
2025年10月3日 (金)、東京(浅草橋)にて、第10回Lychee Redmine ユーザー会「Lychee Fun Basket 2025」が開催されました。
今年のテーマは「プロジェクト管理の知恵を試そう!実践で学ぶ冒険の書」。
例年好評をいただいているユーザー会ですが、今年は一層多くの参加者を迎え、学びと交流の機会が充実したイベントとなりました。

プログラム
- 名刺交換会
- 基調講演
- 招待講演
- ユーザー企業による事例発表
- Lychee Redmine 2025年のふりかえりとロードマップ
- 参加者駆動型カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)
- 交流会
- 展示ブース
以下、当日の様子を詳しくご紹介します。
名刺交換会

イベントは、参加者同士の交流を促す名刺交換会から始まりました。雑談を交えたやり取りで緊張がほぐれ、自然な会話が広がりました。「Lychee Fun Basket」の趣旨である交流と情報交換が早速行われ、会場のあちこちに笑い声が響きました。
<基調講演> Ridgelinez株式会社 尾形 順一氏
プロジェクトマネジメントの冒険
〜ウォーターフォールでもアジャイルでも陥りがちな罠〜

基調講演では、Ridgelinez株式会社 Technology Group Director 尾形 順一氏をお迎えし、「プロジェクトマネジメントの冒険 ~ウォーターフォールでもアジャイルでも陥りがちな罠~」をテーマに講演が行われました。
講演ではまず、プロジェクトの失敗率が、アジャイルの普及により一定の改善は見られるものの、国内では依然として約7割に上る現状が示されました。その上で、PMBOKやPRINCE2といったグローバルなプロジェクトマネジメント標準の最新動向を紹介しつつ、ウォーターフォール型でもアジャイル型でも共通して陥りやすい「9つの罠」とその対策について解説していただきました。
総括として、尾形氏は「プロジェクトには常にチャレンジを楽しむ姿勢が欠かせない」と述べられました。そのために、「知識をアップデートし続けること」、そして「ウォーターフォールでもアジャイルでも楽しく取り組むこと」が重要だと語りました。「楽しいが一番強い」ことを理解して、困難があっても失敗を恐れずに挑戦し、「冒険を楽しむ」姿勢を持つことが、プロジェクトに取り組む上で何よりも大切だと締めくくられました。
<招待講演> ファーエンドテクノロジー株式会社 前田 剛氏
Redmineアップデートキャッチアップ
〜5.0以降の有用機能再チェック〜

招待講演には、ファーエンドテクノロジー株式会社 代表取締役の前田剛氏にご登壇いただき、「Redmineアップデートキャッチアップ ~5.0以降の有用機能再チェック~」をテーマにご講演いただきました。前田氏はRedmine開発チームの一員として長年携わり、書籍『入門Redmine』の著者として、そしてクラウドサービス「My Redmine」を提供する同社の代表として、Redmineについて幅広い知見をお持ちです。
講演では、近年のRedmineのバージョンアップを振り返りながら、進化してきた「ユーザビリティ」「検索性」「管理機能」の改善についてご紹介いただきました。また、最新の動向として、インターフェースの改善や操作性向上に向けた取り組みが紹介され、Redmineは「より快適に、より実務に直結する形で使ってもらう」ことを目指していると語られました。長年Redmineの開発や普及に携わってきた立場から解説を伺うことができ、まだ活用できていなかったLychee Redmineの機能や使い方を、具体的なイメージとともに学べる貴重な機会となりました。
<事例紹介> 株式会社ソシオネクスト 西道 佳人氏・八田 恭明氏
開発現場へのプロジェクトマネジメント
知識体系ガイド(PMBOK)の適用

ユーザー企業による事例紹介の1社目は、株式会社ソシオネクスト 開発グループ 開発マネジメント部 プロジェクトマネジメント室の西道 佳人氏・八田 恭明氏にご登壇いただき、「開発現場へのプロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK)の適用」をテーマに、Lychee Redmineの活用事例をご紹介いただきました。
同社はSoCの企画・設計・評価・量産を手がける半導体メーカーとして、従来は工程ごとの分業型で開発を進めていましたが、製品・要件の高度化により工程間連携と全体最適の難しさが顕在化していました。そこで製品を軸にしたプロジェクト型へ移行し、PMBOKに基づく社内ガイドラインを整備。ガイドラインを運用に落とし込む基盤としてLychee Redmineを採用し、標準テンプレートを用意した上で、各プロジェクトに合わせて柔軟にカスタマイズできる体制を構築しました。
導入後は、「変更管理」(変更受付から影響分析・完了までの一元管理)、「スケジュール管理」(WBSを起点にチーム・個人まで段階分解、2カ月先を詳細化)、「コスト管理」(EVMと外部システムの併用)、「品質保証」(フェーズ移行時のチェックリスト)、「リスク管理」(登録・分析・対応の履歴化)を体系的に運用しています。
また、「チケットは自分の価値を示すためのノート」という考え方を社員に伝えることで入力習慣の定着を促し、勤怠との突合など仕組み面でも支援しています。結果として、判断の透明性と意思決定のスピードが向上し、プロジェクト全体の「見える化」が進みました。現在はさらなる定着化と横展開を進めつつ、チケット履歴の活用高度化にも取り組む方針だと語られました。
<事例紹介> 株式会社アイネス 堀越 和真氏
生成AIを活用したLychee Redmineでの
プロジェクト管理について

ユーザー企業による事例紹介の2社目は、株式会社アイネス 公共ソリューション本部 自治体ビジネス企画部 プロジェクトマネージャー 堀越 和真氏にご登壇いただき、「生成AIを活用したLychee Redmineでのプロジェクト管理について」をテーマに、自治体システム標準化対応に向けた取り組みをご紹介いただきました。
同社では、自治体の業務情報システムが国の標準化されたシステムへ移行することに伴い、120団体のプロジェクトが同時並行で進行しています。Lychee Redmineの導入以前は進捗管理・課題管理・レビュー指摘・変更管理・コストといった情報がWebシステムやExcelに分散し、報告にタイムラグが生じることが大きな課題であり、不調予測を含めてプロジェクト状況を経営層まで含めてタイムリーに把握したいというニーズがありました。そのため、プロジェクトを統合的に一元管理する基盤としてLychee Redmineの導入を決定しました。
導入後は、タスク・課題・リスク・Q&A・レビュー・変更・EVMといったプロジェクトに関係する情報をLychee Redmineに一元化しています。これにより、生成AIが効率的に比較分析できるデータ基盤を構築できました。Lychee Redmineと生成AIを組み合わせることで進捗状況の要約、不調の予兆検知、遅延リスクの高いチケットの抽出を自動化しました。
これによって、100以上のプロジェクト評価レポートの作成にかかっていた作業時間は1ヶ月から平均4〜5時間へと大幅に圧縮されました。その結果、リアルタイムに近い報告も可能となり、問題の迅速な把握と解決サイクルの実現につながりました。
Lychee Redmineと生成AIの組み合わせにより、120プロジェクトにもわたる横断的な「見える化」と「遅延リスクの早期検知」が実現しました。さらに、報告の標準化と即時性が高まったことで、経営層や関係部門が自走的に状況把握できるようになりました。
【講演資料はこちら】
生成AIを活用したLychee Redmineでのプロジェクト管理について
Lychee Redmine 2025年のふりかえりとロードマップ
Lychee Redmine プロダクトオーナー 辻 友之 榊 春奈

Lychee Redmine プロダクトオーナーの辻より、今年リリースした新機能の紹介と、2026年に向けた展望について発表しました。
2025年は「複雑さの解消」「定着のサポート」をテーマに以下の機能をリリースし、より幅広いユーザー様に使いやすいツールを目指した改善を行いました。
- チュートリアルの導入
- 管理画面でのプロジェクトマネジメントの説明
- 「ココミテ」開設
- マニュアルへの導線改善
2026年以降は、以下のアップデートを予定しています。
- プロジェクトレポート/ダッシュボードの改善
- アラート・通知の拡張
- 成功体験の促進
- カンバン/バックログUI/UXの改善 など
今後は、以下のアップデートに関しても引き続き開発を進めてまいります。
- AI研究開発
- Redmine 6.0対応
- オンボーディング支援
より快適で効率的なプロジェクト管理を実現するため、引き続き改善に努めてまいりますので、ぜひご期待ください。
参加者駆動型カンファレンスOST

OST(オープン・スペース・テクノロジー)は、参加者自身が興味のあるトピックや相談したいことをテーマに上げ、ディスカッションする企画です。「開発者の方にリアルタイムでチケットを更新してもらうには?」「進捗はどのようにまとめている?」「チケットの粒度感を決める基準は?」「社内で生成AIを活用するコツは?」「作業の進捗を聞き出すコツは?」など、多様なテーマが続々と集まり、最終的には16のテーマが揃いました。


各テーブルで活発な議論が繰り広げられ、具体的なアイデアが共有される中で、弊社に取っても有益な気づきが得られる場となりました。
交流会

立食パーティー形式で行われた交流会では、登壇者の皆様やLychee Redmineのプロダクトチームも交え、活発な意見交換が行われました。
個性あふれる展示ブース
会場内には、メイン会場に加え、楽しみながら学べる体験型コーナーが設けられました。
Lychee Redmineやプロジェクト管理の相談ブース、協賛企業ブース、会場内に散りばめられたクロスワードパズルを完成させた方へのプレゼントコーナーなど、多彩なブースが来場者を出迎えました。

クロスワードラリー

今回初の試みとして、会場周回型のクロスワードラリーの抽選会を実施しました。

景品には、アジャイルウェア本社のある大阪で行われた関西万博のキャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみや、アジャイルウェアが継続的に支援をしている能登の名産品などを用意しました。

クロスワードの答えはプロジェクト管理に関連しており、多くの方にご参加いただき、大盛況となりました。
協力企業様ブース
Lychee Redmineのパートナー企業様、および懇意にしていただいている企業様が、企業ブースを出展してくださいました。
- テクマトリックス株式会社様
- ファーエンドテクノロジー株式会社様
- DAIKO XTECH株式会社様
(順不同)

ブースに立ち寄った参加者の方々と情報の交換をされるなど、イベントを盛り上げてくださいました。改めて、ご協力いただき誠にありがとうございました。
記念撮影ブース
イベントテーマに合わせて、RPG風のアイテムを持って記念写真を撮影できるブースもありました。参加者は皆さま笑顔で、記念に撮影にご参加くださいました。

キャリア相談・占いブース
弊社のキャリアコンサルタントが、四柱推命を用いてお悩みを占う特別ブースも登場しました。

チームの課題、キャリア形成、そして人生相談といった多岐にわたるテーマについて、占いとキャリア相談を通じてざっくばらんな意見交換が行われました。
View Customize・APIのハンズオンブース
アジャイルウェアのエンジニアが、機能のお悩みやView CustomizeやAPIの活用法について相談を受けるブースもありました。

開発者目線でより良い方法をご相談者様とともに検討し、解決策をご提案いたしました。
アジャイルコーチによる相談ブース

スクラム、ふりかえり、ファシリテーションなどアジャイル開発の推進や関するお悩みを受けられるブースです。 個室でご相談を受けるため、秘匿性の高い内容でも安心してお話いただけるブースとなりました。
デモ機ブース

最新のLychee Redmineを試せるブースです。
サービスを検討いただいているお客様が操作感を確かめたり、機能や運用に関してご相談いただいた方に対して、弊社社員やプロダクトオーナーが実機を使いながら具体的なアドバイスやご案内をいたしました。
おわりに
当日は、活発な学びと交流が繰り広げられ、会場は熱気に満ちた、充実した時間となりました。ご参加くださった皆さまのおかげで、活気あふれるイベントとなりました。
プロジェクトマネジメントの冒険は、これからも続きます。「Lychee Fun Basket」は今後も、ノウハウを共有し、挑戦を楽しさに変える場をめざします。Lychee Redmineの進化とともに、皆さまの旅を力強く支援してまいります。 引き続きLychee Redmineをよろしくお願いいたします。