タスクやスケジュール、進捗状況などを可視化できるガントチャートは、プロジェクトの進行に欠かせないツールです。Excelは多くの企業で既に導入されているツールであることから、Excelでガントチャートの作成を検討している方もいます。

本記事では、Excelでのガントチャートの作り方を5つの手順に分けて紹介しつつ、注意点なども詳しく解説します。

Excel(エクセル)で無料で作成できるガントチャートとは

ガントチャートは、プロジェクトの進捗状況を視覚的に管理できる工程管理表の一つです。

タスクや期日などの情報を書き込み、棒グラフで進捗状況を視覚的に表現します。加えて、プロジェクト全体の依存関係も把握しやすくなるため、タスクの優先順位や調整がしやすいです。

ガントチャートはいつまでに何を行えば良いかを一目で理解できるので、プロジェクトを計画的に進めるのに役立ちます。チーム内での共有も容易なので、共通認識のもとプロジェクトを円滑に進めやすいです。

ガントチャートとWBSの違い

ガントチャートとWBS(Work Breakdown Structure)の大きな違いは目的です。それぞれの違いを下表にまとめました。

種別 目的 表現方法 焦点
WBS タスクを洗い出す ツリー構造 タスクの細分化と構造化
ガントチャート プロジェクトの進捗管理 棒グラフ タスクの開始日・終了日・進捗状況

WBSが全体の計画を構築するのに対し、ガントチャートはスケジュールに特化しているため、それぞれの併用が欠かせません。

WBSをベースにすると、スムーズにガントチャートの作成ができるので、それぞれを組み合わせるのがおすすめです。

WBSの作成方法は、以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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Excel(エクセル)を使ったガントチャートのメリット

Excelを使ったガントチャートのメリットは3つです。
以下で詳しく解説します。

プロジェクトの進捗状況を可視化できる

ガントチャートは進捗状況を視覚的に表現できるため、一目でプロジェクトの全体像を捉えられます。

反対にExcelでタスクをただ列挙して、進捗を一つひとつ確認する場合、凝視する時間が長くなりかねません。ガントチャートであれば、進捗状況をパッと確認できるので、業務の効率化や遅延しているタスクを早期に発見できます。

また、各タスクの進捗状況を棒グラフで表現するだけでなく、中間目標として置かれるマイルストーンの設置も可能です。計画調整や重要な日付の特定がしやすくなるなど、スケジュール管理に役立ちます。

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扱い慣れているので作成しやすい

Excelは、多くの企業やビジネスパーソンから使われるソフトウェアであり、馴染み深いツールです。

普段からExcelを活用しているケースがほとんどなため、新たにツールの操作を覚えるなどの運用コストがかかりません。また、後述しますがExcelにはガントチャートのテンプレートが用意されています。

基本的には誰でも手軽に使いこなせる点は、大きなメリットです。

無料で作成できる

Microsoft Officeをすでに導入している企業であれば、追加費用をかけずにガントチャートを作成できます。

ツールを新たに導入する場合は追加費用が必要となり、固定費が上がるものです。予算が限られている場合やExcelを使用できる状態であれば、費用の負担がないのもメリットです。

Excelの操作や専門性のある方がいれば、より使い勝手の良いガントチャートを作成できます。

無料で作成できるExcel(エクセル)を使ったガントチャートの作り方

Excelを使ったガントチャートの作り方は、5つの手順に分けられます。
具体的な作成手順を以下で詳しく解説します。

STEP1. タスクの洗い出しをする

まずはガントチャートの軸となるタスクをできるだけ細かく洗い出します。洗い出す際は、親タスクから洗い出し、小タスクを洗い出しましょう。タスクの関係性を明確にできるほか、作業の抜けをなくしやすいです。

洗い出したタスクはExcelのシートに、親タスクと子タスクを階層構造で整理すると、全体像を把握しやすいです。

STEP2. タスクの担当者を割り当てる

次に、洗い出した各タスクに担当者を割り当てます。割り当てる際は、特定の人にタスクが偏らないようにし、メンバーに平均的に割り振りましょう。

ポジションや能力によっては特定の人材にタスクが集中する可能性がありますが、遅延などの万が一に備えて、平均的に割り当てるのが理想です。

担当者の入力する手間やミスを少なくしたい場合には、ドロップダウンリスト(プルダウン)を活用すると効率的に作業ができます。

STEP3. タスクの開始と終了を設定する

続いて、タスクの開始日と終了日を設定します。

各タスクにかかる日数を考慮して期日を決定しましょう。無理な期日を設定してしまうと、プロジェクトを円滑に進めるのが難しいだけでなく、メンバーのモチベーション低下にもつながりかねません。過去のデータがあれば参考にするのがおすすめです。

STEP4. 横軸に日付を入れる

次に、各タスクの横軸に日付を入力しましょう。日付を入力する際は、以下のような方法が挙げられます。

  • 年月の参照:数式をコピーしても年月の参照先がずれないように、年月を絶対参照($F$4、$G$4など)で指定する
  • 日付の計算:日付はCOLUMN関数を使って計算する
  • DATE関数の結合:年月と計算した日付をDATE関数にする
  • オートフィル:一つのセルに数式を入力したら、オートフィル機能を使って他のセルにもコピーする

関数などをうまく活用すれば、効率的に日付を横軸に並べられます。

STEP5. ガントチャートのバーを描く

最後に、開始日と終了日を基準として、タスクの期間を視覚的に表すガントチャートのバーを作成します。バーを表す際は条件付き書式で設定する方法と、手動でセルを塗りつぶす方法の2つです。

条件付き書式の設定は以下を参考にしてみてください。

  • 一つのセルに「条件付き書式」を選択し「新しいルール」をクリック
  • 「数式を使用して、書式を設定するセルを決定」をクリック
    • なお、数式は「=AND(セル位置 >= 開始日のセル, セル位置 <= 終了日のセル)」とします
  • 設定した条件付き書式を一つのセルからカレンダー全体にコピー

ガントチャートが作成できる無料のExcel(エクセル)テンプレート

Microsoftが提供するExcelには、無料のガントチャートのテンプレートがあります。Microsoftの公式ページから、テンプレートのダウンロードが可能です。

シンプルなものから詳細なものまであるので、目的やプロジェクトに合わせて選びましょう。一から作成する手間が省け、すぐにガントチャートの利用ができるため、作成に多くの時間を使えない担当者におすすめです。

Excel(エクセル)を使ったガントチャートの注意点

Excelを使ったガントチャートの注意点は2つ挙げられます。
無料でプロジェクト管理ができる一方で、誤った運用をすると変更や期日を見逃してしまいかねません。

注意点をチェックしながら、Excelでガントチャートを作成するかどうかを検討していきましょう。

リアルタイムでの共有ができない

Exceファイルはそれぞれが自分のパソコンに保存し、編集するため、常に最新の状態を共有するのが難しいです。

情報が正確に伝わらない可能性が高く、メンバーの確認漏れが起こりかねません。また、複数のユーザーが同時にExcelファイルを編集すると、データが競合したり、誤った情報が上書きされたりする可能性もあります。

情報の正確性はプロジェクト進行において重要となるため、Excelの運用はより慎重に行う必要があります。

正確性に加えリアルタイムでプロジェクト進行を目指すなら、専用ツールの利用を検討しましょう。

ファイルが破損する可能性がある

Excelは誤操作により、条件付き書式や関数が消える可能性があり、計算結果や表示にエラーが出ます。

また、ファイルを保存する前にパソコンが突然シャットダウンしてしまうと、ファイルが破損する可能性もあります。

Excelファイルの破損を防ぐためにも、定期的にバックアップをし、万が一ファイルが破損した場合に復元できるようにしておきましょう。
バックアップ方法としては、定期的に作業中のファイルを別のフォルダにコピーするなどがあります。

ガントチャートはプロジェクト管理ツールの利用がおすすめ

Lychee Redmine 引用:Lychee Redmine

ガントチャートはExcelで作成できますが、自分で作成する場合、関数を組むなどの工数がかかるだけでなく、適切な設定ができないとガントチャートが機能しません。

Lychee Redmineのようなガントチャート機能を備えた、プロジェクト管理ツールの利用がおすすめです。

主な機能は、タスク同士の構造を明確化、最新の進捗が一目でわかるイナズマ線など、Excelでは不足している機能を追加したツールです。また、カスタマイズ性に優れているため、プロジェクトの特性に応じた柔軟な運用ができます。

30日間の無料トライアルを実施しており、有料版の全機能を誰でも利用できます。Excelでガントチャートを作成する前にぜひ無料で試してみてください。

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無料のプロジェクト管理ツールとして有名なRedmine。どのような機能を搭載し、何ができるツールなのでしょうか。本記事では、Redmineの特徴と搭載機能を紹介.....

プラン 月額料金 利用機能
フリー 無料
  1. 基本機能
  2. カンバン
スタンダード 900円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
プレミアム 1,400円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8.  CCPM
ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] 2,100円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8. CCPM
  9. プロジェクトレポート
  10. カスタムフィールド
  11. チケット関連図
  12. グループの階層化機能

まとめ|Excel(エクセル)でガントチャートを作るならテンプレートなどをうまく活用しよう

Excelでガントチャートを作成する場合、関数を組んだり全体を整えたりする手間はかかりますが、無料で作成できる便利なツールです。Excelでのガントチャート作成が面倒な場合は、テンプレートを利用するのもおすすめです。

ただし、正確な情報を共有するのが難しかったり、ファイルが破損したりする可能性があるため、プロジェクト進行が遅れるなどの懸念があります。

また、Excelでガントチャートを作成・管理する場合、作成者ごとにフォーマットが違う場合や複数の類似ファイルに派生するなどの可能性を把握しておきましょう。

Lychee Redmineではガントチャートに必要な機能を豊富に備えているだけでなく、サポート体制も充実しています。まずは30日間の無料トライアルで使い勝手を試してみてください。

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