住友電装株式会社
社名
住友電装株式会社 様
導入先
自動車用・機器用ワイヤーハーネスの製造販売、ワイヤーハーネス用・電気機器用部品の製造販売、自動車用電線の製造販売
使用機能
Lychee ガントチャート、Lychee Actual Date、Lychee Association Chart、Lychee EVM
電気機器従業員数:6000名〜EVMガントチャート

住友電装株式会社は大正6年創業以来、自動車用ワイヤーハーネスをはじめ、電気自動車、ハイブリッド車用部品、エレクトロニクス製品など時代のニーズに合わせた製品を提供し、長きにわたり社会に貢献してきました。「より良い製品を提供するにはどうするべきか」「品質をどう担保するか」「より効率的に納期通り製品を届けるにはどうするべきか」という課題を解決すべく、今回オープンソースのプロジェクト管理ツールRedmineと、そのプラグインとして開発されたLychee Redmineを導入しました。
今回は、この部品製造プロセス管理をシステム化された経緯とその効果について、導入を担当されたSQA部の原口氏にお話を伺いました。

まずはRedmineでプロセスの見える化を実現!

そもそもRedmineの導入経緯は?
役割ごとのアクセス制限、相互に関連付けられたWBSの見える化と担当者や開始日・期日の設定を徹底したかった。管理効率化という命題があったことと、自身がPMBOK(プロジェクトマネジメント手法)で学んだWBSなどによるプロジェクト進捗管理がいかに重要かということを感じていたところ、Redmineには構成管理や不具合管理なども仕組みとして統合化され一元管理ができる点が良いと感じました」と、原口氏は導入のきっかけを振り返っておられました。
また、Redmine導入の決め手については「CMMI、SPICE(ISO/IEC15504)といった規格でソフトウェア開発組織の成熟度を量ることが業界では一般化しており、当社では長らくExcel帳票を用い、工夫しながら計画管理・要件管理・プロセス管理・構成管理を行ってきました。うちの部品を採用してもらうにはプロセス管理がとても重要です。Automotive SPICEが示すプロセスモデルにマッチしそうなソフトをベンチマーク比較した結果、 Redmineが一番要件を満たす製品だったんです。」とおっしゃっています。
「Redmineであればプロセスの見える化ができる」という点が導入の決め手だったようです。
さらに、原口氏は「大手企業で既に大規模運用実績があることもポイントの一つです」とのこと。
既に導入事例があると、検討もしやすいですね。

では、なぜLychee Redmineが必要なのでしょうか?
「現場メンバーとマネージャー」が「同じ視点と同じ目標」で『一緒に作業できる』ちょうど良い仕組み。

Redmineに足りなかった部分を解決!
Lychee Redmineの導入で得られた効果は?

「ガントチャートで進捗報告をしてもらうという運用ルールを策定し、開発メンバーにガントチャート上で報告を実施してもらっています。」と原口氏。では、実際どのように利用されているのか、引き続きお聞きしました。

Lychee ガントチャート

タスクを見える化するにはまさに理想的

ガントチャートは大きなタスクに対し、さらに細分化したタスクを見える化するために使用しています。例えば、必須とされる設計書作成というタスクがある際に、完了しているのかまだなのか、前後関係は異常がないか、承認済みではないのにコーディングが始まっていないかなどという確認もできる点が良いです」と原口氏。

操作については?

「Redmine標準のガントチャートではガントチャート画面とチケット登録画面を行ったり来たりすることが手間で大変だったんですが、Lychee ガントチャートを使うことでそのストレスが無くなりました。 Excelでは煩雑な手作業になってしまうのですが、Lycheeだと先行後続関係や関連付けを崩すことなくガントチャート上でダイレクトに編集できるので、事前にリスクを抑止できるようになりました。そして、実際そのチケットを受け持っている人をチケット一覧画面ですぐに確認できます。事務処理スピード、快適性は確実に上がっていることを実感しています。
Excelを使っていた時のやり方からプロジェクトで使っている人でも今ではチケットベースで会話ができるようになっているそうです。共通認識ができているということですね。

「MS Projectはマネージャー向けのツールであり、現場メンバーとの連携が難しい。一方、RedmineとLychee ガントチャートはその折り合いをつけさせるにはちょうどいい仕組みです。ガントチャートの機能としてはLychee ガントチャートが全て希望している要件を満たしています。」と原口氏は評価されていました。

Lychee Actual Date

予定と実績の差分が見える化

ES統括部では全作業者がLychee Actual Dateで実開始日・実終了日の入力・確認を行っています。
Redmineだけでは予定期間しか管理できませんでしたが、このプラグインによって実開始日・実終了日を入力することができるようになり、予実管理が視覚的にも可能になりました。予定と実績の差分を一目でガントチャート上で確認でき、進捗状況がわかりやすいです。
実開始日・実終了日が表示できることで実績タスクに漏れがないかをWebベースで一元的・視覚的に閲覧・修正ができるので、全タスクを共有しながら進捗確認できる点が良いと思います。

Lychee Association Chart

ISO26262 機能安全の観点で利用

Redmineとの違いは?
「Redmineはタスクが一覧でしか見れませんでしたが、Lychee Association Chartではタスクを図式化して表示してくれます。
さらに、導入方法についてご説明いただきました。
「SQA部では、やるべきタスクを決めておき、それが確かに行われたか、管理・共有するために使用しています。機能安全の観点から言うと、それがソフトウェアのどの機能に盛り込まれていて、それが妥当か否かを保証することがサプライヤとしての責務だと考えているからです。要件トレースツールとしてタスクの担当者がLychee Association Chartを使用していて、ツリー構造で各タスクの紐づいている状態を親子関係で見られるという点で重宝しています。

Lychee EVM

ボタン一つで工数集計

「今までは全て手作業でEVMを作成していてかなり時間がかかっていましたが、ボタン一つで簡単に作れるようになったので嬉しいです。このEVMを活用すれば、報告資料もすぐに作れそうですね。」

まとめ

問題点

課題点

導入効果

Lychee Redmineの導入効果

今後の展開

「Excelで長年運用してきたWBS、ファイル共有を全て移行していくには既に走っているプロジェクトではできないので、新規プロジェクトから徐々に移行を始めていく予定を立てています。『チケットなければ変更なし』という運用ルールの浸透を目指しています。Redmineに関してはマニュアルを配布したり、説明会を行ったりしましたが、Lycheeについては説明会を開く必要もなく、導入後に操作がわからないという問い合わせもなかったので、システム導入担当者としては負担が軽いと感じています。」と導入の手応えと今後への期待で原口氏は締めくくりました。

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