「Googleスプレッドシートで、できるだけコストをかけずにプロジェクトを管理したい」「Googleスプレッドシートでガントチャートは作れるのだろうか」…。このようなお悩みをお持ちの方も、多いのではないでしょうか。
Googleスプレッドシートは、タスク管理やプロジェクト管理にも活用できる無料のクラウドサービスです。複数人での同時編集や情報共有にも対応しており、すでに多くの企業やチームで利用されています。
本記事では、Googleスプレッドシートでプロジェクト管理を行うメリットに加え、ガントチャートの具体的な作り方について解説します。できるだけコストを抑えつつ、プロジェクト管理をはじめたい方は、ぜひ最後までお読みください。
Googleスプレッドシートでプロジェクト管理を行うメリット

Googleスプレッドシートは、Googleが提供する無料の表計算ツールです。見た目はMicrosoft Excelと似ており、ほとんど同様の機能を搭載しています。では、Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理するメリットには、どのようなものがあるのでしょう。
本章では下記3つのメリットをご紹介します。
- メンバーへの共有が容易
- 無料で利用できる
- 自由にアレンジを利かせられる
無料で利用できる
Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理する最大のメリットは、ツールやアカウントに費用がかからないことです。Googleアカウントさえ持っていれば、何人でも無料で利用できます。
一方、類似ツールであるExcelは、ユーザー数に応じて費用が生じる仕組みです。プロジェクトメンバーが多いほど費用の負担が大きくなるため、コストを抑えたい方にはGoogleスプレッドシートが最適です。
また、Googleが無料で提供するサービスには、Googleスプレッドシート以外にも下記のツールがあります。
- Googleカレンダー
- Gmail
- Googleドキュメント
- Googleスライド
- Google フォーム
プロジェクト管理のみならず、タスク管理・スケジュール管理にも応用でき、高度な管理が可能です。
メンバーへの共有が容易
データを共有しやすい点も、Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理するメリットの一つです。他のメンバーに共有したい場合は、権限を付与するだけでURLからアクセスできます。
権限には、「閲覧」・「編集」・「コメント追加」の3種類があり、アカウント単位での付与が可能です。最大100人のメンバーが同時に閲覧・編集でき、他のメンバーが入力を終えるまで待つ必要がありません。
また、入力した内容はリアルタイムで反映されるため、情報のタイムラグや入力作業の重複を回避できます。
自由にアレンジを利かせられる
利用目的や管理手法に応じて、Googleスプレッドシートをアレンジできる点も魅力です。標準搭載された条件付き書式や入力規則の設定によって、プロジェクト管理シートを自由にカスタマイズできます。
またGoogleスプレッドシートは、アドオンの導入にも対応しています。アドオンとは、新たな機能を追加する拡張プログラムのことです。必要に応じて機能を拡張できるため、より高度なプロジェクト管理が可能です。
下記記事では、Googleスプレッドシートでガントチャートを作る具体的な方法を詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
Googleスプレッドシートでプロジェクト管理するときのテンプレート活用方法

Googleスプレッドシートでプロジェクト管理をはじめる際は、目的に合ったテンプレート選びが重要です。タスク管理表やガントチャート、WBSなどを活用すれば、作業整理やスケジュール管理をすぐにはじめられ、ゼロから作成する手間や準備工数を大幅に削減できます。
本章では、テンプレート活用時のポイントを解説します。
テンプレートは自社用に調整して使う
テンプレートは、そのまま利用するのではなく、自社のプロジェクトに合わせて調整することが重要です。
列項目の追加や削除、色分け、担当者管理の整理などを行うことで、誰にとっても理解しやすい表になります。利用者が迷わず使える構成に整えることが、継続的な運用につながります。
運用ルールも併せて決めておく
テンプレートは便利である一方、更新ルールが定まっていないと情報が陳腐化しやすい点に注意が必要です。
更新のタイミングや入力方法を事前に定めておくことで、チーム内の表記や運用を統一でき、管理のしやすさが向上します。
Googleスプレッドシートでプロジェクト管理に必要なガントチャートを作成

ガントチャートはプロジェクト管理に欠かせない指標です。Googleスプレッドシートでガントチャートを作成するには、下記の2つの方法があります。
- テンプレートを使って作成
- アドオンを追加して作成
この章では、アドオンを使ったガントチャートの作成方法を4ステップでご紹介します。
ステップ1.新規Googleスプレッドシートを作成
まずは、新規のGoogleスプレッドシートを作成します。
このGoogleスプレッドシートにガントチャートを作成するため、現段階で、わかりやすい名前をつけておくと良いでしょう。
ステップ2.アドオンを追加
続いて、ガントチャートを自動作成してくれる「ProjectSheet planning」というアドオンを追加します。メニューバーにある「拡張機能」→「アドオン」→「アドオンを取得」の順で選択します。
画面が切り替わったら、上部の検索窓に「ProjectSheet planning」を入力し、「インストール」を選択しましょう。

上記のように、アクセスのリクエストが表示されますが、「許可」を選択しインストールを進めます。

ガントチャートを表示させるには、「拡張機能」→「ProjectSheet planning」→「Add ProjectSheet」の順で選択し、「ProjectSheet planning」の起動が必要です。
「ProjectSheet planning」が起動すると、自動的にガントチャートが生成されます。
ステップ3.プロジェクト名とタスクを追加

今回は見本として、プロジェクト名を「WEBサイト制作」とし、下記4つのタスクをB列に設定します。
- 設計
- デザイン作成
- 実装
- リリース
続いてタスクの期日をC列・D列へ入力しますが、先に入力規則を変更するのがおすすめです。

C列・D列を選択→「データ」→「データの入力規則」を選択します。
画面が切り替わったら、「セル範囲」と「条件」の2箇所を下記のように変更します。
- 「セル範囲」:「”Task Schedule”!C:D」
- 「条件」の左側を「日付」、右側は「有効な日付」に設定
上記の設定をすると、C列・D列へ期日を入力する際にカレンダーが表示され、入力しやすくなります。

C列・D列へ日付を入力すると、右側に「|」や「=」などの記号が表示されます。
「|」は、本日の日付に形成され、「=」はタスクの進捗度合いを表します。
E列がタスクの進捗度合いを表すため、数値を変更すると右側の「=」が連動して変化する仕組みです。
ステップ4.プロジェクトとタスクを階層化
最後は、横並びになっているタスクを階層化する作業です。
上記の画像で「テストプロジェクト」を親タスク、残りのタスクを子タスクとし、子タスクの階層を一つ下げます。
「拡張機能」→「ProjectSheet planning」→「Open sidebar」を選択すると、画面右側にサイドバーが表示されます。
階層を下げたい行を選択し、サイドバーの「WBS >」をクリックしましょう。

すると、「テストプロジェクト」が太字に代わり、他タスクの階層が下がりました。
また、親タスクの進捗部分は、子タスク全体を考慮した数値に自動で切り替わります。
Googleスプレッドシートで進捗管理に使える基本関数を押さえておく

Googleスプレッドシートで進捗管理を行う際は、進捗状況の判定と集計に使える基本関数を押さえておくことが重要です。
例えば、IF関数は、タスクの完了・未完了や期限超過を自動表示でき、確認作業の手間を減らせます。さらに、COUNTIFやCOUNTIFSを活用すると、完了数や遅延タスク数を自動集計でき、日次・週次の進捗確認の効率化に役立ちます。
また、複数のシートで管理する場合は、VLOOKUPやXLOOKUPで担当者情報などを参照して、入力漏れや転記ミスを防ぐことがポイントです。加えて、TODAY関数では締切日との比較ができ、遅れているタスクを自動で把握しやすくなります。
さらに、ARRAYFORMULAを使うと、行を追加しても計算結果が自動反映されます。
これらの関数を組み合わせることで、手作業を減らし、安定した進捗管理につなげることが可能です。
Googleスプレッドシートでプロジェクト管理する際の運用ルール

Googleスプレッドシートでプロジェクト管理を継続するには、事前に運用ルールを定めることが重要です。
表の作り方や更新方法が人ごとに異なると情報が整理されず、管理表が形骸化しやすくなります。チームで共通ルールを持つことで、わかりやすく安定した管理が可能になります。
表記ルールと更新タイミングを統一する
初めに、タスク名の書き方や色分けなどの表記ルールを統一してください。誰が見ても状況を把握しやすくなり、情報整理の精度が高まります。進捗状況は「未着手・進行中・完了」などの選択式にすると、記入ミスを防ぎやすく、運用も安定しやすくなります。
加えて、「毎日更新」「週1回確認」など、更新頻度の目安も決めておきましょう。例えば、「毎日終業前に進捗を更新する」といったルールを設けることで、管理表が放置されにくくなります。更新タイミングを揃えることで、情報のズレも防止できます。
担当者と管理範囲を明確にする
次に重要なのが、「誰が入力するか」「誰が内容を確認するか」を明確にすることです。担当者や責任範囲が曖昧なままだと、更新漏れや認識のズレが生じやすくなります。
そのため、タスクごとに担当者を設定し、進捗更新の責任を明確にすることで、管理表の信頼性を高められます。また、確認担当を決めておくことで、入力内容のばらつきや誤りにも気付きやすくなるでしょう。
シート構成と権限設定を工夫する
複数シートを使用する場合は、進行中の管理表と履歴用シートを分けるなど、構成をできるだけシンプルに保つことがポイントです。
加えて、閲覧権限や編集権限を適切に設定します。編集可能なメンバーを必要最小限に絞ることで、誤操作や意図しない変更を防ぎやすくなります。権限を整理することで、安全で安定した運用にもつながるでしょう。
Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理する際の注意点

Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理する際には、下記の2点に注意が必要です。
- 行動履歴を追跡しづらい
- 共有メンバーは細かな設定が必要
Google行動履歴を追跡しづらい
Googleスプレッドシートでプロジェクトを管理すると、常に最新の進捗状況を共有できます。一方で、「誰が・何を変更したのか」といった行動履歴を即座に把握しにくい点が課題です。詳細を確認するには、管理シートの変更履歴を一つずつ追う必要があり、確認作業に多くの手間がかかります。
Googleスプレッドシートは、プロジェクトの進捗を管理する際には適していますが、ふりかえりや検証時には多くの手間がかかるため注意が必要です。
共有メンバーは細かな設定が必要
データを共有しやすい点は、Googleスプレッドシートの大きなメリットと言えます。しかし、共有設定を誤ると、社外へ機密情報が漏洩する可能性が極めて高くなることに注意しなければなりません。そのため、権限を付与する際に共有メンバーを細かく設定することが重要です。
Googleスプレッドシートの権限付与には、「リンクを知っている人全員」と「制限付き」の2種類があります。「リンクを知っている人全員」はURLを知っている人であれば、たとえ第三者であってもアクセスできるため、注意が必要です。
「制限付き」は、Googleアカウントごとに権限を付与する方法です。情報漏洩のリスクを少しでも抑えるために「制限付き」を設定し、メンバーのみが閲覧できるようにすると良いでしょう。
Googleスプレッドシートよりも高度な管理は、プロジェクト管理ツールがおすすめ

Googleスプレッドシートは無料で使える上に、ガントチャートや他のGoogleサービスと併用することで、プロジェクトを多角的に管理できます。
しかし、プロジェクト管理に特化した専門のツールを使えば、より効率的に高度な管理が可能です。例えば、Googleスプレッドシートでは管理しきれないコスト管理や、行動履歴などもプロジェクト管理ツールなら管理できます。
また、Googleスプレッドシートと他のGoogleサービスを併用する場合、各機能間の連携度が低く管理工数の増加が懸念されます。
一方、プロジェクト管理ツールは搭載機能の連携度が高いため、入力作業や更新作業を少ない工数で実行でき効率的です。プロジェクトをより効率的かつ高度に管理するのであれば、プロジェクト管理ツールを検討することがおすすめです。
下記記事では、プロジェクトを成功へ導くための計画・管理の全体像をご紹介しています。合わせてご覧ください。
ガントチャートが使えるおすすめプロジェクト管理ツール3選
プロジェクト管理ツールは、無料のものから有料のものまで様々な製品が提供されています。本章では、数あるツールの中から機能面・コスト面に優れた下記3つのツールをご紹介します。
- Lychee Redmine
- Asana
- Jooto
いずれも無料プランが用意されているため、コストを抑えながらプロジェクトを管理したい方におすすめです。
なお、料金やサービス内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトで必ずご確認ください。
①Lychee Redmine

Lychee Redmineは、7,000社以上もの企業が導入する国内企業向けのプロジェクト管理ツールです。
プロジェクトを成功に導くための機能を幅広く備えており、中でも直感的に使えるガントチャート機能は高い評価を得ています。計画立案から進捗管理までを一貫して行える点が、多くの企業に選ばれている理由です。
Lychee Redmineの特徴は以下の通りです。
- ガントチャート/WBSの直感操作:タスク分解(WBS)からスケジュール編成(ガントチャート)までを一画面で編集し、依存関係・担当・期限を素早く更新できる
- 複数プロジェクトの横断可視化:チケットに工数・担当・期日・進捗・課題を紐づけ、「作業の見える化」と「負荷の見える化」を同時に実現できる
- 予実・EVM支援:予定工数・実績工数・進捗率を基に、「進捗は良いが工数が超過」などの状態を早期把握し、手戻りを抑制する
- 権限管理・ワークフロー:役割に応じた権限・遷移ルールを設定し、承認フローや品質ゲートを明確化する
ロジェクト管理を支援するLychee Redmineでは、30日間の無料トライアルを提供しています。操作性や工数入力のしやすさを、実際の運用に近い形で確認できるため、導入後の活用イメージを具体的に描きやすくなります。
本格導入前に機能や使い勝手を十分に試せるので、検討もスムーズに進められるでしょう。ぜひLychee Redmineの充実した機能を、ご自身のプロジェクトで体験してみてください。
② Asana
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引用:Asana
Asanaは、プロジェクトとタスクを一元管理できるプロジェクト管理ツールです。プロジェクトチームに合わせて、管理方法を細かく設定できます。
また、Google WorkspaceやMicrosoft 365、Slackなど300以上の外部ツールとの連携度が高いことも特徴です。Asanaも無料トライアルを提供しているため、気になる方は一度利用してみてはいかがでしょうか。
| プラン | 料金(月額/ユーザー) | ユーザー数 |
| パーソナル | 無料 | 2人 |
| スターター | 1,200円 | 無制限 |
| アドバンスド | 2,700円 | 無制限 |
| エンタープライズ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| エンタープライズ+ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
③Jooto
引用:Jooto
Jootoは、タスク・プロジェクトをシンプルにわかりやすく管理できるツールです。カンバン方式を採用しており、直感的に使える操作性が特徴です。
また、すべてのプランでガントチャートを利用できるため、プロジェクト全体を視認しやすく、管理工数の手間を省けます。ユーザー数4名までと上限はありますが、無料トライアルも用意されています。
まずはお気軽に、試してみてはいかがでしょうか。
| プラン | 料金(月額/ユーザー) | ユーザー数 |
| 無料 | 0円 | 1人まで |
| スタンダード | 417円 | 1人~ |
| ビジネス | 980円 | 1人~ |
| タスクDX | 要問い合わせ | 無制限 |
下記記事では、おすすめのプロジェクト管理ツールを多数ご紹介しています。合わせてご覧ください。
プロジェクト管理ツールでより高度なマネジメントを目指そう

Googleスプレッドシートは無料で利用でき、アドオンの追加や他のGoogleサービスとの併用によって、比較的高度なプロジェクト管理も行えます。一方で、より効率的かつ本格的な管理を目指す場合には、プロジェクト管理ツールのLychee Redmineが有力な選択肢となります。
Lychee Redmineは、ガントチャートによる進捗管理に加え、タスク管理やコスト管理にも対応しており、直感的に操作しやすい点が特長です。スプレッドシート管理に限界を感じたら、まずはLychee Redmineの30日間無料トライアルで実際の使い勝手を確かめてみてください。
30日無料トライアルをはじめる
- 多機能ガントチャート/カンバン/バックログ/リソース管理/CCPM/レポートなど
- ・ クレジットカード登録不要
- ・ 期間終了後も自動課金なし
- ・ 法人の方のみを対象
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引用:

