RACIで定義した担当者・承認者を紐付けて運用します。
| 主なメリット | 具体的な効果 |
|---|---|
| タスクと責任の一元管理 | 「いつまでに、誰が、何をするのか」が明確になり、進捗管理が容易になる |
| 変更への迅速な対応 | メンバー変更や役割変更が発生した際も、担当者設定を更新するだけで即座に新体制へ反映できる |
| 情報共有の効率化 | 進捗や課題がツール上で可視化され、報告業務の自動化や会議の削減につながる |
体制図を上位の設計思想とし、RACIおよび管理ツールと連動させることで、計画と実行がシームレスにつながり、プロジェクト全体の生産性を高める運用基盤が整います。
プロジェクト体制図の運用高度化|Lychee Redmineで責任と進捗を統合管理
プロジェクト体制図は、一度作成して終わりではありません。進捗や状況の変化に応じて継続的に見直し、更新していくことが求められます。
本章では、Lychee Redmineを活用し、体制図と日々のタスク管理を連携させて運用を高度化する方法を解説します。
体制図とタスク/責任者を紐付けた運用
Lychee Redmineでは、体制図で定義した役割や責任を、具体的なタスクへ直接紐付けることが可能です。タスク作成時に、実行責任者(R)と説明責任者(A)を担当者として設定することで、役割と作業内容を一貫して管理できます。
また、ガントチャートやカンバンなどの機能でタスクを登録する際に責任者を明確にしておくと、次のような効果が得られます。
| 主なメリット | 具体的な効果 |
|---|---|
| 責任の明確化 | 誰がタスクを担当するのかが一目でわかり、抜け漏れを防げる |
| 進捗の可視化 | メンバーやチームごとの進捗がリアルタイムで把握でき、PMはリソース配分やサポートを判断しやすくなる |
| 報告コストの削減 | ツール上で状況を共有できるため、細かな進捗確認のための会議を減らせる |
体制図とLychee Redmineを連動させることで、計画と実行のズレを防ぎ、プロジェクトを着実に前に進められます。
カンバンの詳細は、以下の記事で解説しています。
状況変化へのアジャイル対応|体制図を更新し続ける
プロジェクトの進行中には、仕様変更、メンバー交代、進捗遅延など、様々な変化が発生します。重要なのは、こうした変化に迅速かつ柔軟に対応し、体制図を常に最新の状態に保つことです。
| 状況変化の例 | 体制図・運用における対応 |
|---|---|
| 仕様の変更 |
影響範囲を特定し、関連するチーム・メンバーの役割やタスクをLychee Redmine上で見直す 一時的な専門チームの編成が必要な場合は体制図にも反映する |
| メンバーの交代 |
新メンバーの役割・責任を明確にし、関係者へ共有する Lychee Redmine上で担当者を速やかに置き換え、引き継ぎ漏れを防ぐ |
| 進捗の遅延 |
遅延の原因を特定し、リソース配分の見直しや応援メンバーの追加を検討する 変更後の体制を体制図に反映し、指揮命令系統を明確化する |
Lychee Redmineには、タスクの進捗をリアルタイムで追跡し、リソース状況を可視化する機能が備わっています。これにより、PMはデータに基づいた判断を行い、変化に応じて最適な体制を再構築し続けることができます。
プロジェクト体制図に関するよくある質問と回答(FAQ)

本章では、プロジェクト体制図の作成や運用に関してよく寄せられる質問と、その実務的な回答をまとめました。
プロジェクト体制図が必要となるタイミングは?
最適な作成タイミングは、プロジェクトの計画段階です。
少なくともキックオフミーティングまでには完成させ、参加者全員で共有しておきましょう。初期段階で体制を固めておくことで、立ち上がりがスムーズになり、手戻りや認識違いを防げます。
メンバーが頻繁に入れ替わる場合はどう管理すれば良い?
メンバーの流動性が高い案件では、個人名ではなく役割(ロール)を中心に体制を設計する方法が有効です。
- 体制図:開発リーダー、DB担当など「役割」で記載
- 別紙:実際の担当者名を一覧で管理(異動時は名前のみ差し替え)
この構成にしておくと、メンバーが交代しても体制図の基本構造を変えずに運用できます。
体制図はプロジェクト途中で変更して良い?
問題ありません。むしろ、状況の変化に合わせて柔軟に見直すほうがプロジェクトにとって健全です。
ただし、変更した内容や背景は、関係者全員に迅速に共有しましょう。また、変更履歴を残す運用ルールを設けておくと、後の混乱を防げます。
体制図作成を効率化する方法は?
テンプレートを活用するのが最も効率的です。
- 過去のプロジェクトで使用した体制図をベースにする
- PowerPointや作図ツールの組織図テンプレートを応用する
ゼロから作成する負担を減らし、作業時間を大幅に短縮できます。
体制図とRACIチャートは併用すべき?
併用をおすすめします。両者は補完関係にあります。
- 体制図:チーム構造・指揮系統を示す(マクロ)
- RACIチャート:タスクレベルの責任範囲を明確にする(ミクロ)
両方を組み合わせることで、誰がどの立場でかかわり、どのタスクに責任があるのかが明確になり、責任の空白や重複を防げます。
体制図とツールの連携がプロジェクト成功率を高める

プロジェクト体制図は、役割と責任を整理し、指揮命令系統を統一するための重要な設計図です。適切に作成・更新することで、コミュニケーションロスを防ぎ、意思決定のスピードを高められます。
また、RACIチャートやプロジェクト管理ツールと連携させれば、体制図で定義した内容を日々の運用に落とし込みやすくなり、プロジェクト全体の統制力も向上します。
役割・責任・進捗を一元管理したい場合は、Lychee Redmineの活用が効果的です。体制図で描いた構造をそのまま実務へ反映でき、プロジェクト運営の再現性が高まります。
実際のプロジェクトに組み込みながら運用感を確かめたい方は、Lychee Redmineの無料トライアルをご活用ください。導入前に「自社の体制構築やタスク管理に適しているか」を具体的に確認できます。
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