ガントチャートは時代遅れ?使いにくいと批判される理由や弱点を補う方法も解説!

ガントチャートは時代遅れではありません。ただし、使い方やツールによっては形骸化しやすく、その状態が「使いにくい」「時代遅れ」という評価につながっています。

私はこれまで、複数のプロジェクトで計画と進捗の管理を担当してきました。私が見てきた現場にも、更新が追いつかずに誰も開かなくなったガントチャートは少なくありませんでした。問題は図そのものではなく、運用と道具の組み合わせにありました。

この記事では、批判される理由を整理したうえで、メリットとデメリット、弱点を補う方法、ほかの管理方法との使い分けまで解説します。

執筆者:和田匠真

IT業界で20年以上の実務経験を持つプロジェクトマネージャー。プログラマー・SEを経てPMとなり、大手企業のシステム提案からデリバリーまで一貫して従事。PMP/認定スクラムマスター(CSM)保有。ウォーターフォール/アジャイル双方の現場経験をもとに、プロジェクト管理に関する記事を執筆。

ガントチャートの更新負担は、使用するツールによって変わります。Lychee Redmineでは、ガントチャート上で期間をドラッグ操作で変更し、タスク間の依存関係を管理できます。

また、ガントチャートを使うプロジェクトと、Neoバックログ・Neoカンバンを使うプロジェクトを、同じ環境で管理できます。工数や担当者の負荷も管理する場合は、対応するプランの機能を利用します。

 

ガントチャートは時代遅れなのか

結論として、ガントチャートは時代遅れではありません。複数タスクの期間や進捗を時系列で示し、プロジェクト全体を共有する用途では、現在も有効です。

一方、短い周期で計画を変更する開発や、日々の作業状態を重視する現場では、初期計画を固定したまま使う運用が合わない場合があります。更新されないガントチャートが形骸化すると、「使いにくい」「時代遅れ」という評価につながります。

アジャイル開発でも、リリース計画や大きな節目を共有する用途でガントチャートを使えます。日々のタスク管理にはカンバン、全体の見通しにはガントチャートというように、目的を分けることが重要です。

問題はガントチャートという形式だけではなく、更新方法、表示する情報の粒度、使用するツールとの組み合わせにもあります。

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ガントチャートが「時代遅れ」「使いにくい」と批判される理由

ガントチャートが「時代遅れ」「使いにくい」と批判される論点は、おおむね4つに整理できます。いずれも、現場で起こり得る問題です。

背景には、簡易なガントチャートでは表しにくい情報があることと、更新を継続しにくい運用上の問題があります。ここでは、両方の観点から内容を確認します。

計画が形骸化しやすい

1つ目は、作成したあとに更新されず、形骸化しやすい点です。更新が追いつかなくなると、計画と実態が離れていきます。

更新作業自体が目的になると、ガントチャートを確認して判断する意味が薄れます。私が見てきた現場でも、週次の会議で口頭の報告に戻っていた例が複数ありました。

作成しただけで目的を果たしたと考えてしまうと、この状態に陥りやすくなります。何を見るために使うのかを決めていない場合に起こりやすい問題です。

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タスクの関係性や優先順位を把握しにくい場合がある

2つ目は、タスクの前後関係や優先度が読み取りにくい場合がある点です。依存関係を表示していない場合、横棒の位置と長さだけでは、どのタスクの遅れが後続へ影響するかを判断しにくくなります。

とくに表計算ソフトで作成した際、タスク間の依存関係を自動で管理し、日程変更を後続タスクへ反映するには、数式やマクロなどの設計が必要です。そのため、遅れの影響範囲を手作業で確認する運用になりやすくなります。

ただし、専用ツールでは依存関係を設定して表示できます。ガントチャートという形式そのものの限界ではなく、作成に使う道具による違いです。

変化の多いプロジェクトでは更新負荷が高い

3つ目は、要件や計画が頻繁に変わる場合、更新の負荷が高くなりやすい点です。計画を組み直す回数が増えるためです。

タスクを細かく登録しているほど、この負担は膨らみます。変更のたびに全体を調整する作業が発生し、管理そのものが目的化していきます。

一方で、アジャイル開発でガントチャートが使えないわけではありません。粒度を粗くして節目だけを管理するなど、扱い方を変える方法があります。

管理者だけのツールになりやすい

4つ目は、管理者だけが見て更新する道具になりやすい点です。現場のメンバーが自分の作業と結びつけて見なくなると、更新も滞ります。

閲覧や入力の権限が限られている場合、この傾向は強まります。現場で使わない図は、進捗の実態を反映しなくなります。

誰が、いつ、どの情報を更新するのかを明確にすることが、形骸化を防ぐ対策です。各担当者が進捗を入力し、管理者が全体を確認する方法のほか、PMが情報を集約して更新する方法もあります。

どの方法を選ぶかは、チームの人数や運用ルールによって変わります。更新の担当と頻度を決めずに始めると、責任の所在が曖昧になりやすいでしょう。

 

ガントチャートのメリット・デメリット

批判の論点を確認したうえで、道具としての特性を整理します。ガントチャートには、ほかの形式では代えにくい利点があります。

一方で、一覧性を重視した形式であるため、表現しにくい情報もあります。両面を把握しておけば、使う場面を判断しやすくなるでしょう。

ガントチャートのメリット

ガントチャートのメリットは、プロジェクト全体を1枚で俯瞰できることです。主な利点は次の4つです。

  • 全体のスケジュールと工程の流れを一目で確認できる
  • 計画と実際の進み具合の差を並べて確認できる
  • 依存関係を設定・表示できるツールでは、タスクの順序や影響範囲を整理できる
  • 関係者が同じ図を見ながら状況を共有できる

とくに価値が大きいのは、納期から逆算して各工程の開始時期を判断できる点です。複数のチームが関わる案件でも、全体の見通しを共有できます。

ガントチャートのデメリット

一方で、形式の上での制約もあります。一覧性を優先するため、細部の情報は表しにくくなります。主な制約は次の3つです。

  • 作業の中身や判断の経緯までは表現できない
  • 一定の範囲で、タスクと予定期間を事前に整理する必要がある
  • 簡易なガントチャートでは、実績工数や担当者の負荷が別管理になりやすい

ガントチャートは、全体の予定と進捗を俯瞰することを主な目的とするため、細かな判断経緯や日々の作業状態は別の方法で補う必要があります。

 

ガントチャートの弱点を補う方法

ガントチャートの弱点は、ツールを変えるだけでなく、計画の立て方や管理方法を見直すことでも補えます。弱点と対応する方法を整理すると、次のようになります。

  • 更新の負荷が高い:更新しやすい専用ツールを使う
  • 計画の不確実性に弱い:CCPMなどの計画手法を取り入れる
  • 変化への対応が難しい:カンバンなどと併用する

批判の多くはツールや運用に左右されるため、これらの見直しで形骸化を防ぎやすくなります。ここでは、3つの方法を紹介します。

更新しやすい専用ツールを使う

1つ目は、更新と共有が簡単な専用ツールを使う方法です。手作業や表計算ソフトでは、期間の変更に合わせてセルを塗り替える作業が発生します。

専用ツールには、横棒をドラッグして期間を変更できる製品があります。依存関係の自動調整に対応した製品であれば、前工程の日程変更を後続タスクへ反映できます。

進捗や工数を同じ環境で確認できる製品では、複数の管理表を行き来する負担を減らせます。更新作業が簡単になることで、最新の計画を維持しやすくなります。

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計画の不確実性に対応する手法を取り入れる

2つ目は、見積もりの不確実性やリソースの制約を考慮した計画手法を取り入れる方法です。

代表例のCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)では、タスクの依存関係に加えて、同じ担当者や設備を同時に使えないといったリソース制約も考慮します。プロジェクトの完了時期を守るためのプロジェクトバッファや、合流する作業の遅れを吸収する合流バッファを設けます。

バッファの消費状況を、プロジェクト全体の進捗を判断する材料として使う点が特徴です。CCPMはガントチャートの代替ではなく、ガントチャートへ反映する計画の立て方を補う手法として位置づけます。

カンバンなどと併用する

3つ目は、カンバンなどの手法と併用する方法です。カンバンは、作業の状態と流れを管理する方法で、日々の作業状態を管理するのに向いています。

全体の計画はガントチャートで管理し、日々の作業はカンバンで扱う形にすれば、それぞれの得意な範囲を活かせます。現場のメンバーが毎日見る画面が生まれるため、管理者だけの道具になりにくくなります。

カンバンでは、ワークフロー、仕掛かり中の作業数、スループット、サイクルタイムなどを用いて作業の流れを管理します。固定長の反復は必須ではありません。
(出典:Kanban Guides「The Kanban Guide」

 

ガントチャート以外の管理方法・ツール

ガントチャート以外にも、プロジェクトを管理する方法があります。目的が異なるため、置き換えではなく使い分けとして捉えるのが実際的でしょう。

なお、プロジェクト管理ツールの多くはガントチャート自体を備えています。そのため、ツールを変えることが、ガントチャートをやめることと同様にはなりません。

カンバンボード

カンバンボードは、タスクを状態ごとの列に並べ、作業の流れを管理する方法です。未着手、進行中、完了といった列にカードを移動させて進めます。

カンバンは固定長の反復を必須としないため、依頼が随時発生する業務でも取り入れやすい方法です。作業の状態を継続的に更新し、チームで流れを確認する運用に向いています。

運用や保守、問い合わせ対応など、依頼が読めない業務と相性がよい形式です。一方で、数か月先までの全体計画を示す用途には向きません。期間の見通しを共有したい場合は、ガントチャートとの併用を検討したほうがよいでしょう。

ネットワーク図とPERT

ネットワーク図は、作業の順序や依存関係を、ノードや矢印で表す図です。PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、ネットワーク図に加えて、楽観値・最頻値・悲観値の3点見積もりから作業期間の不確実性を扱います。

そのため、依存関係や、完了時期へ大きく影響する経路を確認したい場合に役立ちます。一方、日付・担当者・各タスクの進捗を一覧で共有する用途では、ガントチャートの方が把握しやすい場合があることも理解しておきましょう。

工程間の前後関係が複雑な案件では、まずネットワーク図で順序を整理し、そのうえでガントチャートへ日程を落とし込む進め方も取れます。作図の手間はかかるため、対象を主要な工程に絞ると扱いやすくなるでしょう。

Notionなどの柔軟な管理ツール

Notionは、文書やデータベースを組み合わせて使える情報管理ツールです。タイムラインビューを使うと、開始日と終了日に沿って、プロジェクトやタスクを時系列で表示できます。
(出典:Notion ヘルプセンター「タイムラインビュー」

議事録や仕様と同じ環境で予定を共有したい場合にも有効です。依存関係の自動調整など、必要な工程管理機能を備えているかは、導入前に確認してください。

情報を1か所へまとめたい小規模なチームや、企画段階のプロジェクトで扱いやすい形式といえます。管理するタスク数が増える場合は、専用ツールとの比較も検討しましょう。

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ガントチャートが向いている場面・向かない場面

ガントチャートを使うかどうかは、計画の明確さと変更の頻度で判断できます。

計画と納期が定まっているほど効果を発揮し、要件が頻繁に変わるほど運用の工夫が必要になります。ここでは、それぞれの場面を整理します。

ガントチャートが向いている場面

向いているのは、計画と納期が比較的明確な案件です。工程の順序が定まっているほど、全体の見通しを示す価値が大きくなります。

次のような場面が該当します。

  • 納期が決まっており、逆算して工程を組む必要がある
  • 複数のチームや部門が関わり、全体計画を共有したい
  • タスクの依存関係が多く、順序の管理が重要になる
  • 進捗を定期的に報告する相手がいる

タスクや関係者が多く、工程間の依存関係や全体の節目を共有する必要がある案件では、ガントチャートによる一覧表示が役立ちます。

ほかの管理方法との併用を検討したい場面

一方で、ガントチャートだけでは扱いにくい場面もあります。要件が頻繁に変わる案件では、更新の負担が管理の効果を上回ることがあります。

次のような場面では、カンバンなどとの併用や代替を検討しましょう。

  • 要件や優先順位が短い周期で変わる
  • 日々の作業状態を全員で確認することを重視する
  • 依頼が随時発生し、期間で区切りにくい
  • 小さく素早く試して結果を確認したい

この場合も、全体の節目だけをガントチャートで管理する形なら両立できます。すべてを一つの方法に寄せる必要はありません。

 

時代に左右されずガントチャートを使うならLychee Redmine

時代に左右されずガントチャートを使う条件は、更新を続けられる状態を保つことです。更新が止まると、どの形式であっても形骸化します。

当社が提供するLychee Redmineは、更新の手間を抑えながら、ほかの管理方法とも併用できる点が特徴です。7,000社を超える企業にご利用いただいています。

更新の手間を抑えられる

Lychee Redmineのガントチャートでは、横棒のドラッグ操作によって期間や開始日を変更できます。セルを塗り替える必要はありません。タスクの追加や担当者の変更も、ガントチャート上で操作可能です。

計画の見直しが頻繁に発生する案件でも、その場で反映して共有できます。週次で計画を組み替える案件や、複数の関係者から変更依頼が入る案件に向いています。

なお、ガントチャートはスタンダードプラン以上で利用できる機能です。導入前に、対象プランをご確認ください。

依存関係・進捗・工数を同じ環境で確認できる

Lychee Redmineのガントチャートでは、タスク間の依存関係を設定できます。先行タスクの日程を変更すると、関連する後続タスクの日程も自動で調整されます。

対応するプランでは、タイムマネジメントやリソースマネジメントも利用できます。進捗、実績工数、担当者の負荷を同じ環境で確認できるため、遅延の背景を把握する材料を集約できます。

ガントチャート、Neoバックログ、Neoカンバンはスタンダード以上、工数・リソース管理はプレミアム以上で提供されています。工数の実績まで管理したい場合は、対象プランをご確認ください。

異なる進め方のプロジェクトを同じ環境で管理できる

Lychee Redmineでは、ガントチャートを使うプロジェクトと、Neoバックログ・Neoカンバンを使うプロジェクトを、同じ環境で管理できます。部門やプロジェクトごとに異なる進め方を採用している場合も、情報を一つの環境に集約できます。

Neoバックログでは、実現したい項目の優先順位づけとスプリント計画を管理できます。Neoカンバンでは、スプリントの進捗をチームで共有できます。

なお、同一プロジェクト内でNeoバックログとガントチャートを日常的に併用すると、スケジュールが二重管理になりやすいため、運用方法を事前に整理する必要があります。

無料トライアルで運用を試せる

Lychee Redmineでは、30日間の無料トライアルを用意しています。すでに表計算ソフトで管理している場合も、1つのプロジェクトから移行を試せます。

更新を続けられるかどうかは、実際に運用してみることで判断しやすくなります。タスクの登録、期間変更、進捗更新までを試し、現在の運用ルールを無理なく移せるかをご確認ください。

トライアルはユーザー数無制限で、クレジットカードの登録も不要です。まずは無料トライアルで、自社の運用に合うかをご確認ください。

 

ガントチャートの「時代遅れ」に関するよくある質問

ここでは、ガントチャートの「時代遅れ」に関するよくある質問をまとめました。運用を見直す際の参考にしてください。

ガントチャートはアジャイル開発に向いていますか?

アジャイル開発でも、リリース計画や大きなマイルストーンを共有する用途にガントチャートを利用できます。

一方、日々変化するタスクの管理には、カンバンやバックログ管理を併用するほうが扱いやすくなります。目的に応じて各種ツールを使い分けることがおすすめです。

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ガントチャートは本当に必要ですか?

ガントチャートは必須ではなく、目的によって判断するものです。全体の可視化や計画の共有が必要な場面では、有効に働きます。

関係者が少なく、短い期間で完結する作業であれば、簡易なタスク管理で足りる場合もあります。ガントチャートを導入することを目的にせず、何を見るために使うのかを先に決めましょう。

ガントチャートの代わりになる無料のツールはありますか?

無料で使えるツールやテンプレートがあります。すでに利用している表計算ソフトにテンプレートを適用すれば、新たなプロジェクト管理ツールを契約せずに作成可能です。

なかには、無料プランを備えたプロジェクト管理ツールもあります。小さく試したい場合は、資金をかけずに活用できるツールやテンプレートから取り入れる方法がおすすめです。

Notionでガントチャートのような管理はできますか?

Notionのタイムラインビューを使うと、タスクやプロジェクトを開始日・終了日に沿って表示できます。文書やデータベースと予定を同じ環境で管理できる点が特徴です。

必要な依存関係管理や自動日程調整に対応できるかは、管理するプロジェクトの規模や要件に応じて確認してください。

 

まとめ:ガントチャートは時代遅れではなく使い方が重要

ガントチャートが「時代遅れ」と言われる背景には、更新が止まることによる形骸化、簡易な表示では依存関係を把握しにくいこと、変更時の更新負荷、管理者だけが使う運用があります。

これらには、ガントチャートの表示形式だけでなく、使用するツールや運用方法に起因する問題も含まれます。更新しやすい専用ツール、計画手法の見直し、カンバンなどとの併用によって補えます。

全体を1枚で俯瞰できる価値は、開発手法が変わっても残っています。問題はガントチャートそのものではなく、目的と運用、そして道具の組み合わせにあるといえるでしょう。

更新を続けられる環境をお探しの場合は、Lychee Redmineの無料トライアルをお試しください。クレジットカード登録不要で、簡単に利用できます。

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