【イベントレポート#2】川崎車両が実践するLychee Redmineの導入推進! 浸透させる鍵は社内説明会の実施による「自分ごと化」

2024年11月8日に「Lychee Redmine」のユーザー会「Lychee Fun Basket 2024」を開催し、Lychee Redmineを活用する企業様から、様々な事例を発表いただきました。

本記事では、川崎車両株式会社 ICTソリューション部の宇都宮 理人様よりお話しいただいた社内でのLychee Redmine導入と普及に関する取り組みについて、登壇内容の一部をご紹介いたします。

登壇者・会社プロフィール

川崎車両株式会社ロゴ

登 壇 者 :宇都宮 理人 氏
会 社 名 :川崎車両株式会社
所属部門 :企画本部 ICTソリューション部 ICT活用推進課(登壇時)
事業内容 :各種鉄道車両、鉄道システムおよびそれら部品の設計、開発、製造、修理ならびに販売および賃貸借に関する事業
利用プラン:スタンダードプラン

業務管理の効率化や進捗の可視化…課題解決のためにLychee Redmineの導入へ

Lychee FunBusket2024イベントの様子

私は2013年に川崎重工業(現在の川崎車両の親会社)に入社し、鉄道車両製造事業(2021年に川崎車両株式会社へ分社化)を担当する情報システム部門に配属されました。それ以来、社内システムの企画や導入、開発など幅広い業務を担当しています。

川崎重工業はもともと造船業からスタートし、現在は鉄道車両、航空機、ヘリコプター、バイクなど、多岐にわたる乗り物を製造しています。特に「カワサキ」のブランドで展開しているバイクは、ご存知の方も多いかもしれません。

近年はDXという言葉が広まるなか、弊社でも働き方改革や業務効率化の観点から、デジタル技術の活用に力を入れ始めています。長い歴史を持つ企業だからこそ、新しいITツールを導入する際は慎重に進める風土が根強く残っており、多くの社内調整が必要になります。

今回は、Lychee Redmineを導入し、社内に普及させるために取り組んだことついてお話しいたします。

それまで当社で起きていた問題1

Lychee Redmine導入前は、部署ごとに異なるプロジェクト管理ツールを使用しており、全社共通のツールがありませんでした。多くの部門がExcelを中心に管理しており、共有方法もメールやファイルサーバーとなることから、版管理や複数人で編集する際の利便性に課題がありました。

それまで当社で起きていた問題2

さらに、個人で業務を抱え込む傾向があり、プロジェクトやタスクの進捗状況が可視化しづらく、プロジェクト管理や業務管理上の問題が発生することもありました。

こうした課題を解消し、プロジェクトやタスクの進捗状況を見える化することで、生産性を向上させスケジュール管理の効率化を図るため、ITツールの導入を検討し始めたのです。

「使える!」を実感。若手社員が語るリアルな社内事例が好評

実際の動き出しとしては、まず社内の特定部門でプロジェクト管理ツールの導入が進み、トライアルとして複数のツールを比較検討しました。最終的に「Lychee Redmine」を選んだのは操作性の良さや画面の見やすさに加え、当社の休日設定に合わせて、Lychee Redmineの休日設定を変更できる点が決め手でした。

当初は特定部門だけでの利用を想定していましたが、「全社に展開すれば、より大きな効果を得られるのでは」と考え、全社導入と普及に向けた取り組みを始めました。

当社で新システムを入れるときのよくある話

実際に行った取り組みは2つあります。1つ目は、Lychee Redmineの機能やメリットを説明する社内説明会の実施です。社内のより多くの人に興味を持ってもらうため、全部門向けの説明会を開催しました。

説明会では試行段階からLychee Redmineを使いこなしていた若手社員に登壇してもらい、「社内の業務でどう活用したか」をテーマに、業務で活用するポイントや実際の事例を紹介。当日は120名以上が参加し、説明会参加者へのアンケートでは事例紹介が特に好評で、「社内の活用事例をもっと知りたい」という意見が多く寄せられました。

そこで、説明会の半年後には、説明会以降にLychee Redmineを使い始めた社員による「事例発表会」を開催しました。「社内の実例は身近でわかりやすかった」と好評であり、社内でのLychee Redmineの活用方法を多くの社員に知ってもらうことができました。

管理者と担当者の双方に参加を呼びかけたハンズオンセミナーを開催

多くの従業員が使い始め〜実践までの一通りの使い方を習得

2つ目の取り組みは、ハンズオンセミナーの開催です。導入当初は「ツールの使い方は自分で調べてもらう」というスタンスでしたが、説明会のアンケートで「具合的な操作方法を教えてほしい」という要望が多かったため、実践的な活用方法を学べる場を設けました。

Lychee Redmineはツールの性質上、業務の管理者と担当者の両方が参加することで効果的に運用できるため、セミナーには管理者と担当者の双方に参加してもらうよう、呼びかけました。初級編や中級編など理解度別にセミナーを実施し、最終的には合計130名以上に参加いただきました。結果として多くの社員がLychee Redmineの操作方法を習得し、活用の幅が広がるきっかけとなりました。

アンケートでは「デフォルト設定のままでも気軽に使い始められることがわかり、小規模プロジェクトでも活用できそう」といった声が寄せられ、Lychee Redmine活用の最初の一歩を踏み出す有意義なセミナーになったと実感しています。

「導入して終わり」ではない。定着する部門、しない部門の違いとは

取り組みの成果

このような取り組みにより、管理者からは「部下・メンバーのフォローがしやすくなった」といった声が増え、業務部門の会議でもガントチャート機能を活用しながら議論を進める場面がみられるようになりました。Lychee Redmineを使ったプロジェクト管理が徐々に定着してきたと感じています。

導入当初の2023年時点では利用者は約60人ほどでしたが、説明会やハンズオンセミナーの実施など社内での取り組みを重ねた結果、現在では約200人にまで増加しました。

課題

一方で、課題も浮かび上がっています。 弊社では1ヶ月以内にLychee Redmineにログインしたユーザーをアクティブユーザーと定義しており、データによると1回でもログインしたことがある人数は約700名。現在のアクティブユーザーが約200名であることを考えると、残りの約500人はツールを十分に活用できていないというわけです。

課題

その原因を探るためにユーザーへヒアリングを行ったところ、3〜5人の少人数で運用しているチームでは、定着しやすいことがわかりました。チームの規模から管理者と担当者がチケットを共有しながら、定期的なMTGでチケットをタスクの進捗を確認しやすく、それが定着のしやすさにつながるようです。

一方で、一気に大人数で管理しようとすると、管理者がフォローしきれず、十分に活用できなくなるケースも見受けられました。またLychee Redmineを自分たちの業務スタイルにそのまま適用しようとしても、なかなか定着しにくい側面があると感じています。

業務プロセスから見直し、Lychee Redmine活用の拡大を支援

現在進めようとしていること

前述の課題を解決するには、Lychee Redmineの展開活動だけではなく、各部門の業務プロセスそのものを見直す必要があると考えています。そこで現在進めているのが、各部門のLychee Redmine活用を伴走支援のような形でサポートしようという試みです。

各部門から相談を受け、課題に対する解決策を一緒に考えていくことで、定着を促進する取り組みを進めています。

タスク管理やプロジェクト管理に加えて、今後は課題管理などにもLychee Redmineが活用できないか、検討を進めています。

まとめ

一部の部門を対象に始まった取り組みが、全社での活用を見据えた工夫により広がりつつあります。まだ道半ばではありますが、社員がプロジェクト管理やタスク管理をより効率的に行える環境を整えるため、引き続き取り組んでまいります。

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