プロジェクトマネジメントという言葉をご存じですか?
プロジェクトマネジメントはビジネスパーソンとして一歩リードしたいのであれば、必須のスキルです。
「何となくわかったつもりでいたけれど、どういう意味なのかよく知らない」
「クライアントの要望をプロジェクトメンバーに伝えていればいいのでは?」
など、さまざまな意見があるでしょう。
今回はプロジェクトマネジメントについて、最低限知っておきたい基本的な内容を解説します。
プロジェクトマネジメントを学ぶ前に押さえておきたい5つのこと
プロジェクトマネジメントを学ぶ前に、基本的な情報を押さえておきたいですね。
5つにまとめましたので、順番にみていきましょう。
①プロジェクトマネジメントの意味
最近よく耳にするプロジェクトマネジメントとは、どういう意味なのでしょうか。
文字通り一言で言えば、プロジェクトマネジメントとはプロジェクトをマネジメントすること。
しかし、ビジネスにおけるプロジェクトマネジメントとは、納期までに目的を達成しプロジェクトを成功させるために、タスクの明確化やプロセスの構築、リソースの配分などをコントロールすることです。
②プロジェクトマネジメントの歴史
プロジェクトマネジメントは現代的な学問として捉えられがちですが、起源はビジネスの世界が複雑化し始めた19世紀後半までさかのぼります。
大規模なプロジェクトが計画されるようになり、何千人もの労働者と大量の資源を適切に管理する必要が生じました。
20世紀以前は労働者を長時間、過酷な環境に従事させることで生産性を維持しました。
20世紀に入ると、より効率的な作業によってプロジェクトを管理する動きが生まれます。
そして20世紀中ごろ、第二次世界大戦ではさらに複雑な軍事プロジェクトが計画されるようになります。
プロジェクトマネジメントの手法も開発され、責任者はより細やかな管理が可能となりました。
一方ビジネスの世界は、目まぐるしい変化と競争の激しさが増す中で企業はこぞってプロジェクトの管理手法を求めていました。
すぐさま、あらゆる業界でプロジェクトマネジメントの概念は広まりをみせます。
現在では、これまでの企業や政府のプロジェクトが分析され、さまざまな手法が確立し、ツールも増えてきました。
ビジネスの多様化は現在もとどまることを知らず、プロジェクトマネジメントの重要性は高まり続けています。
③プロジェクトマネジメントの必要性
昨今は、ビジネスのライフサイクルが極めて短くなっており、次々に新しい製品やサービスを生み出さなければ生き残れません。
しかし、早ければいいというわけではなく、予算の範囲内でクライアントの需要を満たすクオリティを維持する必要があります。
制限のある中でプロジェクトを成功に導くために、人材やコスト、時間などを管理するプロジェクトマネジメントの能力がプロジェクトの成功を左右します。
④プロジェクトマネジメントを身につけるべき人
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャーが身につけておくべきスキルです。
プロジェクトマネージャーにマネジメント能力がなければ、プロジェクトは進みません。
しかし、プロジェクトマネージャーだけでなく、プロジェクトに関わるその他のメンバーも最低限の知識は持っておくべきでしょう。
ある程度の知識があれば、プロジェクトマネージャーの指示も理解を得られやすく、プロジェクトがスムーズに進みます。
プロジェクトマネジメントの知識をメンバーそれぞれのタスク管理スキルも向上させることで、プロジェクト全体の生産性アップにも貢献します。
プロジェクトマネジメントは社会人として学ぶべき分野といえるでしょう。
⑤プロジェクトマネージャー(PM)の年収
プロジェクトマネージャーは年収900万円超えの求人も多く、日本の平均年収よりも高い傾向にあります。
プロジェクトマネジメントに関する国家資格や国際資格も豊富です。
キャリアを積むと同時に資格も取得すれば、さらなる年収アップも期待できるでしょう。
プロジェクトマネジメントで用いられる5つの手法
それでは具体的にどんな手法がプロジェクトマネジメントにおいて用いられるのか、みていきましょう。
①ガントチャート
ガントチャートを使えば、タスクごとの達成率を棒グラフにすることで、進捗状況を視覚的に確認することが可能です。
縦軸には各タスクの項目、横軸には日付が入ります。
進捗の遅れているタスクがあってもすぐに判明するため、迅速な対応が可能です。
関連記事はこちら>>ガントチャートツールでスケジュール管理を! ツールのメリットを紹介
②タイムライン
タイムラインはガントチャートと似た手法であり、プロジェクトの達成に必要なタスクを時系列順に並べることで把握する手法です。
タスクに着手するタイミングを明確にするのに役立ちます。
昨今はタスクが複雑に影響し合っていることもあり、より多くのタスク管理に向いているガントチャートが一般的になっています。
③マインドマップ
マインドマップはプロジェクトの要素を細分化し、それぞれに関わるキーワードや画像などをリストアップする手法です。
プロジェクトの成功に必要なタスクや懸念されるリスクなどを洗い出せます。
マインドマップは柔軟性が高く、タスク管理以外にもアイデアの発想や思考の整理にも向いています。
④ウォーターフォール
ウォーターフォールは、プロジェクトの工程を時系列順に積み上げていき、ひとつずつ取り組む手法です。
シンプルな手法であり、大規模かつ長期間のプロジェクト管理に用いられます。
⑤PERT
PERTは「Program Evaluation and Review Technique」の略で日本語では、アローダイアグラムとも呼ばれています。
プロジェクトの工程を図形で、次の工程につながる流れを矢印で、工程の所要時間を数値で表す手法です。
タスクごとの関係性とそれぞれにかかる工数を明確にするのに向いています。
プロジェクトマネジメントに欠かせないスキル5選
プロジェクトに責任を持ちプロジェクトマネジメントを実行するには、それ相応のスキルが必要です。
プロジェクトマネジメントに欠かせないスキルを5つお伝えします。
①スケジュール管理スキル
プロジェクトの納期は必ず守らなければいけません。
納期に間に合わせるためには、プロジェクトをいくつかのフェーズに分け、それぞれにかかる時間を見極め、適切に人材を配置するスケジュール管理スキルが不可欠です。
しかし、非現実的なスケジュールでは、メンバーのモチベーションを下げてしまいます。
適切なスケジュールでメンバーの士気を保ちながら、工程に遅れが生じた際にも、無理なく現実的な計画を立てる能力が必要です。
②コミュニケーションスキル
社会人にとってコミュニケーションスキルは必須です。
プロジェクトマネジメントをおこなう場合には、特に大切なスキルになります。
なぜならプロジェクトの責任者はプロジェクトメンバーだけでなく、経営陣やクライアント、協力会社など、プロジェクトに関わる多くのステークホルダー(利害関係者)と円滑に意思疎通を図る必要があるからです。
立場やプロジェクトへの理解度、考え方が異なるステークホルダーに、相手の主張を汲み取りながらこちらの要求を伝えねばならず、高度なコミュニケーションスキルが求められます。
③分析スキル
プロジェクトに問題が起きた際、問題の原因を分析するスキルがなければ、問題の解決策も思いつきません。
問題に関する情報を網羅的に集め、適切な対処法を導き出すスキルがプロジェクトマネジメントには必要です。
④プロジェクトを包括的に見る力
目の前のタスクに集中することも重要ですが、プロジェクト全体を包括的にみる視野も不可欠になります。
なぜなら各タスクは独立しておらず、互いに作用し、プロジェクト全体を見なければ分析できないことも多くあるからです。
プロジェクト全体を見渡す姿勢を大切にしましょう。
⑤先見性
複雑なプロジェクトの場合、途中で問題が生じることも少なくありません。
起こりうるリスクをいかに予測し、事前に回避する対策を打てるかがプロジェクト成功の鍵となります。
プロジェクトマネジメントでは、つねに先を読む意識が大切です。
プロジェクトマネジメントを学ぶ4つの方法
プロジェクトマネジメントを学ぶことのできる4つの方法を紹介します。
①書籍
プロジェクトマネジメントに関する書籍は数多くあります。初心者向けから上級者向けまで、幅広く出版されていますので、自分に合った書籍を探してみてください。
関連記事はこちら>>プロジェクトマネジメントって何するの? 基本やツール、おすすめの本を紹介!
②セミナー
プロジェクトマネジメントを学ぶためのセミナーは頻繁におこなわれています。
オンラインで参加できるものが多く、無料で体験セミナーを受講できる場合もあるので、一度参加してみてはいかがでしょうか。
③大学
大学によってはプロジェクトマネジメントの講義があったり、プロジェクトマネジメントの学科があったりすることも。
学生のうちからマネジメント能力を身につけたい方は検討してみてください。
④実際のプロジェクトにおいて
実際のプロジェクトに携わることができれば、実体験に基づいたスキルが身につきます。
プロジェクトマネジメントに特化したツールも開発されていますので、実際の現場で使ってみてはいかがでしょうか。
プロジェクトマネジメントは社会人が身につけるスキル
プロジェクトマネジメントについて、基本的な内容を中心に解説しました。
プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトマネジメントは必須のスキルです。
プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーだけでなく、他のメンバーにもプロジェクトマネジメントのスキルがあればより円滑にプロジェクトを進めることが可能です。
また、プロジェクトメンバーそれぞれのタスク管理にもプロジェクトマネジメントの知識は活かせます。
いまやプロジェクトマネジメントはすべての社会人が身につけるべきスキルでしょう。
プロジェクトマネジメントのイメージがわかないという方は、実際の現場で多くの企業が取り入れているツールを使用してみるのはいかがでしょうか。
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