アジャイル開発導入率は23.2%!うち約8割が成果を実感!メリットTOP3は「柔軟・迅速な対応」「市場投入の加速」「品質向上」

2025年2月、システムエンジニア1,093名を対象に、「アジャイル開発の浸透率に関するアンケート」を実施しました。
ウォーターフォール型からアジャイル開発への移行状況と、その導入価値を探る市場調査です。

アジャイル開発の浸透率調査結果 概要

  • 「アジャイル開発」導入率は23.2%
  • 約8割が導入後の成果を実感
  • メリットは「要求や仕様変更への柔軟・迅速な対応」「市場投入の加速」「品質向上や不具合修正の迅速化」
  • 運用で重視すること、1位は「顧客ニーズに応じた優先順位の決定」
  • 約4割がリリース計画の立てにくさに課題感。スキル不足への懸念も
  • アジャイル開発未導入の理由、1位「知識・スキル不足」

調査結果 詳細

「アジャイル開発」導入率は23.2%

どのような開発手法を採用しているかを尋ねたところ、
「アジャイル開発」が23.2%
「ウォーターフォール型開発」が50.0%
「ハイブリッド開発」が26.8%
で、アジャイル開発の導入率は約2割でした。
(n=1,093)

勤務先や請け負っている業務において、どのような開発プロセスを採用していますか。

アジャイル開発のメリットは「要求や仕様変更への柔軟・迅速な対応」「市場投入の加速」「品質向上や不具合修正の迅速化」

導入した目的は、
「要求や仕様変更への柔軟かつ迅速な対応」が58.5%で最多となりました。

また、導入によるメリットも、
「要求や仕様変更への柔軟・迅速な対応」が最多となり、
アジャイル開発の導入目的と実際のメリットには、ほとんどギャップがないことがわかりました。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

アジャイル開発を導入した目的と導入後に感じたメリットを教えてください。

約8割がアジャイル開発導入後の成果を実感

導入前と導入後を比較した成果を尋ねたところ、
約2割が「期待以上の成果」
約6割が「期待通り」
と回答し、8割近くが導入効果を実感していることがわかりました。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

アジャイル開発導入後の成果について教えてください。

期待以上の成果が出た・期待通りの成果が出た理由/一部抜粋

  • 要求や状況の変化に迅速に対応できるようになった
  • 短いサイクルでリリースできるようになった
  • メンバーの自立が促され、高いレベルでの開発が行えるようになった
  • アライアンスコストが軽減された
  • 業務の効率化・スピード向上により、生産性が向上した
  • コミュニケーションが円滑になり、認識のズレが減った
  • 品質向上と安定した開発が可能になった
  • チームメンバーの意識向上や部内の活性化が進んだ

期待した成果が出なかった理由/一部抜粋

  • スケジュール管理が難しく、見通しが悪い
  • 仕様変更が多く、開発者の負担が増大した
  • 工数やコストが増加した
  • アジャイル開発の特性が合わなかった
  • 上層部がアジャイル開発の適用可否を理解せず、押し付けた
  • メンバーのスキル不足が影響した
  • 評価制度との不整合

約4割がリリース計画の立てにくさに課題感。スキル不足への懸念も

アジャイル開発の運用課題では、
「全体的なリリース計画やロードマップが立てにくい」が37.5%で最も多く、
「メンバーの知識やスキルが不足している」が25.5%、
「スコープの頻繁な変動管理が難しい」が25.0%と続きました。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

アジャイル開発を運用する上で感じる課題は何ですか。

期待通りの成果が出なかったと回答した層は、成果が期待以上・期待通りと回答した層に比べて、
「レガシーシステムや大規模・複雑なプロジェクトでの適用難」
「アジャイル開発の手法やツール運用の形骸化」
「ドキュメンテーション不足」
といった課題を多く抱えていることがわかりました。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

アジャイル開発を運用する上で感じる課題は何ですか。

アジャイル開発を社内浸透させるための工夫、1位「教育・トレーニング」2位「ツール整備」3位「ガイドライン作成」

社内浸透の工夫を尋ねたところ、
「アジャイル開発に関する教育・トレーニングの実施」が29.5%で最も多く、
「ツールを整備する」が28.0%、
「ガイドラインやテンプレートを用意する」が27.5%と続きました。

「特に実施していない」も23.0%と多く、
背景として、アジャイル開発の形式的な導入や、ノウハウ・リソース不足で社内浸透を実施できていないことなどが考えられます。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

社内でアジャイル開発を浸透させるために工夫していることはありますか。

アジャイル開発で重視すること、1位は「顧客ニーズに応じた優先順位の決定」

導入を進める上で重視していることを尋ねたところ、
「顧客やユーザーニーズに応じた優先順位の決定」が40.0%で最も多く、
「状況の見える化」が37.5%、
「チーム内外のコラボレーション」が25.5%と続きました。
(n=200/アジャイル開発を採用している方)

アジャイル開発を進める上で、重視していることは何ですか。

現在ウォーターフォール型開発をしている方を対象に、今後のアジャイル開発導入予定を調査

アジャイル開発の導入予定、ハイブリッド開発とあわせて4割が検討中

ウォーターフォール型開発を採用している方に、今後アジャイル開発を導入する予定があるか尋ねたところ、
「アジャイル開発を検討中」が9.5%、
「ハイブリッド開発を検討中」が30.5%で、
あわせて4割が検討中と回答しました。
(n=200/ウォーターフォール型開発を採用している方)

※ハイブリッド開発:アジャイル開発とウォーターフォール型開発を両方取り入れる開発手法

今後アジャイル開発を導入する予定はありますか。

アジャイル開発未導入の理由、1位「知識・スキル不足」

アジャイル開発を導入しない理由を尋ねたところ、
「知識・スキルが不足している」が30.0%で最も多く、
「サービスやプロダクトがアジャイル開発に向いていない」が27.5%、
「チーム構造や組織文化がアジャイル開発に適さない」が20.0%と続きました。
(n=200/ウォーターフォール型開発を採用している方)

現在アジャイル開発を導入していない理由を教えてください。

アジャイル開発の期待効果、1位「仕様変更への柔軟な対応」

今後アジャイル開発を導入する場合に期待する効果を尋ねたところ、
「新たな要求や仕様変更への柔軟かつ迅速な対応」が36.0%で最も多く、
「リリース期間短縮による機能の迅速な市場投入」が24.0%、
「プロジェクト全体のリスク低減」が23.5%と続きました。
(n=200/ウォーターフォール型開発を採用している方)

今後アジャイル開発を導入する場合、期待する効果は何ですか。

アジャイル開発の導入に必要な要素、約半数が「教育・トレーニングの実施」と回答

アジャイル開発の導入を進めるために必要だと感じることを尋ねたところ、
「アジャイル開発の教育・トレーニングの実施」が46.0%で最も多く、
「成功事例の共有」が25.0%と続きました。
「必要なことがわからない」と回答した方も24.5%と多く、
アジャイル開発に関するノウハウ不足が要因となり、導入を進められていないことが推察されました。
(n=200/現在ウォーターフォール型開発を採用している方)

アジャイル開発の導入を進めるために必要だと感じることは何ですか。

アジャイルコーチ 平川 隆仁 コメント

アジャイル開発は単なる手法ではなく、組織全体の文化やマネジメントの変革を伴うものです。そのため、どのように根付かせ、継続的に最適化していくかが成功の鍵となります。今回の調査では、多くの企業がアジャイル開発のメリットを実感する一方で、適用範囲の拡大やリリース計画管理に課題を抱えていることが明らかになりました。

ウォーターフォール型開発を採用している企業では、アジャイル開発の導入を検討している割合が1割未満と低く、「知識・スキル不足」や「組織文化との適合性」に対する不安が、導入の障壁となっている実態も浮き彫りになりました。さらに、導入企業の約2割が「形骸化」を懸念しており、アジャイルの本質が十分に活かされていないケースも見受けられます。

特に、大規模プロジェクトでは「短期間の開発サイクル」が目的化しやすく、意思決定の柔軟性や自己組織化といったアジャイルの本質的な価値が失われがちです。変化による一時的な混乱を最小限に抑えつつ、アジャイルの価値を最大化するための工夫が求められます。

また、未導入企業の3割以上が「知識やスキルの不足」を理由に導入を見送っているという結果からも、教育・トレーニングの重要性が強く示唆されます。アジャイル導入を成功させるには、ツールによる可視化だけでなく、マネジメント層の理解を深め、継続的な学習と振り返りを組み込んだ文化づくりが不可欠です。

アジャイルの効果を持続的に引き出すためには、アジャイルコーチや実践者の支援を受けながら、組織全体でアジャイルの本質を理解し、実践と継続的な振り返り・フィードバックを重ねることで適応力を高めていくことが、今後ますます重要になるでしょう。

平川 隆仁

株式会社アジャイルウェア
スクラムマスター/アジャイルコーチ
Team.KAIZEN 組織マネジメント/開発マネジメント
平川 隆仁

製造業界でのエンジニア職およびスクラムマスターの経験を経てアジャイル開発の奥深さを知る。組織体制にとらわれず、チーム本来の生産性を発揮できるワクワク組織を作るためにアジャイルウェアに入社。Lychee Redmineのプロダクトオーナーや複数チームのスクラムマスターを歴任。企業規模の拡大に伴いTeam.KAIZENを立ち上げ、現在は全社のカイゼン活動をリードしながら、より働きやすく成果を上げられる組織の実現を追求している。

scrum alliance

調査概要

調査名称 : アジャイル開発の浸透率についてのアンケート
調査機関 : Freeasy
調査対象 : 製造業・情報通信業に従事するシステムエンジニア
調査方法 : Webアンケート
調 査 日 : 2025年2月14日〜2025年2月15日
有効回答数 : 1,093件

※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります

調査結果の引用時のお願い

※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記の掲載をお願いします。
例:「アジャイルウェアの調査によると」「アジャイルウェア調べ」など

「Lychee Redmine(ライチレッドマイン)」を利用したアジャイル開発

Lychee Redmineは高機能かつ直感的で使いやすいガントチャート、工数の見える化と管理、QCDの可視化や報告に使えるレポート、EVM、CCPM、豊富な機能でチームのタスク管理から大規模なプロジェクト管理まで幅広く対応したプロジェクト管理ツールです。
アジャイル開発での利用実績も増えてきており、カンバン・バックログ、バーンダウンチャートなど、使いやすい機能が充実しています。
ハイブリッド開発や、ウォーターフォール型開発からアジャイル開発に段階的に切り替えを行っている企業からも選ばれています。
Lychee Redmine×アジャイル開発のハウツー資料を無料公開中!
https://lychee-redmine.jp/whitepaper_request/lychee_agile/

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