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インタビューに答えていただいた東京海上日動システムズ 様
東京海上日動システムズ
社名
東京海上日動システムズ 様
事業内容
東京海上グループの情報システムの企画・提案・設計・開発・保守・運用
使用機能
Lycheeガントチャート、Lychee EVM、Lycheeリソースマネジメント、Lycheeアジャイル
IT従業員数:1000名〜スタンダードプラン

東京海上グループのIT戦略を支えている東京海上日動システムズ株式会社様。2010年からRedmineを導入され、現在では全社3,000名が毎月3万チケットを登録する大規模運用を実現されている。Lychee Redmineの各プラグインを利用してRedmineの全社展開を実現された、開発品質管理本部 開発品質管理部 マネージャーの白井昭洋氏と杉本直幸氏にお話を伺った。(取材日:2016年12月2日)

月3万チケット登録を支えるRedmine運用

東京海上日動システムズではRedmineを全部署で導入しています。具体的には9本部22部署、それから開発管理部門とコーポレート部門の8部署、合計30部署で導入しています。利用頻度としては、やはり開発や運用を担当している部署が高く、コーポレート部門などでも利用されていますが、特に使うことを強制しているわけではありません。

利用者数は社員、協力会社の方々を合わせて2,000人弱ぐらいです(2017年2月現在は約3,000人)。一昨年11月の実績では、1ヶ月に約1,900人がログインしていましたので、1日あたりその半分か3分の1の800人くらいだと推測されます。また、社員異動や契約が満了する協力会社も都度発生するため、3ヶ月間ログインがないアカウントは全てロックするようにしています。

Redmine運用全体を推進しているのは私たち2名ですが、開発運用部門の22部署内に約30名の推進係がおり、各部門・組織の推進を担当しています。現場からの問い合わせは推進係が対応するため、私たちに問い合わせがくることはそれほどありません。あと、Redmine運用部隊として3名のチームも存在しています。

チケット登録数は毎月増加しており2015年8月は月あたり5,000チケットほどでしたが、障害管理を行うようにした2016年2月には1万チケット、進捗・課題管理を行うようになった7月には2万チケットまで増加し、そして11月には3万チケットを突破しました。当初の想定が月3万チケットでしたので、今の運用設計が適切かどうかをもう一度見直さなければいけないレベルにきています。またユーザ数も社員が1,300人、協力会社の方々が1,700人、合わせて3,000人まで増える見込みなので、近い将来は月あたり5万チケットが登録されると予想されます。

利用プラグインはLychee Redmineが中心です。フリーのプラグインは、Work Timeプラグインやサイドバーを消すプラグインなどいくつか導入していますが、サーバーへの負荷が大きいためあまり利用していません。

  • 白井氏
    「現場浸透にユーザビリティ向上は欠かせない」と白井氏
  • 杉本氏
    「新たなプロジェクトが順次Redmineに移行しているので、チケット数はまだ増える見込みです」と杉本氏

業務のスピードアップが課題

業務の生産性を高めるには、コミュニケーションや進捗報告といった粒々のスピードアップが必要だと考えていました。報告をリアルタイムに行うことができればスピードが向上しますが、そのためにはプロジェクトの状況を「見える化」したり、様々なプロジェクト管理手法を標準化する必要があります。弊社ではそれらをエクセルで管理していたため「一元管理ができない」「リアルタイムに参照ができない」「同時更新ができない」「プロジェクト管理手法の標準化ができない」といった課題がありました。エクセルはユーザビリティが優れていてカスタマイズがしやすいですが、一方で自分たちの思い通りに列を追加できてしまうと標準化しにくいです。そのため標準化をするためには、1つの共通システムで制約をつけて運用する必要があると感じRedmineを導入しました。

大切なことはユーザビリティと「見える化」

Redmineは2010年に導入しましたが、当時の利用者はまだまだ少なかったです。標準のRedmineでは、ガントチャートやチケット一覧画面などで情報を入力するたびに画面遷移が発生するため、「ユーザビリティを向上させなければ、使われないのではないか?」と、入力を簡単にできるプラグインを探していました。そんな時にLychee Redmineの製品サイトを見つけました。

Lychee Redmine導入を決めた理由は2つあり、1つはガントチャート上で直感的に操作して入力できることです。Redmineの操作性は独特なので、初めてのユーザにはわかりにくいんですよね。それが直感的に操作できるようになったことは大きいです。今では、Lychee RedmineをRedmineの標準機能と思って使っているユーザもたくさんいますよ。ガントチャートを直感的に操作できるLycheeガントチャートがなければ、月3万チケットの登録も難しかったと思います。もちろん各部の推進係の方々が、現場からの問い合わせ対応やマニュアル整備などを頑張ってくれたことも現場に浸透した理由の一つです。

Lycheeガントチャート
直感的な操作を実現した、Lycheeガントチャート

もう1つはLychee EVMです。EVMをエクセルで行うと手間がかかりますし、「エクセルファイルの場所が分からない」というユーザも多かったですね。無償のEVMプラグインもありますが、長期利用を考えるとサポート面に不安がありました。その点Lychee RedmineではガントチャートもEVMも全てが一元管理されるので、各プロジェクトの状況を「見える化」できます。

Lychee EVM
Redmine上でEVMを確認可能にする、Lychee EVM

10種類のエクセル管理ファイルがRedmineに集約

Redmine、Lychee Redmineを導入したことで10種類のエクセル管理ファイルをRedmineに集約することができました。管理ファイルを削減できましたし、Redmineにログインすればこれらの情報を全て確認できますので「見える化」が進みました。

Redmineに集約されたエクセル管理ファイル

  • 品質管理・・・問題点管理台帳(テスト工程で発生したバグ一覧)、単体テスト確認シート
  • 課題管理・・・プロジェクト運営上の課題管理表、要検討項目表
  • 要件管理・・・要件追加・変更管理台帳、プロダクトバックログ、スプリントバックログ
  • 進捗管理・・・WBS、EVM、信頼度成長曲線

ふせん紙とエクセルを、Lychee Redmineで統一

弊社ではコミュケーションを活発化させてチームワークを強化する取り組みを行っています。そのためオフィスでは始業時に朝会を実施して、少人数のチームごとにタスク共有をしている光景がよく目に入ります。

以前の朝会では、タスク名が書かれたふせん紙をホワイトボードに貼り付けて情報共有を行っていました。そのためふせん紙に書かれたタスクタイトルしか分からず、メンバーにタスクを依頼する際はタスクの詳細を口頭で説明する必要がありました。タスクの詳細情報はエクセルでも管理していましたが、それによりふせん紙とエクセルの二重管理も発生していました。

しかしLycheeアジャイルを導入したことで、ふせん紙とエクセルファイルをRedmineに統一できました。Lycheeアジャイルのかんばん画面では、チケットタイトルが以前のホワイトボードと同じイメージで表示され、チケットタイトルをクリックすれば詳細情報をすぐに確認できます。また、ふせん紙を貼り直すようにチケットのドラッグ&ドロップするとステータスがリアルタイムに更新されるため、二重管理の手間も無くなりました。今ではホワイトボードの代わりに、Redmineの画面を見ながら朝会が行われています。

Lychee アジャイル
ホワイトボードのふせん紙のようにチケットを「見える化」できる、Lychee アジャイル

さらなる「見える化」とユーザビリティ向上を期待

今後はRedmineを上手に利用している人のノウハウが、あまり活用できていない人にも伝わるような取り組みを考えています。またエクセルからの移行は完了したので、次はもっとRedmineを活用し、プロセスを整備して標準化を進めたいですね。

Lychee Redmineには、さらなる「見える化」やユーザビリティの向上に期待しています。それから、要件管理やテスト管理などをRedmineで完結できるような仕掛けが欲しいですね。テスト管理やテスト自動化、要件管理、バグ管理などをRedmineで管理できればトレーサビリティがうまく取れるのではないかと考えています。

あとは、弊社のような大規模ユーザへのソリューション提案があると良いなと思います。例えばアプリケーションサーバーを2つに分けて、1つには現場担当者向けのプラグイン(Lycheeガントチャート、Lycheeアジャイルなど)を、もう1つには管理者向けのプラグイン(Lychee EVM、Lycheeリソースマネジメントなど)を導入することで、レスポンスをさらに担保するようなソリューションがあると良いですね。

Lychee Redmineの機能や価格、アジャイルウェアのサポートにはとても満足しています。密度の濃いコミュニケーションで都度相談に乗っていただけるのがありがたいですし、色々な面でスピードが速いです。何かをお願いしたときのレスポンスも速く、「いつの間に作ったんだろう」と思うくらいです。逆にお願いしたいのは、我々のようなユーザの声を集約できるようなサービスやサポートがあると良いと思います。Lychee Redmineの問い合わせや、改善要望などを書き込める共通の環境があれば嬉しいですね。

さらなる「見える化」とユーザビリティ向上を期待

業務のスピードアップや生産性向上を目的に、素晴らしい取り組みをされている東京海上日動システムズ様。アジャイルウェアは今後も同社のより多くのユーザに使い続けたいと思っていただけるよう、ユーザビリティと「見える化」を向上させるツール開発を継続して進めていきたい。

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