
「社内のセキュリティポリシーが厳しく、クラウドサービスの利用が難しい」「プロジェクト管理を効率化したいが、高額な初期投資や継続的なランニングコストは避けたい」。このような課題を背景に、オンプレミス環境で使える無料・低コストのプロジェクト管理ツールを検討している企業も少なくありません。
本記事では、オンプレミス型プロジェクト管理ツールの基本的な考え方から、クラウド型との違い、導入によるメリットと注意点までを整理して解説します。加えて、無料ではじめられるオープンソースソフトウェア(OSS)を含む、オンプレミス対応のおすすめツール6選をご紹介し、自社要件に合った選択肢を見極めるための判断材料を提供します。
オンプレミス型のプロジェクト管理ツールとは

オンプレミス型のプロジェクト管理ツールとは、自社が管理するサーバーやネットワーク環境(自社データセンター、社内サーバー、閉域網など)にシステムを構築し、自社運用する形態のツールです。クラウド型(SaaS)と比べ、システムとデータを自社の管理下に置ける点が特徴です。そのため、高度なセキュリティ対応や法令・社内規程への適合、独自の業務フローに合わせたカスタマイズが必要な場合に選ばれやすいと言えます。
オンプレミス型とクラウド型の基本的な違い
オンプレミス型とクラウド型は、システムの設置場所だけでなく、費用構造、運用体制、カスタマイズの自由度などに違いがあります。自社に適した形態を判断するために、まずは基本を確認しましょう。
| 項目 | オンプレミス型 | クラウド型 |
|---|---|---|
| システム設置場所 | 自社環境(社内/自社DCなど) | 提供事業者のクラウド基盤 |
| データ管理の主体 | 自社(保管場所・権限・運用ルールを自社で設計) | 事業者の仕様・ポリシーに準拠(設定で制御できる範囲あり) |
| 初期費用 | 環境構築・設定・移行などが発生しやすい(サーバー購入は必須とは限らない) | 低めになりやすい(導入設定・移行費は別途発生する場合あり) |
| 継続費用 | 保守・監視・バックアップ・更新作業などの運用コストが継続的に発生(ライセンス費は製品により異なる) | 月額/年額課金が一般的(ユーザー数・プランなどで変動) |
| カスタマイズ性 | 高い(拡張や連携を自社で制御しやすい) | 限定的(設定・API・アドオンの範囲で対応) |
| セキュリティ統制 | 自社要件に合わせて統制設計しやすい(責任も自社側に寄る) | 事業者の統制に依存(認証、権限、監査ログなどは機能提供されることが多い) |
| 導入期間 | 要件定義・構築・検証が必要になりやすく、長期化しやすい | アカウント発行後すぐ開始できる場合が多い(運用設計・移行は別) |
| 運用・保守 | 自社が主体(専門知識・運用体制が必要) | 事業者が主体(自社は設定・運用ルール整備が中心) |
| ネットワーク要件 | 社内ネットワーク中心で運用可能(ただし更新・連携で外部接続が必要になることもある) | 基本的にインターネット接続が前提 |
OSSのプロジェクト管理ツールはオンプレミスでも使える
初期費用を抑えてオンプレミス環境を構築したい場合、OSSは有力な選択肢です。無料で利用できるにもかかわらず、実務に耐えられる機能を持つプロジェクト管理ツールが多数あります。また、ソースコードが公開されているため、自社要件に合わせた改修や連携を行いやすい点もメリットです。
一方で、導入時の環境構築、運用開始後の監視・バックアップ、脆弱性対応(アップデート適用)などは原則として自社責任になります。OSSを安定運用するには、IT担当者の確保に加え、更新手順や検証手順を含む運用設計が不可欠です。OSSについては、以下の記事で詳しく解説しています。
オンプレミス型のプロジェクト管理ツールが求められる理由

多くの業務システムがクラウド化する一方で、現在でもオンプレミス型のプロジェクト管理ツールが選ばれるケースは少なくありません。その背景には、クラウド型では対応しきれない業務要件や、組織固有の制約があることが挙げられます。自社の状況がこれらに当てはまるかを整理することが、適切なツール選定の第一歩となります。
クラウド型では対応が難しい業務・組織の特徴
クラウドサービスの活用が前提になりにくい、あるいはオンプレミス型の方が適している業務・組織には、いくつか共通した特徴があります。
機密情報の取り扱いが重要な業務
金融・医療・法務などの分野では、個人情報や機密データを厳格に管理する必要があります。データの保管場所や管理主体を自社で完全にコントロールしたい場合、外部事業者の環境を利用するクラウド型では、リスク評価や社内承認のハードルが高くなることがあります。
法令・業界規制への厳格な対応が求められる企業
特定の法規制や業界ガイドラインにより、データの保存場所や管理方法が明確に指定されているケースでは、クラウド型では要件を満たせない場合があります。こうした場合、要件を確実に満たせるオンプレミス環境での運用が現実的な選択肢となります。
既存システムとの密な連携が必要なケース
社内の基幹システムや独自開発の業務システムなど、外部サービスとの接続や仕様調整が難しいシステムと連携する場合、オンプレミス型の方が柔軟に設計・運用できることがあります。特に、データ連携や処理タイミングを細かく制御したい場合は、オンプレミス環境の優位性が高まります。
ネットワーク制約のある現場での利用
工場、建設現場、研究施設などでは、インターネット接続が不安定、または常時接続を前提とできないケースがあります。このような環境では、クラウド型ツールの利用が業務のボトルネックになる可能性があり、社内ネットワーク中心で運用できるオンプレミス型が適する場合があります。
オンプレミス導入を検討すべきチェックリスト
自社にオンプレミス型が適しているかを判断するため、以下の観点で確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、オンプレミス型を検討する価値が高いと言えるでしょう。
| チェック項目 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 社内のセキュリティポリシーで、クラウドサービスの利用が禁止または厳しく制限されている | ☐ | ☐ |
| 顧客情報・個人情報など、外部環境に保存できない機密データを扱っている | ☐ | ☐ |
| 既存の社内システムとプロジェクト管理ツールを連携させる必要があるか | ☐ | ☐ |
| 独自の業務フローに合わせて、ツールを大幅にカスタマイズする必要があるか | ☐ | ☐ |
| システムの運用・保守を担当できるIT部門や担当者が社内にいるか | ☐ | ☐ |
| 5年以上の長期的な視点でツールの利用を考えているか | ☐ | ☐ |
オンプレミス型を選ぶべき理由とは?5つのメリット

オンプレミス型のプロジェクト管理ツールは、クラウド型が使えない場合の代替手段ではありません。セキュリティ統制や運用設計の自由度、既存システムとの親和性といった点で、業務要件によってはクラウド型を上回る価値を発揮します。本章では、オンプレミス型ならではのメリットを、5つの観点から整理します。
厳格なセキュリティ要件・コンプライアンスに対応できる
オンプレミス型の最大の特徴は、セキュリティ設計と運用ルールを自社で完結できる点にあります。データを自社環境内で管理できるため、アクセス制御、監査ログ、ネットワーク分離などを自社ポリシーに沿って設計できます。特に、金融・官公庁・研究機関など、「どこにデータを置くか」「誰が管理主体か」が厳しく問われる組織では、オンプレミス型が前提条件となるケースも少なくないでしょう。
業務フローに合わせた高度なカスタマイズが可能
オンプレミス型は、業務プロセスに合わせた深いカスタマイズが可能です。画面項目や入力ルールの変更に留まらず、独自機能の追加や社内システムとの双方向連携など、柔軟な拡張が行えます。クラウド型では制約になりやすい「標準仕様からの逸脱」を許容できるため、既存業務をツールに合わせるのではなく、業務にツールを合わせる運用を実現しやすくなります。
データを自社で完全にコントロールできる
オンプレミス型では、データの保存・管理・活用をすべて自社の判断で行えます。サービス提供者の仕様変更や契約条件の影響を受けにくく、データの取り扱い方針を中長期で設計できます。プロジェクトデータを単なる履歴ではなく、分析・改善・ナレッジ蓄積に活かす資産として扱いたい場合、この点は大きなメリットと言えるでしょう。
ネットワーク制約下でも安定運用できる
オンプレミス型は、社内ネットワーク内で完結する構成を取れるため、インターネット接続に依存しない運用が可能です。工場、建設現場、研究施設など、通信環境が不安定な場所でも、プロジェクト管理業務を止めずに継続できる点は、現場重視の組織にとって重要な価値と言えるのではないでしょうか。
長期・大規模利用ではTCO最適化が可能なケース
オンプレミス型は初期構築や運用工数が発生する一方で、長期利用・大規模利用ではTCO(総所有コスト)が抑えられるケースがあります。特に、ユーザー数に応じて費用が増えるクラウド型と比べて、ライセンス体系によっては1ユーザーあたりのコストが大きく変動しにくい点がメリットです。さらにOSSを活用する場合、5年・10年といったスパンでは、ライセンス費用を抑えつつ、自社要件に最適化した環境を維持できます。
導入前に知っておくべきオンプレミス型の注意点

オンプレミス型には多くのメリットがある一方で、導入・運用の責任が自社側に寄るため、事前に押さえるべき注意点があるでしょう。導入後に「想定外のコスト」「運用が回らない」といった後悔を避けるには、デメリットや課題も含めて現実的に見積もることが重要です。
初期投資とインフラ構築の現実
オンプレミス型では、導入時に環境構築や設計・設定に関するコストが発生しやすくなります。具体的には、次のような費用が検討対象になります。
- 基盤費用(サーバー/仮想基盤/ストレージ/ネットワーク機器など)
※既存基盤を流用できる場合もあります。 - ソフトウェア費用(製品ライセンス、OS・DB・ミドルウェアなどの商用サポート)
- 構築費用(要件定義、設計、構築、テスト、移行、教育)
- セキュリティ対策費(認証、権限、監査ログ、バックアップ、DR設計など)
クラウド型のように「契約してすぐ使える」形にはなりにくく、予算確保と社内稟議が最初のハードルになりやすい点は、押さえておく必要があるでしょう。
運用を支えるIT人材・体制の考え方
オンプレミス型は、導入後も自社が運用の主体になります。安定稼働には、次のような業務を継続的に回す体制が欠かせません。
- 監視(死活監視、負荷、ディスク容量、ログ)
- バックアップと復旧手順の整備(復旧テストを含む)
- 障害対応(切り分け、暫定対応、恒久対応)
- セキュリティ対応(脆弱性情報の収集、パッチ適用、設定点検)
- バージョンアップ(互換性確認、検証、手順化)
社内に適切な人材がいない場合は、採用・育成を行うか、外部へ運用保守を委託する必要があります。このとき重要なのは、単に「委託すれば安心」ではなく、責任分界(どこまでが委託先/どこからが自社)を明確にすることです。ここが曖昧だと、障害時の初動が遅れやすくなります。
導入に時間がかかるケースと回避策
オンプレミス型は、要件定義から構築、テスト、移行までの工程が必要になるため、導入完了までに数週間〜数カ月かかることがあります。特に遅れやすいのは、次のようなケースです。
- 要件が固まらない(権限設計、運用フロー、承認経路が未整理)
- 既存システム連携・データ移行の難易度が高い
- セキュリティ審査・社内稟議のプロセスが長い
- 検証環境の準備やテスト期間が不足している
期間を短縮したい場合は、次のような回避策が有効です。
- スコープを絞ったスモールスタート(まずは1部門・1プロジェクトから開始)
- 連携や移行は段階的に実施(最初から全部つなげない)
- 構築テンプレートや実績のあるベンダーを活用する
- 「要件定義で決めること」をチェックリスト化し、早期に固める
導入を急ぐほど、後工程(移行・運用)で手戻りが起きやすくなります。そのため、短縮策は「省略」ではなく、段階導入でリスクを分散する発想で設計することが重要です。
失敗しないオンプレミス型プロジェクト管理ツールの選び方

オンプレミス型のツール選定では、機能の多さよりも、自社の運用条件で継続利用できるかを見極めることが重要です。導入後に失敗しやすいのは、「機能はあるが運用できない」「保守で止まる」「定着せず形骸化する」といったパターンです。本章では、オンプレミス型の選定で押さえるべきポイントを整理します。
必要な管理対象を要件として固定する(WBS・ガントチャート・工数)
まずは、「何を」「どの粒度で」「誰が」管理するのかを明確にします。オンプレミス型は構築やカスタマイズの自由度が高い反面、要件が曖昧だと設計が膨らみ、導入が遅延しがちです。最低限、次の3点は優先度を付けて整理しておくと、選定がブレません。
- WBS:タスクを階層で管理するか(階層数、テンプレ運用、承認フローの有無)
- ガントチャート:タスク間の依存関係、遅延の自動反映、リソース調整まで必要か
- 工数管理:入力方法(手入力かタイマーか)、集計単位(チケット/工程/人)、承認や締め処理の要否
この要件が固まっていないと、導入後に「想定していた運用ができない」「必要なレポートが出ない」といったギャップが生じやすくなります。
セキュリティ・コンプライアンス要件の確認
オンプレミス型でも、製品によってセキュリティ機能の粒度は異なります。チェックすべきなのは、単に「セキュアそう」ではなく、自社の運用ルールを実装できるかです。確認ポイントの例は次の通りです。
- 権限設計:プロジェクト/チケット/項目単位で制御できるか
- 監査:操作ログ(誰が・いつ・何を)を記録・保管できるか
- 認証:SSO、多要素認証、アカウント管理ポリシーに対応できるか
- データ保護:暗号化、バックアップ、復旧手順まで含めて設計できるか
「要件を満たせるか」だけでなく、「監査に耐える形で運用できるか」まで見ておくと、導入後の手戻りを減らせます。
拡張性より先に「保守性」を見極める(アップデートで止まらないか)
オンプレミス型で問題になりやすいのは、導入後の保守で止まることです。そのため、拡張性(プラグインやAPI)よりも先に、アップデート運用が成立するかを確認します。
- 開発元の更新頻度、サポート期限(LTSの有無)
- バージョンアップ手順の情報が整っているか
- プラグイン依存が強すぎないか(互換性確認の負担)
- 将来的なスケール(ユーザー数・プロジェクト数増)で性能劣化しないか
「導入できる」ではなく、「5年運用できる」観点で評価することが重要です。
初期費用だけでなくTCOを「運用モデル別」に試算する
オンプレミス型は、費用構造が「初期+運用」に分かれます。比較の精度を上げるには、次の観点でTCOを試算します。
- 基盤費用(既存サーバー流用か、新規構築か)
- 運用費(監視、バックアップ、障害対応、アップデート)
- 保守契約(ベンダー保守/外部委託/内製)
- 人件費(IT担当の工数、検証・変更管理の負担)
OSSはライセンス費用が不要な一方で、構築・保守・更新の人的コストが増えやすい傾向があります。「無料=安い」と判断せず、運用モデルまで含めて比較することがポイントです。
現場定着を前提に、運用設計まで評価する
どれほど高機能でも、入力が重い・使い方が統一できないツールは定着しません。選定段階で、次の観点を押さえておくと運用が崩れにくくなります。
- 入力負荷:工数入力が現場の作業導線に乗るか(タイマー/テンプレ)
- ルール:ステータス定義、締め処理、レビューの運用が設計できるか
- 展開方法:スモールスタート → フィードバック → 全社展開の計画を組めるか
- 支援体制:マニュアル整備、教育、問い合わせ窓口を用意できるか
「使えるツール」ではなく、「使われ続ける仕組み」を作れるかが、最終的な成否を分けます。
【無料・OSS含む】オンプレミス型プロジェクト管理ツールおすすめ6選

本章では、無料で利用できるOSSから、多機能な商用ツールまで、オンプレミス環境で利用できるおすすめのプロジェクト管理ツールを6つご紹介します。それぞれの特徴を比較し、自社に最適なツールを見つけてください。
| ツール名 | ライセンス形態 | 特徴 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|---|
| Redmine | OSS(無料) | 高いカスタマイズ性と豊富なプラグインが魅力/チケット管理が基本 | ITエンジニアが在籍し、自社で柔軟にカスタマイズしたい企業 |
| Taskworld | 商用 | シンプルなUIでタスク管理とコミュニケーションを統合/エンタープライズでオンプレミス提供 | ITに不慣れなメンバーが多く、操作性と定着を重視する企業 |
| Backlog エンタープライズ | 商用 | 自社サーバーにインストールして運用可能/職種を問わず使いやすいUIで共同作業を支援 | Web制作やソフトウェア開発など、チームでの共同作業が多い企業 |
| OpenProject | OSS(無料) | ガントやアジャイルボード、Wikiなどを標準搭載/コミュニティ版は無料で自己ホスト可能 | 無料でも包括的な管理機能を揃え、オンプレで運用したい企業 |
| ONES Project | 商用 | タスク管理からナレッジ共有まで統合/オンプレミス提供があり、Jira移行ツールも用意 | 情報を一元管理しつつ、既存のJira運用から移行を検討している企業 |
| Lychee Redmine オンプレミス版 | 商用 | Redmineをベースに、ガントチャートや工数管理などを拡張/オンプレミス版を提供 | Redmineの柔軟性を活かしつつ、進捗・工数をより直感的に管理したい企業 |
※サービス内容や価格、対応エディション、オンプレミス提供の有無は、各ツール/ベンダーごとに更新・変更される可能性があります。そのため、最新の情報は必ず公式ホームページで確認してください。
Redmine
引用:Redmine
Redmineは、無料で利用できるOSSのプロジェクト管理ツールです。タスク管理(チケット)、進捗管理、Wiki、フォーラムなど、プロジェクト管理に必要な基本的な機能を備えています。最大の特徴は、豊富なプラグインによる高い拡張性で、自社の業務に合わせて必要な機能を追加・カスタマイズできます。ITエンジニアが在籍し、自社でシステムを構築・運用できる体制がある企業に適した選択肢です。
Taskworld
引用:Taskworld
Taskworldは、直感的な操作性が魅力のプロジェクト管理ツールです。エンタープライズプランのオプションとしてオンプレミス版が提供されています。カンバン方式のタスクボード、チャット機能、ファイル共有などが統合されており、チーム内のコミュニケーションを活性化させながらプロジェクトを進められます。ITツールに不慣れなメンバーでも簡単に使いこなせるシンプルなUIを重視する企業におすすめです。
Backlog エンタープライズ
Backlogは、日本の多くの開発現場で採用されているプロジェクト管理ツールであり、Backlogエンタープライズとしてオンプレミス版が提供されています。シンプルで親しみやすいUIにより、エンジニア、デザイナー、ディレクターなど多様な職種が円滑に協働できる点が特徴です。GitやSubversionとの連携にも優れており、ソフトウェア開発プロジェクトの管理に適しています。
OpenProject
引用:OpenProject
OpenProjectは、OSSのプロジェクト管理ツールです。コミュニティ版は無料で、自己ホスト(オンプレミス運用)に対応しています。ガントチャートやアジャイルボード(カンバン)など、プロジェクト管理に必要な機能を標準で揃えやすい点が特徴です。コストを抑えつつ、オンプレ環境で本格的な管理体制を整えたい企業に向いています。
ONES Project
引用:ONES Project
ONES Projectは、プロジェクトの進行管理とナレッジ共有を統合して扱えるプラットフォームです。SaaSだけでなく、オンプレミスを含む導入形態が用意されています。また、Jiraからの移行を支援する仕組みが整備されており、オンプレミス環境への移行手順やツールも案内されています。複数ツールに散らばった情報を集約し、管理基盤を一本化したい企業に最適です。
Lychee Redmine オンプレミス版
Lychee Redmineは、Redmineをベースに、進捗・スケジュール・工数管理などを拡張する商用ツールです。オンプレミス版は、利用側が用意したRedmine環境にLychee Redmineのプラグイン群を導入して運用する形になります。ガントチャート、カンバン、工数管理などを使いやすく整理し、現場の入力負荷と管理の手間を下げやすい点が特徴です。Redmineの柔軟性は活かしつつ、より直感的に進捗と工数を管理したい企業に向いています。
以下の記事では、RedmineとLychee Redmineの違いについて、詳しく解説しています。
オンプレミス型プロジェクト管理ツール導入のロードマップ

オンプレミス型ツールの導入は、計画的に進めることが成功の鍵です。以下の4つのステップに沿って、段階的に導入を進めましょう。
要件定義とツール選定
最初のステップでは、現場が抱える課題を整理し、ツールに求める要件を明確にします。単に多機能なツールを選ぶのではなく、「どの業務で」「誰が」「どのように」使うのかを具体化する必要があります。そのためには、現場メンバーへのヒアリングを行い、必須機能と不要な機能を切り分けることが重要です。加えて、セキュリティ要件や社内規程との適合性(権限設計・ログ要件・保存方針など)も確認します。これらの要件を基に複数のツールを比較検討し、自社の運用に合うものを選定することで、導入後のミスマッチを防げます。
インフラ構築と初期設定
ツールが決定したら、次に行うのがインフラの構築と初期設定です。オンプレミス型では、サーバーやネットワーク環境を自社で用意するため、必要なスペック、冗長構成、バックアップ/復旧方針を事前に検討します。OSやデータベースなどのミドルウェアを導入した上で、プロジェクト管理ツール本体を展開し、ユーザー権限やプロジェクト構成などの初期設定を行いましょう。この段階でユーザー増加や連携拡張を見据えた設計を行っておくことが、後々の手戻りと運用負荷の抑制につながります。
テスト・社内展開
本格的な全社展開の前に、テスト運用を実施しましょう。まずは情報システム部門や特定プロジェクトなど、限定範囲でツールを使用し、操作性、パフォーマンス、想定した運用が成立しているかを確認します。テスト運用で得られたフィードバックを基に、設定の調整や運用ルール、マニュアルの整備を進めてください。小さくはじめて課題を洗い出し、改善した上で展開することで、全社導入時の混乱を最小限に抑えられます。
運用・改善フェーズ
オンプレミス型ツールは、導入して終わりではありません。運用を開始すると、実務に即した要望や想定外の課題が必ず発生します。利用状況や定着度を定期的に点検し、ユーザーの声を収集しながら、設定や運用ルールを継続的に更新しましょう。加えて、アップデート対応や脆弱性対策、バックアップ検証などを含め、長期運用を前提とした体制整備も欠かせません。改善サイクルを回すことで、ツールが形骸化せず、組織の生産性向上に直結する運用へつながります。
オンプレミス環境でプロジェクト管理を安定させるなら「Lychee Redmine」がおすすめ

オンプレミス環境でのプロジェクト管理において、高い柔軟性を持つRedmineは多くの企業で活用されています。Lychee Redmineはその強みを活かしつつ、進捗や工数をよりわかりやすく可視化し、安定したプロジェクト運営を支援するツールです。
Redmine標準運用で判断しづらいポイント
オンプレミス環境でRedmineを活用すると、チケットによる課題管理は安定して行える一方、プロジェクト全体を俯瞰した判断が難しくなる場面があります。特に、計画・進捗・工数といった情報が分散しやすく、マネジメント視点で把握するには工夫が必要です。Redmine標準運用で判断しづらくなりやすい主なポイントは以下の通りです。
| 判断しづらい点 | 理由 |
|---|---|
| 計画と進捗の関係 | ガントチャートとチケットが独立しており、計画に対してどこが遅れはじめているかを俯瞰しにくい |
| 工数の偏り | 作業時間は記録できるが、担当者別・プロジェクト横断での負荷状況を把握するには集計が必要 |
| 遅延の兆候 | 進捗・工数・計画を組み合わせて確認しないと、問題の兆しに気付きにくい |
Redmine標準機能でも必要な情報は揃っているものの、各情報が分散しているため横断的な確認には手作業が入りやすく、判断材料を整えるまでに時間がかかりがちです。その結果、課題や遅延の兆候に気付くタイミングが後手に回りやすく、オンプレミス運用が長くなるほど判断のしづらさが表面化しやすくなります。
Lychee Redmineで「計画・進捗・工数」がつながる理由
Lychee Redmineは、計画・進捗・工数を個別に管理するのではなく、相互に連動させて可視化することで、「今、何が起きているのか」「どこにリスクがあるのか」を判断できる状態を作ります。具体的には、次のような方法で課題を解決します。
| 課題 | Lychee Redmineによる解決策 |
|---|---|
| 進捗の可視化 | ドラッグ&ドロップで操作できるガントチャートにより、進捗状況が一目でわかる |
| 工数管理 | チケット更新と同時に工数を記録でき、レポート機能でリアルタイムに予実管理ができる |
| リソース管理 | メンバーごとの負荷状況を可視化し、最適な人員配置を支援する |
| 横断的な管理 | 複数プロジェクトの状況を一覧できるダッシュボードで、マネージャーの意思決定を支援する |
オンプレミスでも実務負荷を増やさず使える理由
Lychee Redmineがオンプレミス環境でも実務負荷を増やしにくい主な理由は、以下の通りです。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 直感的なUI | 見やすく使いやすい画面設計で入力負荷を軽減し、現場の更新を定着させる |
| 自動集計 | 複数プロジェクトの進捗・工数を横断的に自動で可視化でき、手作業の集計や報告書作成の手間を抑える |
| 運用サポート | 導入後すぐ使えるパッケージと日本語サポートにより、システム担当者の負荷を抑えやすい |
これらにより、現場メンバーの負担を増やさずに管理レベルを引き上げ、プロジェクトの安定運用につなげられます。
オンプレミスによくある質問(FAQ)

本章では、オンプレミス型プロジェクト管理ツールを検討する際に、導入判断の直前でよく挙がる疑問に絞って解説します。
IT担当者が不在でも導入できますか?
原則として、完全な内製での導入・運用は難しくなります。オンプレミス環境では、サーバー構築やセキュリティ設定、障害対応などが必要になるため、専門知識を持つ人材が欠かせません。IT担当者が社内にいない場合は、構築から運用・保守までを支援するベンダーや外部パートナーを前提にした導入を検討すると、現実的と言えます。
OSSツールのセキュリティは問題ありませんか?
OSSだからといって、特別に危険というわけではありません。ただし、セキュリティ対策を誰がどこまで行うかは利用者側の責任になります。脆弱性情報や修正パッチは公開されますが、それを適切に適用する運用体制や、サーバー設定・アクセス制御を継続できなければ、安全性は維持できません。「OSS=自動的に安全」ではない点は理解しておく必要があります。
外部協力会社や委託先も参加できますか?
参加は可能です。ただし、オンプレミス環境では接続方法と権限設計が重要になります。VPNなどのセキュアな接続方式を用意した上で、外部メンバーには必要最小限の権限のみを付与する設計が不可欠です。この設計を怠ると、セキュリティリスクや運用負荷が一気に高まります。
将来的にクラウドへ移行する可能性があっても問題ありませんか?
多くの場合、問題ありません。オンプレミスで利用していたデータを、将来的にクラウド版へ移行できるツールもあります。ただし、移行できる範囲(データ・設定・カスタマイズ)や手順はツールごとに異なります。将来の移行を視野に入れている場合は、データ移行の可否、制約、サポート有無を事前に確認しておくと安心です。
自社の要件を見極め、最適なオンプレミス型ツールでプロジェクトを成功に導こう

オンプレミス型のプロジェクト管理ツールは、すべての企業に最適な選択肢ではありません。しかし、セキュリティや運用統制を重視する環境、長期的かつ継続的なプロジェクト管理が求められる組織にとっては、有効な選択肢となります。重要なのは、ツールの流行や機能数に左右されるのではなく、自社の業務特性や管理上の課題を正しく整理し、必要な機能と運用体制を見極めた上で選定することです。
特に、「計画・進捗・工数をどのように把握し、どう判断したいのか」といった視点を持つことが、導入後の形骸化やミスマッチを防ぐポイントになります。Lychee Redmineのオンプレミス版では、30日間の無料トライアルが用意されており、自社環境で実際の運用を確認した上で導入を検討できます。自社に合ったオンプレミス型ツールを選び、無理のない運用設計を行う、それが、プロジェクトを安定して成功へ導くための近道と言えるでしょう。
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