PMO業務を効率化するツールとは?種類別のおすすめ15選と選び方

PMOの主な業務は、複数のプロジェクトから進捗や工数、課題を集め、同じ基準で整理して関係者へ共有することです。案件数が増えるほど、この集約と報告の作業がPMO側へ集中していきます。

私はこれまでプロジェクトマネージャーとして、また複数案件を横断して見る立場で、Excelとメールによる集約を続けていた時期があります。負担が大きかったのは機能の不足ではなく、プロジェクトごとに管理項目の定義が違い、集めた数字をそのまま比べられなかったことでした。

この記事では、PMO業務を支えるツールの種類、ツールを検討したいケース、メリットとデメリット、目的別のおすすめ15製品、選び方の6つのポイント、導入を成功させる4つのステップまで解説します。

なお、「pmoツール」で検索すると、行政分野の固有システムである「デジタルPMO」「標準化PMOツール」も表示されます。これらは本記事で扱う一般企業向けのツールとは別のものです。違いは記事後半のよくある質問で説明します。

執筆者:和田匠真

IT業界で20年以上の実務経験を持つプロジェクトマネージャー。プログラマー・SEを経てPMとなり、大手企業のシステム提案からデリバリーまで一貫して従事。PMP/認定スクラムマスター(CSM)保有。ウォーターフォール/アジャイル双方の現場経験をもとに、プロジェクト管理に関する記事を執筆。

複数プロジェクトの進捗や工数を横断して確認する業務では、情報を一つの環境に集約できるかどうかが負担を左右します。Lychee Redmineでは、プロジェクトごとの進捗と工数、担当者の負荷を同じ環境で管理できます。

 

PMOツールとは

本記事では、PMOが行う進捗管理、工数・リソース管理、課題管理、情報共有、レポート作成などを支援するツールを、便宜上「PMOツール」と呼びます。「PMOツール」という独立した製品カテゴリがあるわけではなく、プロジェクト管理ツール、工数管理ツール、BIツールなどを含む総称です。

また、複数のプロジェクトを横断して標準化と支援を担うPMOを想定しています。PMI(Project Management Institute)は、PMOを「デリバリーチームと意思決定者を支える重要な支援体制」と説明しています。
(出典:PMI「Project Management Offices (PMOs)」

その支援業務のうち、ツールで効率化・可視化しやすいのは次の領域です。

  • 進捗、工数、課題、リスクの集約
  • 管理項目と入力ルールの標準化
  • 定例報告や経営層向けレポートの作成
  • 会議資料、議事録、標準テンプレートの共有
  • 変更内容と判断の履歴管理

一方で、最終的な優先順位の調整、投資判断、関係者間の合意形成は、人が担います。 ツールが担うのは、判断に必要な情報を同じ基準でそろえ、早く示すところまでです。この前提を持たずに導入すると、期待した効果と実際の変化にずれが生じます。

PMOそのものの役割や設置形態については、別の記事で詳しく解説しています。

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なお、PMOはPM(プロジェクトマネージャー)の代わりではありません。PMが個別プロジェクトの目標達成に責任を持つのに対し、PMOは複数のプロジェクトを横断して標準化と支援を担います。

 

PMO業務を支えるツールの主な種類

PMO業務を支えるツールは、担う役割によって次の5つに分けられます。

  • プロジェクト・複数案件管理ツール
  • 工数・リソース管理ツール
  • 課題・リスク・ワークフロー管理ツール
  • 情報共有・ドキュメント管理ツール
  • BI・レポーティングツール

この5分類は、後半で紹介するおすすめ15選の並びと同じです。 自社のPMOがどの業務に最も時間を使っているかを踏まえて、該当する分類から候補を探してください。

プロジェクト・複数案件管理ツール

複数プロジェクトの進捗、計画、課題、コスト、優先順位を横断して把握するカテゴリです。PMOの中心的な業務を担うため、最初に検討されることが多い分類です。

単一プロジェクト向けのタスク管理ツールとの違いは、複数の案件を並べて比較できるかどうかにあります。プロジェクト単位では管理できても、全案件を一覧で確認したり、共通の指標で並べたりする機能がなければ、PMOの集約作業は残ります。

選定時は、プロジェクトを横断した一覧表示、共通のテンプレート、権限の切り分けができるかを確認します。

工数・リソース管理ツール

稼働実績、予定工数、要員の負荷、配員状況を確認するカテゴリです。誰がどの案件にどれだけ時間を使っているかを把握できると、要員調整と原価管理の判断材料になります。

工数の記録は現場が毎日行う作業のため、入力の手間が少ないことが定着の条件になります。日々の記録が続かなければ、集計されるデータの精度も落ちるでしょう。

製品によっては、プロジェクト管理ツールに工数管理機能が含まれている場合もあります。別々に導入すると入力先が分かれるため、既存ツールの機能範囲を先に確認してください。

課題・リスク・ワークフロー管理ツール

課題、リスク、変更要求、承認状況、対応履歴を標準化して管理するカテゴリです。「誰が、いつ、何を判断したか」を記録として残せる点が、PMOにとって重要な価値になります。

課題管理表をExcelで運用していると、更新の重複や版の食い違いが起こるかもしれません。ツール上で一元管理すれば、最新の状態と対応履歴を関係者が同時に確認できます。

承認フローの電子化も、このカテゴリに含まれます。変更要求や稟議の流れを定型化すると、承認待ちで作業が止まっている箇所を把握しやすくなります。

情報共有・ドキュメント管理ツール

会議資料、議事録、標準テンプレート、ナレッジ、成果物を共有・検索するカテゴリです。PMOが整備した標準やテンプレートを、各プロジェクトが確実に参照できる状態を作ります。

必要なのは、保存できることよりも、探している人がすぐに見つけられることです。版管理と全文検索、権限設定の3点は、選定時に必ず確認してください。

ファイルサーバーやチャットの添付ファイルで運用していると、最新版がどれか分からなくなりがちです。標準文書の置き場所を一つに定めることが、標準化の前提になります。

BI・レポーティングツール

複数のデータソースを集約し、経営層向けのダッシュボードや横断レポートを作成するカテゴリです。プロジェクト管理ツールのレポート機能では足りない場合に、追加で検討する位置づけになります。

会計システムや勤怠システムなど、プロジェクト管理ツールの外にあるデータと組み合わせて分析したい場合に有効です。一方で、データの取り込み設計や画面の作成には一定の技術知識が必要になります。

導入を検討する前に、既存のプロジェクト管理ツールのレポート機能で足りるかを確認してください。要件を満たせば、ツールを増やさずに済みます。

 

PMO業務で管理ツールを検討したいケース

すべてのPMOに専用ツールが必要とは限りません。案件数が少なく、関係者が同じ場所にいる体制であれば、ExcelやTeamsでも十分に管理できます。

ツールの検討が必要になるのは、集約と標準化の作業がPMOの時間を圧迫し始めた段階です。私が担当していた現場では、各PMから形式の異なるExcelを受け取り、週次報告のたびに転記と集計を行っていました。報告書を作ることが目的化し、内容を検討する時間が残らない状態になっていました。

以下の3つのケースに当てはまる場合は、ツールの導入を検討する段階と考えられます。

複数ファイルからの集計・転記に時間がかかっている

進捗はExcel、依頼はメール、相談はTeamsといった形で情報が分散していると、PMOは定例報告のたびに複数の場所から情報を集めることになります。案件数と関係者が増えるほど、この集約作業の時間は増える一方です。

ExcelやTeamsそのものに問題があるわけではありません。少数の案件であれば、慣れた形式で運用できる利点があります。ただし、案件数が増え、転記・集計の負担が無視できなくなった段階では、作業量と誤りのリスクの両方が問題になります。

判断の目安は、報告資料を作る時間のうち、情報を集めて形式をそろえる作業が何割を占めているかです。資料の内容を検討する時間より、転記と整形に使う時間のほうが長くなっているのであれば、ツールで削減できる余地があります。

プロジェクトごとに管理項目・定義が異なっている

進捗率、課題の重要度、工数、品質指標といった項目の定義が案件ごとに違うと、横断比較そのものが成り立ちません。進捗率80%が、ある案件では工程の消化率を指し、別の案件では担当者の感覚値を指している状態では、並べても意味がありません。

この状態では、PMOが集めた数字を経営層へ示しても、判断の根拠になりません。数字の意味を毎回補足する説明が必要になり、報告の負担がさらに増えます。

注意したいのは、ツールを導入しても定義は自動的にそろわない点です。管理項目と入力ルールの標準化は、ツール導入の前に行う作業です。 ツールは、決めた定義を全案件へ適用しやすくする役割を担います。

経営層向けの報告資料作成に手間がかかっている

複数プロジェクトの情報を毎回集計・加工し、PowerPointやExcelで報告書を作成している場合、作成にかかる時間の多くはデータの整形に費やされます。ダッシュボードやレポート機能を使えば、最新の情報をそのまま提示することが可能です。

報告のたびに資料を作り直す運用には、もう一つの問題があります。作成時点の情報しか示せないため、会議の場で「今はどうなっているのか」と問われると答えられません。

ツール上でデータが更新されていれば、報告資料の作成頻度そのものを下げられます。定例報告を月次に減らし、日常の確認はダッシュボードで行う、といった運用も選択できます。

 

PMOツールを活用するメリット

PMOツールを活用するメリットは、次の4つに整理できます。

  • 複数プロジェクトの状況を同じ基準で把握できる
  • 集計・転記の作業を減らせる
  • 管理方法と報告様式を標準化できる
  • 経営層への報告を早く正確に行える

いずれも、PMOが本来注力すべき分析や改善提案の時間を確保することにつながります。 一方で、次章で述べるとおり導入にはコストと運用負荷が伴います。両面を踏まえて判断してください。

複数プロジェクトの状況を同じ基準で把握できる

進捗、工数、課題を同一の管理項目で集約できるため、案件を並べて比較できます。同じ基準で並べられると、支援が必要な案件を早い段階で特定することが可能です。

具体的には、遅延が発生している案件、工数が計画を超過している案件、課題の未対応件数が多い案件を、一覧の中から抽出できます。個別に確認して回る必要がなくなるほか、優先順位の判断もしやすくなります。

限られたPMOの人員をどの案件に充てるかを、感覚ではなく数字をもとに決められる部分がPMツールを導入するメリットです。

集計・転記の作業を減らせる

各PMが更新した情報がそのまま集約されるため、PMOが報告のたびに行っていた転記と加工の作業を減らせます。元データが1か所にあれば、集める工程を大幅に減らせます。

削減できるのは作業時間だけではありません。転記の過程で発生していた入力誤りや、参照した資料の版が古いといった問題も同時に減らせます。

なお、この効果はPMが情報を更新していることが前提です。更新されない項目は空欄のまま集約されるため、入力の定着とセットで考える必要があります。

管理方法と報告様式を標準化できる

テンプレート、入力ルール、レポート形式をツール上で統一でき、案件間のばらつきと属人化を抑えられます。新しいプロジェクトが始まったときも、同じ枠組みをそのまま適用できることが魅力です。

標準化の効果は、担当者が変わったときに表れます。前任者しか分からない管理方法がなくなるため、引き継ぎの負担が小さくなります。

ただし、標準を細かくしすぎると現場の実態と合わなくなる点に注意しましょう。全案件で共通に必要な項目に絞り、案件固有の情報は各プロジェクトの裁量に任せる形が現実的です。

経営層への報告を早く正確に行える

PMOツールを導入すれば、ダッシュボードやレポート機能で最新の状況を示せるため、報告資料の作成時間を短縮しつつ精度を保てます。「いつ時点の情報か」を毎回確認する手間も減らせます。

経営層が求めるのは、詳細な作業状況ではなく、投資判断に必要な情報です。予算の消化状況、スケジュールの見通し、重大なリスクの3点を定型で示せる状態を作ると、報告の質が安定するでしょう。

会議の場で追加の質問を受けた際も、ツール上でその場に該当データを表示できます。持ち帰って確認する回数が減り、意思決定までの時間を短縮できることも見逃せないポイントです。

 

PMOツールを活用するデメリット

導入にあたっては、次の3つの負担も理解しておく必要があります。

  • 導入・運用にコストと工数がかかる
  • 現場の入力負荷が増える場合がある
  • 管理項目を統一しないと横断比較できない

これらは導入前の設計で抑えられる項目です。 避けられない欠点ではなく、準備が不足したときに表面化する問題と捉えてください。

導入・運用にコストと工数がかかる

負担となるのはライセンス費だけではありません。初期設定、既存データの移行、現場への教育、運用開始後の保守にも工数がかかります。

とくに見落とされやすいのが移行作業です。既存のExcel管理表をそのままの形で取り込めるとは限らず、項目の対応づけや過去データの整理に時間を要します。過去分をどこまで移行するかは、導入前に決めておいてください。

コストを抑えるには、対象を絞って始める方法が有効です。全案件を一度に移すのではなく、数件で運用を確立してから広げると、修正にかかる手戻りを小さくできます。

現場の入力負荷が増える場合がある

管理項目が多すぎると、現場は更新を後回しにします。入力されなければPMO側の情報は古くなり、集約したデータの信頼性が下がります。

私が関わった現場では、機能が豊富なツールを導入したものの、必須の入力項目が多すぎたために更新が滞りました。結局、PMOが各PMへ確認して回る運用に戻り、導入前より手間が増えた形になりました。

対策は、入力項目を絞ることです。横断比較に必要な項目だけを必須とし、それ以外は任意にします。入力した本人にも見える形で情報が返る設計にすると、更新が続きやすくなります。

管理項目を統一しないと横断比較できない

ツールを導入しても、進捗率や工数の定義がプロジェクトごとに異なれば、横断比較はできません。同じ画面に並んだ数字が同じ意味を持っていない状態は、比較できないだけでなく、判断を誤らせます。

実際に、管理項目を統一しないままツールを導入した現場を見たことがあります。画面上は全案件が並んでいるのに、進捗率の算出方法が案件ごとに違ったため、比較には使えませんでした。

必要なのは、導入前に定義をそろえる作業です。進捗率の算出方法、工数の計上範囲、課題の重要度区分といった項目について、全案件共通のルールを文書化してからツールへ反映してください。

 

プロジェクト・複数案件管理のおすすめツール3選

ここからは、先ほどの5分類に沿って3製品ずつ、合計15製品を紹介します。まずは、PMO業務の中心となる複数案件の横断管理を担うツールです。

各表の内容は2026年8月時点の各社公式サイトの情報にもとづいています。料金やプランの内容は変更される場合があるため、導入前に各社公式サイトで最新の情報をご確認ください。 なお、このカテゴリの製品をより広く比較したい場合は、19製品を取り上げた別記事もあわせてご覧ください。

製品名

主なPMO用途

特徴

無料で試せる範囲(2026年8月時点)

Lychee Redmine

複数案件の横断管理・工数・レポート

ガントチャート、工数・リソース管理、プロジェクトレポート

フリープランあり。有料機能は30日間の無料トライアル

Microsoft Planner

チーム単位のタスク・計画管理

Microsoft 365と統合、上位プランでガント・ポートフォリオ

対象のMicrosoft 365プランに基本機能が含まれる

Redmine

課題管理・進捗管理の基盤

OSS、自社サーバーで運用、プラグインで拡張

ライセンス費用なし(構築・保守は自社負担)

 

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Lychee Redmine

Lychee Redmineは、オープンソースのプロジェクト管理ツールRedmineに、進捗管理・スケジュール管理・工数管理などの機能を追加した国産のプロジェクト管理ツールです。複数プロジェクトを横断して状況を確認できるため、PMOの集約業務に対応できます。

PMO用途で使う主な機能は3つあります。計画と進捗を管理するガントチャート、実績工数と担当者の負荷を確認する工数管理・リソース管理、そして複数案件の状況をまとめて可視化するプロジェクトレポートです。

利用できる機能はプランによって分かれます。フリープランは基本機能の一部とカンバンが対象で、ガントチャートはスタンダードプラン以上、工数・リソース管理とEVMはプレミアムプラン以上、プロジェクトレポートはビジネスプランの対象です。有料機能は30日間の無料トライアルで確認できます(2026年8月時点)。
(出典:Lychee Redmine「料金プラン」

向いているのは、複数案件を横断して管理し、報告フォーマットを標準化したいPMO部門です。単一プロジェクトのタスク管理だけが目的であれば、機能が過剰になる場合があります。

Microsoft Planner

Microsoft Plannerは、Microsoft 365に統合されたタスク・プロジェクト管理ツールです。対象のMicrosoft 365プランに基本機能が含まれるため、既存ライセンスの範囲で始められます。

基本プランで利用できるのは、タスク管理と、グリッド・ボード・スケジュール・チャートの各ビューです。Microsoft Teamsからも利用できるため、Teamsを情報共有の基盤にしている組織では導入の障壁が低くなります。

ただし、PMOが必要とする機能は上位プランの対象です。タイムライン(ガント)ビューはPlanner Plan 1(月額1,499円/ユーザー、年払い)以上で利用できます。ロードマップ、リソース要求、プログラム管理、ポートフォリオ管理は、Planner and Project Plan 3(月額4,497円/ユーザー、年払い)の対象です。 なお、Planner and Project Plan 5は2026年5月1日に新規販売が終了しています(2026年8月時点)。
(出典:Microsoft「Microsoft 365 Planner: プランと価格を比較」

向いているのは、Microsoft 365を全社導入しており、ツールを増やさずにPMO運用を始めたい組織です。検討時は、必要な機能がどのプランに含まれるかを必ず確認してください。

Redmine

Redmineは、GNU General Public License v2のもとで公開されているオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェアです。ライセンス費用がかからず、自社サーバーで運用できます。

公式サイトに挙げられている機能は、複数プロジェクトのサポート、ロールベースのアクセス制御、課題追跡、ガントチャートとカレンダー、時間追跡(工数管理)、プロジェクト別のwikiとフォーラム、SCM統合などです。進捗・課題・工数など、PMO業務の一部を支える基本機能を備えています。
(出典:Redmine「Overview」

注意点は運用面です。サーバーの構築、バージョンアップ、バックアップ、障害対応をすべて自社で行うため、ライセンス費用がかからない代わりに、技術力と運用工数が必要になります。 ポートフォリオ単位の優先順位づけや横断レポートが必要な場合は、運用設計やプラグイン、BIツールによる補完を検討してください。

向いているのは、社内に運用できる技術者がおり、自社の要件に合わせて作り込みたい組織です。

 

工数・リソース管理のおすすめツール3選

工数・リソース管理ツールは、稼働実績と要員の負荷を把握するカテゴリです。PMOが要員調整やプロジェクト原価の確認を担う場合に必要になります。

製品名

主なPMO用途

特徴

無料で試せる範囲(2026年8月時点)

Toggl Track

作業時間の記録と集計

操作が簡単、各種ツールと連携

Freeプランあり(人数に制限)

TimeTracker RX

工数と進捗・コストの一元管理

国産、製造・開発現場での実績

30日間の体験版と90日間の評価版

TeamSpirit

勤怠・工数・経費の一体管理

プロジェクト原価をリアルタイムに把握

検証環境による無料トライアル

 

Toggl Track

Toggl Trackは、作業時間を記録して集計する工数管理ツールです。開始と停止を押すだけで記録できる操作性が特徴で、日々の入力を続けやすい設計になっています。

Web、デスクトップ、モバイルアプリ、ブラウザ拡張機能から記録でき、100以上のツールと連携できます。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの連携にも対応しています。

プランはFree、Starter(月額9米ドル/ライセンス)、Premium(初年度は月額14米ドル、以降18米ドル)、Enterpriseの4種類です。Freeプランは永久に無料ですが、招待できる人数に制限があり、6か月間新規の時間入力がないアカウントは削除される規定があります(2026年8月時点)。
(出典:Toggl「Pricing」

向いているのは、まず工数の実態を把握したい小規模チームです。プロジェクト原価の管理や要員配置まで扱う場合は、機能が不足する可能性があります。

TimeTracker RX

TimeTracker RXは、株式会社デンソークリエイトが提供する国産の工数管理ツールです。工数入力、プロジェクト計画、進捗とコスト、複数プロジェクトの状況を一元的に可視化できます。

蓄積した工数データを、状況把握だけでなく継続的な改善活動へ活用する使い方を想定した設計です。公式サイトによると、導入実績は80,000ユーザーを超え、製造業の設計開発や生産技術、事務部門、IT関連企業などで利用されています。

無料で試せる範囲としては、30日間の体験版と90日間の評価版が用意されており、いずれもダウンロードできます(2026年8月時点)。
(出典:デンソークリエイト「TimeTracker RX」

向いているのは、工数データを原価管理や改善活動へつなげたい組織です。評価期間が長く設定されているため、実際の業務サイクルで試せる点も判断材料になります。

TeamSpirit

TeamSpiritは、株式会社チームスピリットが提供するクラウドサービスです。勤怠管理、工数管理、経費精算、労務管理を一つのプラットフォームで扱えます。

工数管理では、プロジェクト原価をリアルタイムに把握できます。勤怠と工数を同じ基盤で扱うため、勤務時間と作業時間の突き合わせを別々に行う必要がありません。

公式サイトによると、契約社数は2,200社以上(2026年2月末時点)、利用ユーザー数は70万人です。料金は1ユーザーあたりの月額ライセンス制で、50名分から利用できます。無料トライアルは、要件に沿った検証環境を用意する形式です(2026年8月時点)。
(出典:チームスピリット「TeamSpirit」

向いているのは、勤怠と工数を分けて管理している中堅以上の企業です。最低利用人数が設定されているため、小規模組織では対象外となる場合があります。

 

課題・リスク・ワークフロー管理のおすすめツール3選

課題・リスク・ワークフロー管理ツールは、判断と対応の履歴を残すカテゴリです。PMOが変更管理や承認の状況を追跡する業務で役立ちます。

製品名

主なPMO用途

特徴

無料で試せる範囲(2026年8月時点)

kintone

課題管理・承認フローの自社構築

ノーコードで業務アプリを作成できる

30日間の無料お試し

X-point Cloud

申請・承認の電子化

紙やExcelの申請書の見た目のまま電子化

30日間の無料トライアル

ジョブカンワークフロー

稟議・各種申請の電子化

申請書をクラウドで一元管理

30日間の無料お試し

 

kintone

kintoneは、サイボウズが提供する業務改善プラットフォームです。プログラミングの知識がなくても、課題管理表や承認フローを自社の運用に合わせて作成できることが特徴です。

PMOの用途では、課題管理、リスク一覧、変更要求の受付と承認、プロジェクト情報の登録などを一つの環境に集約できます。既存のExcel管理表の項目をそのまま移しやすい点も、移行時の利点になります。

自由度が高い反面、設計を担当する人が必要です。誰がアプリを作成し、誰が変更を管理するかを決めないまま広げると、部門ごとに似たアプリが増えていきます。無料お試しは30日間です(2026年8月時点)。
(出典:サイボウズ「kintone」

向いているのは、既存の管理表をそのまま電子化したい組織や、標準の製品では要件が合わない業務がある組織です。

X-point Cloud

X-point Cloudは、株式会社エイトレッドが提供するクラウド型のワークフローシステムです。紙やExcelの申請書を見た目のまま電子化できるため、既存の様式を大きく変えずに移行できます。

ノーコードでフォームの作成と承認ルートの設定ができ、スマートフォンからの承認にも対応しています。PMOの用途では、変更要求や稟議の承認状況を追跡し、どこで止まっているかを把握する使い方が一般的です。

料金は初期費用0円で、月額プラン(スタンダード)の場合は基本サービス月額20,000円に、1ユーザーあたり月額500円を加えた金額です。年額プリペイドの場合は基本サービス228,000円に、475円×ユーザー数×12を加えた金額となります(いずれも税抜)。30日間の無料トライアルが用意されています(2026年8月時点)。
(出典:エイトレッド「X-point Cloud 料金」
(出典:エイトレッド「X-point Cloud」

向いているのは、紙の申請書の様式を変えずに電子化したい組織です。既存の帳票をそのまま使えるため、現場の抵抗を抑えやすくなります。

ジョブカンワークフロー

ジョブカンワークフローは、株式会社DONUTSが提供するクラウド型のワークフローシステムです。稟議や経費申請など、社内のさまざまな申請書をクラウドで一元管理できます。

公式サイトによると、ジョブカンシリーズの累計導入社数は30万社を超え、有料利用ユーザー数は300万を上回ります。無料お試しは30日間です(2026年8月時点)。
(出典:ジョブカンワークフロー

PMOの用途では、プロジェクトに関わる各種申請の承認状況を追跡できます。承認の遅れが作業の遅延につながっている場合、どの段階で止まっているかを特定することも可能です。

向いているのは、申請と承認の電子化から着手したい中小企業です。プロジェクト管理そのものを担うツールではないため、進捗管理は別のツールと組み合わせて使います。

 

情報共有・ドキュメント管理のおすすめツール3選

情報共有・ドキュメント管理ツールは、標準テンプレートや議事録、成果物を共有・検索するカテゴリです。PMOが整備した標準を、各プロジェクトが確実に参照できる状態を作ります。

製品名

主なPMO用途

特徴

無料で試せる範囲(2026年8月時点)

Microsoft SharePoint

標準文書・成果物の管理

権限管理と版管理、社内ポータル構築

Microsoft 365のプランに含まれる

Google Workspace

資料の共同編集と共有

ドライブとドキュメントによる同時編集

14日間の無料試用

NotePM

標準手順・ナレッジの蓄積

添付ファイルの中身まで全文検索

30日間の無料トライアル

 

Microsoft SharePoint

SharePointは、Microsoftが提供するドキュメント管理・社内ポータルのプラットフォームです。情報の保存、整理、共有、アクセスを安全に行える点が特徴で、権限管理と版管理に対応しています。

PMOの用途では、標準テンプレートや管理規程の配置、プロジェクトごとの成果物の保管、部門ポータルの構築などに使えます。閲覧できる範囲を役割ごとに設定できるため、機密度の高い資料も同じ基盤で扱えることが特徴です。

SharePointは、単体の「SharePoint (プラン 1)」または、SharePointを含むMicrosoft 365の対象プランで利用できます。単体プランの料金は月額749円/ユーザー相当(年払い)です。すでにMicrosoft 365を契約している場合は、対象プランに含まれているため追加契約なしで利用できることがあります(2026年8月時点)。
(出典:Microsoft「SharePoint のプランと価格の比較」
(出典:Microsoft「SharePoint」

向いているのは、すでにMicrosoft 365を利用しており、契約済みのプランの範囲で文書管理の基盤を整えたい組織です。

Google Workspace

Google Workspaceは、Googleが提供するビジネス向けのサービス群です。ドライブとドキュメント、スプレッドシートによる同時編集が可能で、複数人での資料作成に向いています。

PMOの用途では、報告資料の共同作成、議事録のリアルタイム記録、標準テンプレートの共有などに使えます。ファイルを送り合う必要がないため、版の食い違いが起こりにくくなるでしょう。

プランはBusiness Starter、Business Standard、Business Plus、Enterpriseの4種類です。1ユーザーあたりのストレージは、Starterが30GB、Standardが2TB、Plusが5TBとなります。14日間の無料試用が用意されています(2026年8月時点)。
(出典:Google Workspace「Pricing」

向いているのは、複数人で同時に資料を作る機会が多い組織です。Microsoft 365とは基盤が異なるため、既存環境との併用方針は事前に決めてください。

NotePM

NotePMは、プロジェクト・モードが提供する国産の社内wiki・ナレッジ管理サービスです。Word、Excel、PowerPoint、PDFの中身まで全文検索できる点が特徴です。

PMOの用途では、標準手順書、チェックリスト、過去プロジェクトの教訓などを蓄積し、必要なときに検索して取り出す使い方に向いています。テンプレートと高機能エディタが用意されているため、書式をそろえた文書を作りやすくなっています。

料金はプラン10(月額5,400円)からプラン1000(月額540,000円)まで、編集ユーザーと閲覧ユーザーの人数で選ぶ形式です。全プランで機能に差はありません。無料トライアルは30日間で、自動課金はありません。公式サイトによると、登録企業は12,000社以上です(2026年8月時点)。
(出典:NotePM

向いているのは、過去の資料が探せない状態を解消したい組織です。

 

BI・レポーティングのおすすめツール3選

BI・レポーティングツールは、複数のデータを集約して可視化するカテゴリです。プロジェクト管理ツールのレポート機能では足りない場合に、追加で検討します。

製品名

主なPMO用途

特徴

無料で試せる範囲(2026年8月時点)

Microsoft Power BI

経営層向けダッシュボード作成

Microsoft製品との連携、Desktopは無料

無料アカウントあり(共有はPro以上)

Tableau

詳細なデータ分析と可視化

分析の自由度が高い、権限別ライセンス

無料トライアルあり

Data Studio(旧Looker Studio)

レポートの作成と共有

無償で利用できる、Googleサービスと連携

無償版あり(Proは有料)

 

Microsoft Power BI

Power BIは、Microsoftが提供するBIツールです。複数のデータソースを集約し、ダッシュボードやレポートとして可視化できます。

PMOの用途では、プロジェクト管理ツールの進捗データと、会計システムの実績原価などを組み合わせた分析に使えます。Microsoft 365やExcelとの連携が用意されているため、既存データを取り込みやすい構成です。

無料アカウントではPower BI Desktopを使ってレポートを作成できますが、作成したレポートを共有するにはPower BI Pro(月額2,098円/ユーザー相当、年払い)以上のライセンスが必要です。 上位にはPower BI Premium Per User(月額3,598円/ユーザー相当、年払い)があります(2026年8月時点)。
(出典:Microsoft「Power BI の価格」

向いているのは、Microsoft製品を中心に業務システムを構成している組織です。共有にライセンスが必要な点は、利用人数を見積もる際に考慮してください。

Tableau

Tableauは、Salesforce傘下で提供されているBIツールです。データ分析と可視化の自由度が高く、詳細な条件で切り分けた分析に対応できます。Tableau StandardやTableau Enterpriseなどのエディションと、Creator・Explorer・Viewerといったユーザーライセンスを組み合わせて利用することが基本です。

新規のワークブックやデータソースを作成するCreator、既存のワークブックを探索・編集するExplorer、ダッシュボードの表示と操作を行うViewerという区分のため、PMOが作成し、関係者は閲覧のみという運用に対応できます。

公式サイトに掲載されている月額1,800円(Tableau Standard)、4,200円(Tableau Enterprise)、4,800円(Tableau Next)は、いずれも各エディションの最低価格です。

実際の費用は、選ぶエディションとユーザーライセンスの構成によって変わるため、利用人数と役割に応じた試算が必要です(年間契約時、2026年8月時点)。無料トライアルの案内はありますが、公式サイトに期間の記載はありません。
(出典:Tableau「価格」

向いているのは、分析の専門担当を置ける組織です。機能が広い分、使いこなすには習熟が必要になります。

Data Studio(旧Looker Studio)

Data Studioは、Googleが提供するレポート・ダッシュボード作成ツールです。無償で利用できるため、BIツールを試験的に導入する際の選択肢になります。

PMOの用途では、スプレッドシートで管理している進捗データや工数データを取り込み、グラフとして可視化する使い方ができます。作成したレポートはリンクで共有できます。

無償版に加え、組織向けの管理機能とサポートを備えたData Studio Pro(1ユーザー・1プロジェクトあたり月額9米ドル)が提供されています(2026年8月時点)。
(出典:Google Cloud「Data Studio」

向いているのは、Googleのサービスでデータを管理しており、まず無償の範囲で可視化を試したい組織です。

 

PMOツールを選ぶ6つのポイント

候補を比較する際は、次の6つの観点で確認してください。

  • PMOの対象範囲と解決したい課題を明確にする
  • 複数プロジェクトを同じ指標で比較できるか確認する
  • 現場メンバーの入力負荷と操作性を確認する
  • 既存データ・システムとの連携や移行方法を確認する
  • 権限・監査ログ・セキュリティを確認する
  • 総コストと無料トライアルの範囲を確認する

PMOのツール選定で判断を誤りやすいのは、管理する側の使いやすさだけで比較してしまう点です。 私が関わった選定でも、機能一覧では最も評価が高かった製品が、入力項目の多さから現場に定着せず、PMO側の情報が古いまま残る結果になりました。

PMOの対象範囲と解決したい課題を明確にする

最初に決めるのは、PMOが対象とする範囲です。単一プロジェクトの支援なのか、部門内の複数案件なのか、全社のポートフォリオなのかによって、必要な機能は変わります。

対象範囲が全社に及ぶ場合は、プロジェクトを横断した集計と権限の切り分けが必須になります。一方、部門内の数件を支援する段階であれば、共通のテンプレートと進捗の一覧表示があれば足りる可能性が高いです。

あわせて、PMOがどこまで関与するかも整理してください。標準を示すだけなのか、各案件の管理作業も担うのかによって、PMOが直接操作する範囲が変わります。

複数プロジェクトを同じ指標で比較できるか確認する

進捗、工数、品質、コスト、課題といった管理項目を、全案件で共通の定義にそろえられるかを確認します。カスタム項目を自由に追加できる製品でも、案件ごとに項目名や単位が異なれば横断比較はできません。

確認したいのは、共通項目をテンプレートとして全プロジェクトへ適用できるか、そして案件をまたいだ一覧やレポートを出力できるかの2点です。

進捗率の算出方法も製品ごとに異なります。タスクの完了件数で計算するのか、工数の消化率で計算するのかによって、同じ数字でも意味が変わります。自社の定義に合わせられるかを確認してください。

現場メンバーの入力負荷と操作性を確認する

PMOだけが使いやすくても、現場からデータが集まらなければ横断管理は成立しません。 判断の基準は、毎日または毎週入力するメンバーが無理なく操作できるかどうかです。

確認したいのは、進捗更新と工数入力にかかる手数、スマートフォンからの入力可否、そして必須入力項目の数です。日々の入力が手間だと感じられる設計では、更新が続きません。

評価の際は、現場のメンバー数名に実際に触ってもらってください。管理者アカウントで見た画面と、一般メンバーが見る画面は異なります。 導入後に「思っていたより手間がかかる」という反応が出るのは、この確認を省いた場合です。

既存データ・システムとの連携や移行方法を確認する

現在の管理表やシステムから、どのようにデータを移すかを確認します。Excelのインポートに対応していれば、既存の管理表を初期データとして取り込めます。

確認項目は、Excel・CSVのインポートとエクスポート、API連携の可否、Teamsやチャットツールとの通知連携、そして既存フォーマットをどこまで再現できるかです。

移行時は、旧環境との併用期間を設けるかどうかも決めておきます。二重入力の期間が長引くと現場の負担が増えるため、期限を切って切り替える計画が必要です。

権限・監査ログ・セキュリティを確認する

PMOが扱う情報には、予算、原価、要員の稼働状況など、閲覧範囲を限定すべきものが含まれます。役割ごとに閲覧・編集の範囲を分けられるかは、必須の確認項目です。

具体的には、プロジェクト単位の権限設定、項目単位の閲覧制限、変更履歴と操作ログの記録、データの保存場所、退職者や異動者のアカウント停止手順を確認しましょう。

監査ログは、トラブル発生時に「いつ誰が何を変更したか」を確認する材料になります。変更が多いプロジェクトでは、履歴が残るかどうかが後の検証を左右します。

総コストと無料トライアルの範囲を確認する

比較すべきは月額のライセンス費だけではありません。移行、初期設定、教育、保守、追加機能のオプション費用まで含めた総額で判断してください。

ユーザー数課金の製品では、閲覧のみのメンバーにもライセンスが必要かを確認します。経営層や関連部門が閲覧する場合、想定より人数が増えるケースが少なくありません。

無料トライアルは、期間と使える機能の範囲を確認してください。PMOが必要とする横断レポートや権限設定が試用対象に含まれていなければ、導入しても業務改善にはつながりにくいでしょう。

 

PMOツールの導入を成功させる4つのステップ

導入は、次の4段階で進めると失敗を抑えられます。

  • 現在の管理業務とデータの流れを整理する
  • 管理項目・定義・報告フォーマットを標準化する
  • 小さな範囲で試して効果を確認する
  • 更新責任者と効果測定の指標を決める

この順番で重要なのは、標準化をツール導入より前に置くことです。 私が見てきた失敗の多くは、標準化を後回しにしてツールを先に入れた結果、案件ごとに違う運用がそのままツール上へ持ち込まれたケースでした。

現在の管理業務とデータの流れを整理する

最初に行うのは棚卸しです。誰が、どの資料から、何を集計し、誰へ報告しているのかを書き出します。

整理する項目は、報告の種類と頻度、情報源となる資料、集計作業の担当者と所要時間、報告先、そして同じ情報を複数回入力している箇所です。

この棚卸しは、後の効果測定にも使います。導入前の集計時間を記録しておかなければ、導入後にどれだけ削減できたかを説明できません。

管理項目・定義・報告フォーマットを標準化する

次に、全案件で共通に使う管理項目と、その定義を決めます。対象は、進捗率、工数の計上範囲、課題とリスクの区分、重要度の基準、品質指標などです。

進捗率であれば、「完了タスク数÷全タスク数」なのか「消化工数÷計画工数」なのかを一つに定めます。定義を文書化し、各PMへ周知するところまでが標準化の作業です。

報告フォーマットも同時に決めましょう。経営層向けに示す項目を固定すると、ツール上のレポート設定もそのまま流用できます。この段階の作業量が、導入後の効果を大きく左右します。

小さな範囲で試して効果を確認する

いきなり全案件へ展開せず、1つまたは数件のプロジェクトで試すことがおすすめです。確認するのは、現場の入力負荷、集計にかかる時間、レポートの品質の3点です。

期間は、実際の週次・月次の運用を一通り試せる長さを確保してください。報告サイクルを通して回すことで、実際の運用に耐えるかを判断できます。

この段階で見つかった問題は、設定や運用ルールで解決できるかを検討しましょう。製品の仕様に起因する問題であれば、展開前に別の候補を再検討する判断も必要です。

更新責任者と効果測定の指標を決める

本格展開の前に、運用体制を決めます。PM、現場メンバー、PMOがそれぞれどの情報を更新するのか、確認の頻度はどれくらいか、問い合わせ先は誰かを明文化してください。

効果測定の指標は、棚卸しで記録した数値と対比できるものにします。報告資料の作成時間、転記作業の件数、未入力項目の件数、報告までのリードタイムなどが有効です。

指標は、運用が一巡した時点で一度確認し、必要に応じて運用ルールを見直します。入力項目が多すぎる、レポートが使われていないといった問題は、この時点で調整すると定着しやすくなります。

 

PMO業務を効率化するならLychee Redmine

複数プロジェクトの横断管理と報告の標準化を進める場合、必要な機能が一つの環境にそろっているかが運用の負担を左右します。ここでは、PMO業務の観点からLychee Redmineの機能を紹介します。

私自身、複数案件の進捗と工数を別々の管理表で扱い、報告のたびに突き合わせていた経験がありました。情報を一つの環境に集約できると、集計そのものを減らせます。

プロジェクトレポートで複数案件を横断して確認できる

プロジェクトレポートでは、複数プロジェクトの進捗、品質、コストをまとめて可視化できます。案件ごとに資料を作らなくても、同じ形式で状況を確認できます。

報告フォーマットを固定できるため、案件間のばらつきを抑えられることがポイントです。経営層への定例報告で示す項目を決めておけば、報告のたびにデータを整形する作業を減らせます。

なお、プロジェクトレポートはビジネスプランの対象です(2026年8月時点)。機能の詳細は公式ページで確認してください。

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ガントチャート・EVMで計画と実績を確認できる

ガントチャートでは、工程と担当者、期間を一つの画面で管理できます。ドラッグ&ドロップで期間を調整できるため、計画変更の反映にかかる手間を抑えることが可能です。

EVMでは、チケットの期日や工数をもとにSPI(スケジュール効率指数)やCPI(コスト効率指数)などの指標を算出します。進捗とコストの状況を数値で示せるため、感覚ではなく指標にもとづいて支援の要否を判断できます。

ガントチャートはスタンダードプラン以上、EVMはプレミアムプラン以上の対象です(2026年8月時点)。EVMの考え方については、別の記事で解説しています。

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工数・リソースを同じ環境で確認できる

実績工数、予定工数、稼働状況、担当者ごとの負荷を確認できます。特定のメンバーに作業が集中している状態を早めに把握できれば、PMOによる要員調整の材料になるでしょう。

進捗と工数を同じ環境で扱えるため、進捗表と工数表を突き合わせる作業を減らせます。数値の食い違いを確認する手間も抑えられます。

工数管理とリソース管理はプレミアムプラン以上の対象です(2026年8月時点)。

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30日間の無料トライアルでPMO運用を確認できる

Lychee Redmineには、30日間の無料トライアルがあります。フリープランでは基本機能の一部とカンバンを利用でき、ガントチャートや工数管理、複数プロジェクトの横断レポートといった有料機能は、トライアル期間中に確認できます。

試す際は、実際に動いているプロジェクトを複数登録してください。PM側が進捗と工数を更新し、PMO側が横断で確認し、報告資料を出力するところまで通すと、運用に近い形で判断できます。

無料トライアルはユーザー数無制限のため、現場のメンバーを含めて試せることがポイントです。PMOだけで評価せず、入力する側の負担まで確認することをおすすめします(2026年8月時点)。

 

PMOツールに関するよくある質問

最後に、PMOツールの検討時によく寄せられる質問をまとめました。PMOツールの理解度を深め、業務効率を進めたい方は、必ずチェックしておきましょう。

無料で使えるPMO向けツールはありますか?

無料で使用できるPMOツールはあります。ただし、無料で使える形式には次の3種類があり、条件が異なります。

  • 無料プラン:期間の制限なく使い続けられる。人数、機能、データ保存期間などに制限がある
  • 無料トライアル:有料プランの機能を一定期間だけ試せる。期間終了後は有料契約か無料プランへの移行が必要
  • OSS(オープンソースソフトウェア):ライセンス費用がかからない。サーバーの構築、保守、障害対応は自社で行う

たとえば、Lychee RedmineとToggl Trackに無料プランがあり、Redmineはオープンソースとして公開されています。kintone、X-point Cloud、ジョブカンワークフロー、NotePMは30日間の無料トライアルを用意しています(2026年8月時点)。

注意したいのは、無料の範囲でPMO業務を完結できるとは限らない点です。 複数案件の横断レポートや権限の細かい設定は、上位プランの対象になっている製品が少なくありません。試用時に、必要な機能が含まれているかを確認してください。

ExcelやTeamsでもPMO業務を管理できますか?

管理できます。案件数が少なく、関係者が限られている段階であれば、ExcelとTeamsの組み合わせでも十分に運用できます。 既存契約の範囲で始めやすく、新たな専用ツールを導入する場合より、追加費用や学習負担を抑えやすい点が利点です。

専用ツールを検討する目安は、管理項目の統一、横断集計、権限の切り分け、変更履歴の記録、レポート作成の5点に手間がかかり始めたときです。とくに、複数のファイルを開いて転記する作業が定例化している場合は、削減できる余地があります。

移行する場合も、すべてを一度に置き換える必要はありません。進捗の集約だけをツールへ移し、詳細な検討資料はExcelを使い続けるといった併用も選択肢になります。

PMOツールとプロジェクト管理ツールは何が違いますか?

「PMOツール」は特定の製品カテゴリを指す言葉ではありません。本記事では、PMO業務を支援するプロジェクト管理ツール、工数管理ツール、ワークフローツール、文書管理ツール、BIツールなどをまとめた総称として使っています。

プロジェクト管理ツールは、そのうちの一つです。ただし、単一プロジェクトの管理を想定した製品と、複数案件の横断管理まで対応する製品では、機能の範囲が異なります。

PMOの用途で選ぶ際は、製品名の分類ではなく、複数プロジェクトを横断して集計・比較できるかどうかで判断してください。

デジタルPMOや標準化PMOツールとは何ですか?

どちらも行政分野の固有システムであり、本記事で扱う一般企業向けのPMO業務支援ツールとは別のものです。

デジタルPMOは、デジタル庁が運用する情報連携ツールです。調達資料では「行政機関、独立行政法人、医療保険者、後期高齢者医療広域連合、自治体等の間で番号制度に関する情報を共有することを目的とした情報連携ツール」と説明されています。照会、ドキュメント、情報共有、データ標準レイアウト、問い合わせ、FAQなどの機能を持ちます。
(出典:デジタル庁「次期デジタルPMOに向けた情報提供依頼書」

標準化PMOツールは、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化で用いられる仕組みです。デジタル庁の資料では、総務省がPMOツールの運用を担い、市区町村が進捗状況を入力すること、月次レポートや団体カルテなどによって進捗と課題を共有することが示されています。
(出典:デジタル庁「移行支援体制について」

いずれも利用できる対象が限られた行政向けの仕組みであり、一般企業が導入して使うものではありません。

 

まとめ:PMOの業務範囲と課題に合うツールを選ぶことが重要

「PMOツール」は独立した製品カテゴリではなく、PMO業務を支援するプロジェクト管理、工数管理、課題・ワークフロー管理、情報共有、BIの各ツールをまとめた総称です。自社のPMOがどの業務に時間を使っているかによって、選ぶべき分類が変わります。

ツールの検討が必要になるのは、集計・転記に時間がかかっている、管理項目の定義が案件ごとに異なる、報告資料の作成に手間がかかっている、といった状態です。案件数が少ない段階では、ExcelやTeamsでも運用できます。

選ぶ際は、対象範囲と課題の明確化、横断比較の可否、現場の入力負荷、既存データとの連携、権限と監査ログ、総コストと試用範囲の6点で比較してください。

複数プロジェクトの横断管理とレポート作成の負担を減らしたい場合は、Lychee Redmineを検討することをおすすめします。進捗、工数、リソースを同じ環境で管理し、プロジェクトレポートで複数案件をまとめて確認できることが特徴です。30日間の無料トライアルはユーザー数無制限のため、現場を含めた運用を試したうえで判断いただけます。

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