2024年11月8日、東京(浅草橋)にて、第9回Lychee Redmineユーザー会「Lychee Fun Basket 2024」が開催されました。今年のテーマは「先駆者に学べ!事例でわかる導入と普及の道しるべ」。例年好評をいただいているユーザー会は、今年も多くの参加者を迎え、学びと交流の場として充実したイベントとなりました。

Lychee Fun Basket 2024の様子

プログラム

以下、当日の様子を詳しくご紹介します。

名刺交換会

名刺交換会

イベントの冒頭で行われた名刺交換会は、参加者同士の緊張をほぐし、自然な会話のきっかけとなりました。「Lychee Fun Basket」の目的である参加者同士の交流や情報交換が生まれる時間となりました。

事例発表1: 100年以上鉄道車両を製造してきた会社でRedmineを普及させた話

事例発表1の様子

ユーザー企業による事例紹介の1社目は、川崎車両株式会社 企画本部 ICTソリューション部 ICT活用推進課 主事 宇都宮 理人氏にご登壇いただき、Lychee Redmineの導入事例を紹介していただきました。

同社では、プロジェクト・タスク管理の基盤が部門やプロジェクトごとに異なり、またそれらの情報の共有が主にファイルサーバーやメールに依存していたことから、運用上の非効率な面が顕在化していました。さらに、個々のタスクの状況が見えづらいという問題もあり、こうした課題を解決するためにLychee Redmineが導入されました。

導入後は、全社向けの説明会や社内事例の紹介を実施。また、Lychee Redmineの使い方サポートとしてハンズオンセミナーを企画するなど、地道な取り組みを通じて利用者が増加したとのことです。現在は、さらなる定着化を目指し、各部門への伴走支援を進めるほか、プロジェクト・タスク管理以外のジャンルでの活用方法を検討中です。Redmine利用が生産性向上に繋がった部門もある一方で、定着化に関する新たな課題も出てきたそうです。同社では、引き続き定着化を進めていく方針です、と語られました。

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川崎車両が実践するLychee Redmineの導入推進! 浸透させる鍵は社内説明会の実施による「自分ごと化」

事例発表2: プロジェクト管理ツール利用推進のポイント

事例発表2: プロジェクト管理ツール利用推進のポイント

ユーザー企業による事例紹介の2社目は、三菱電機ソフトウエア 電子システム事業統括部 鎌倉事業所 生産技術部 岡野 麻子氏にご登壇いただき、Redmine導入の取り組みと継続活用の工夫についてご紹介いただきました。

同社では、事業所全体で10年以上にわたりRedmineを利用しており、事業所(組織)への展開のきっかけは「開発支援ツール利用の申請・質問」の集約でした。それまでは、利用申請の手段が担当者ごとにメールや電話、付箋などバラバラで、情報整理が難しかったため、この問題を解決するためにRedmineの導入に至ったとのことです。現在では、多くのプロジェクトでプロジェクト管理やタスク管理、要件管理などにRedmineが活用されています。

Redmineを組織に導入する際には、利用者が自然とシステムに触れるよう「利用者の導線上にRedmineを置く」工夫を徹底。また、従来の作業フローを維持しつつ、負担を増やさない設計が行われたそうです。さらに、社内事例の紹介を行うなど、成功体験を社内に共有することで利用者のモチベーションを高めています。情報交換会の定期開催や最新事例の収集・共有など、さまざまな活動を通じて、Redmine活用の促進を継続的に行っています。

今後の展望としては、Redmine情報交換会の充実化や社外トレンドを取り入れた導入事例の共有を通じて利用事例の多様化を図るほか、最新情報の継続的な収集を行い、Redmine活用の幅をさらに広げていく計画です。また、試用環境のバージョンアップや機能の定期的な見直しを進め、利用者に新しい発見や楽しさを提供し続けることを目指していると語られました。

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三菱電機ソフトウエアのRedmine利用推進術!表計算ツールのように手軽に使えるプラグイン「Lychee Redmine」で活用ハードルを軽減

事例発表3: ゼロスタートからのRedmine導入と運用状況

事例発表3: ゼロスタートからのRedmine導入と運用状況

ユーザー企業による事例紹介の3社目は、東洋電装株式会社 開発本部 技術管理部 技術管理課 上級研究員 兼原 義郎氏にご登壇いただき、Redmineを活用した業務効率化の取り組みについてご紹介いただきました。

同社では、メカ設計を中心とする体制から、電子やソフトウェア部門を含む複合的な管理の必要性が高まり、4年前にLychee Redmineが導入されました。導入前は、進捗管理や成果物の管理がExcelや紙で行われ、情報が分散して管理が煩雑化していたとのこと。これらの課題を解決するために、運用ルールの整備や文書一元管理を目的としてLychee Redmineが採用されました。

導入後は、約40ページの社内マニュアルを作成し、操作説明会や講習会を年間200回以上実施するなど、地道な活動を続け定着を図りました。また、ペーパーレス化の推進を目的に、Lychee Redmineを活用した評価資料の運用を開始。紙資料を廃止したことにより検索性が向上し、利用者からは「便利になった」と評価されました。さらに、海外工場との連携にも活用され、時差による課題の軽減にも寄与しています。

現在では、開発以外の部門にも運用を広げ、日常業務のタスクや課題を管理することで操作に慣れてもらう取り組みを進めておられるそうです。

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定着率70%!メカ設計者の視点を活かした東洋電装のLychee Redmine運用の工夫

Lychee Redmine 2024年のふりかえりと今後の動向

Lychee Redmine 2024年のふりかえりと今後の動向

プロダクトオーナーの辻より、今年リリースした機能の紹介と、2025年に向けた展望について発表しました。

2024年は以下の機能をリリースし、ユーザーの使いやすさを重視した改善を行いました。

  • 「Lychee-theme basic」 - レガシーデザインからの脱却をかかげた、モダンなテーマ
  • 「Lychee Issue Form」 - 統一的かつ利便性の高いフォーム
  • 「Lychee Gantt Chart 5.0 プレα版」 - どこよりも使いやすいガントチャートを更に見やすく使いやすく

2025年は「プロジェクト管理の複雑さをシンプルにし、プロジェクト管理への挑戦を支援する」をテーマに掲げ、以下のアップデートを予定しています。

  • プロジェクトレポート/ダッシュボードの改善
  • アラート・通知の拡張
  • 外部ツール連携 など

より快適で効率的なプロジェクト管理を実現するため、引き続き改善に努めてまいりますので、ぜひご期待ください。

参加者駆動型カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)

参加者駆動型カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)

参加者駆動型カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)

参加者駆動型カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)

参加者駆動形カンファレンス OST(オープン・スペース・テクノロジー)は、参加者自身が興味のあるトピックや相談したいことをテーマに上げ、ディスカッションする企画です。「離脱者を防ぐためにはどうするべきか?」「Lycheeの個別レポートをどのように使っていますか?」「Lycheeを11月から導入します。最初の3ヶ月、何をすべきですか?」など、続々とテーマが集まり、最終的には10以上のテーマが集まりました。

各テーマで活発な議論が繰り広げられ、具体的なアイデアが共有される中で、有益な学びが得られる場となったようです。

交流会

交流会

立食パーティー形式で行われた交流会では、登壇者やLychee Redmineのプロダクトチームも交え、活発な意見交換が行われました。「Lychee Fun Basket」は次回以降も、プロジェクト管理のノウハウを共有し合い、プロジェクト管理への挑戦が楽しさに変わるような場を目指していきます。

イベント告知は、こちらで行っております。ユーザ様はもちろん、Lychee Redmineをご検討中の企業様も大歓迎ですので、ぜひご参加ください。

今後も進化を続けるLychee Redmineと共に、皆様のプロジェクト管理を支援してまいります。