株式会社アジャイルウェアでは、2020年12月2日(水)に、オンラインイベント「Lychee Redmineユーザ会2020」を開催、「Lychee Redmine」ユーザー企業様による、様々な事例を発表いただきました。

本記事では、日本ソフト開発株式会社 北山 昌信様の発表をご紹介します。同社が、プロジェクト管理の課題解決のため、「Lychee Redmine」を導入された経緯、実際の活用事例などをお話いただきました。

 

<北山 昌信様 プロフィール>

日本ソフト開発株式会社 SIプロジェクト 営業本部民需営業推進グループ エキスパート

新卒入社後、一貫してソフトウェアやシステムなどの開発部門に従事。自社業務システムも自ら開発・運用されている。ご趣味はゴルフ、映画鑑賞、ゲーム、お子様の野球部応援にも熱中!

日本ソフト開発株式会社 https://www.nihonsoft.co.jp/

滋賀県を本社とする1972年設立のIT企業。自社パッケージ商品の開発・販売や各種ソフトウェア開発、SI事業など幅広いITビジネスを、民間企業から文教、官公庁、放送など多様な業界で展開。

「Lychee Redmine」導入前の状況

自社では「商談管理システム」と「工数管理システム」と大きく二つの業務システムを使っています。実は、どちらも私が開発したものです。

 経営層や営業部門が使用する商談管理システムは、商談の目標管理、見積もり・発注・請求などの業務に対応、私も含めた開発部門が使う工数管理システムは、プロジェクト予算/実績工数(金額)の管理のほか、プロジェクト以外の会議や、見積もり作成などの付帯作業も工数管理するシステムです。

このなかで、今日のテーマである「Lychee Redmine」に密接に関係しているのは、工数管理システムの方ですね。このシステムでは、各自が、プロジェクト工程ごとの作業時間を毎日入力、プロジェクト予実収支(金額)を週ごとに見ています。さらに、自部門では、個人目標予実管理表としても活用、ゴルフのスコアカードのように実績を累積し、目標金額に対する達成率を月ごとや半期ごとで追っています。

商談管理システムともデータ連携しているので、営業側でも開発予算の進捗を見ることができます。例えば、開発収支が赤字になった場合、それが営業経費を“食いつぶしている”のか、利益まで“食いつくしている”のかといったことがわかるのです。また、部門単位の生産時間・稼働率・生産額なども確認できます。

課題:工数だけでなく、作業進捗や負荷予測も1つのツールで管理したい!

ただ、工数管理システムには課題がありまして、まず、作業の進捗管理には全く対応していないのです。そのため、よくあるExcel管理をはじめ、Redmine、Backlog、Brabio!など複数のプロジェクト管理ツールで、プロジェクトごとにバラバラに進捗管理していました。また、個々の負荷管理についても、担当者が工数見込みをExcelで上長に報告し、上長が別のExcelに集計し…と、かなり面倒な作業を毎週していました。

”プロジェクト管理ツール導入”を目標に設定

そこで、「まずは、自部門でプロジェクト管理ツールを検討・導入してみよう!」と目標を立て、2019年後半に動き出しました。当初、2019年11月評価ツール選定、2ヶ月の評価期間を経て、3月からプロジェクトで利用開始しようという計画でした。実際には、2020年6月からの「Lychee Redmine」導入となりました。

評価期間2ヶ月、50項目以上の合計評点で「Lychee Redmine」に決定

「Lychee Redmine」は、2019年10月の「Japan IT Week」(幕張メッセ展示会)で初めて説明を聞いたのですが、非常に良かったため、候補として選定しました。そのほか、別メンバーのツール評価を参考にしたもう1ツール、計2ツールに絞って評価期間を運用しました。評価項目は10カテゴリーに分類、リスト化し、重点機能に重み付けをして評点を算出、「Lychee Redmine」がいい!と結論が出ました。

当初は、2部署での導入予定でしたが、「QMS(品質管理システム)の一環として開発部門全体で使おう」となり、最終的には全8部署/80ライセンスで利用開始。各部門ごとに代表者やシステム管理権限者を決め、部門ごとに利用推進する体制を作っています。

「Lychee Redmine」使い方あれこれ

実際の画面を例に、使い方の一部をご紹介します。

・プロジェクト第1階層は部門、それぞれのプロジェクトは部署ごとに、その下階層に登録
→部署ごとに整理された状態で、プロジェクト登録が可能に

・雛形プロジェクトを部門ごとに準備。雛形には部門メンバーを全員登録
→メンバー指定の手間削減。メンバーごとの工数も見える化

・「Lycheeカスタムフィールド」で必要項目追加
→商談確度を入れて、見込み案件まで含めた負荷予測が可能に
→既存システムのコード入力欄を追加し、参照しやすく

・既存のプロジェクト実行計画書(Excel)から項目移管、チケットで管理
→Excelでの進捗管理の負荷軽減

・「Lycheeガントチャート」大活躍
→オートスケジュール機能でスケジュール変更が楽に!非常にありがたい

・「Lycheeガントチャート」のカスタムクエリ大活躍
→条件保存で、上長の確認事項(未完了チケット/今後の負荷予測)を一瞬で確認可能に

リソースマネージメント機能で、負荷予測が一瞬で見える化!

特に、リソースマネージメント機能について、これまでやっていた面倒な作業からの脱却、さらには、より精度高い管理が可能になり、非常に評価しています。

・今後の負荷予測管理が容易に
→これまで、上長がExcel作成(約10時間/月)していた山積みグラフが、一瞬で見えるように!

・“担当者未割当”のユーザーを作成し、全て工数を管理
→担当未定などの未確定案件の工数も見える化

・受注確度も加味して、負荷予測を見える化。
→営業に対して、「この時期、リソース空きそう」など受注時期の調整ができるように

プロジェクトレポートなど、もっと活用したい機能も多い

プラグイン「Lycheeプロジェクトレポート」で、マネージャーを自部門管理者に、サブマネージャーをプロジェクトリーダーを設定し運用していますが、フィルタ条件が3つだけなので、全部門を見るのが難しいですね。今後、バージョンアップされるということで期待しています。

「Lychee工数リソース管理」の「タイムマネジメント」は私の部署では未使用ですが、他部署から「入力しやすく便利」という評価を聞いています。

そのほか、Redmine Work timeという追加プラグインで、各自の作業実績を入力しています。

見えてきた課題

ロールと権限、トラッカーやプロジェクトレポートなど使い切れていない部分は、初心者としての課題です。そのほか、

・部門により取扱商品や仕事のやり方が異なるため、使い方も違ってくるはず。
・あまり使っていない部門への使用推進をどうするか
といったことも気になっています。

さらに、現在は、作業実績を「Lychee Redmine」と工数管理システムと2重入力しており、手間もかかるし、抜け漏れも発生しやすい状況です。「Lychee Redmine」との連携システムを開発したいと思っています。

目指せ!「Lychee Redmine」全社導入

今後の検討事項として、外部委託メンバー向けライセンス追加のほか、将来的には、営業部門や総務部門、社内横断プロジェクトなどでも「Lychee Redmine」を活用していきたいと思っています。

「Lychee Redmine」については、今年6月から使い始めて、まだまだ初心者です。十分に使い切れていないところもありますが、非常に有用なツールであることは間違いないと思っています。今後、もっと活用展開していきたいですね。

 

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