「工数管理がうまくできずに困っている」
「工数管理ツールは数多くあるが、どれが自分にとって有用なのか分からない」

Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートなどを用いた工数管理に苦労している方も多くいます。しかし、自分に合った工数管理ツール選定のための時間が取れず、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、工数管理ツールのおすすめ9選を紹介し、それぞれの特徴を比較します。Microsoft Excelとの違いや、無料で使用できるツールも紹介しているので、ぜひ効果的な工数管理に役立ててください。

工数管理ツールとは

プロジェクトの完了までに求められる時間や業務量、人員を正確に把握し管理するためのシステムを「工数管理ツール」と呼びます。ツールを活用することにより、プロジェクトの損益や業務効率を分析し、全体の生産性を向上することができます。

なお、工数とは「仕事を終わらせるのにかかった時間」×「人数」という計算式によって算出されるものです。これを可視化して管理することを「工数管理」と呼んでいます。

Microsoft Excelとの違い

工数管理は、専用ツールだけでなく、Microsoft Excelを使用して行うこともできます。しかし、専用ツールを使う方が便利な機能が搭載されているため効率よく管理ができます。

下記の表に、工数管理ツールの方が優れている機能をまとめました。

機能 補足
工数入力の負担

工数管理ツールを使用すると、Excelでの手動入力とは異なり、計画作成が格段に便利になる。

例えば、カレンダー形式やガントチャート形式を利用して直感的に計画を立てられる。

入力忘れを防ぐ仕組み

多くの工数管理ツールには、期限が迫っているタスク、報告が必要な項目、入力が済んでいない情報に対してユーザーにアラートを送るリマインダー機能が備わっている。

集計や分析の機能

工数管理ツールを使うと、すべてのプロジェクト情報を集めて一元的に管理できる。

多くのツールには自動的にレポートを生成する機能が備わっており、様々な分析が行える。例えば、プロジェクトの損益分析や、タスクの売上と効率、チームメンバーのパフォーマンスに関するデータを詳しく調べられる。

工数管理の実施にあたって、Microsoft Excelよりも多くの魅力があるので、専用ツールの活用をおすすめします。

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プロジェクト管理における工数管理の重要性

企業では、収支がはっきりしないシステム開発や製造などのプロジェクトでは、明確な損益が把握されていないケースが多くあります。

工数管理を行うと、見積もり予算に対して実際の工数が数値で分かるため、プロジェクト単位で正確な収支管理ができ、結果的に企業全体の正確なコスト状況を把握することができます。

また、工数管理は、プロジェクトの進捗を把握する有効な手段の一つです。計画時に立てた作業別の予定工数に対して、実際にはどの程度工数がかかっているかを把握することが可能です。

予定工数と実際の工数を比較し、予想と現実の差を把握できれば、作業の調整や遅れている場合の対策を取ることができます。

こうした理由から、工数管理はプロジェクトを効果的に管理する上で重要な役割を担います。

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工数管理ツールの選び方

自分に合った工数管理ツールを選ぶ上で意識すべきポイントは以下の3つです。

  • プロジェクト管理に生かせるか
  • 勤怠管理と連携できるか
  • 操作性が優れていて従業員が使用できそうか

それぞれのポイントを細かく紹介していきます。

プロジェクト管理に生かせるか

工数管理ツールの選択は、従業員の使いやすさはもちろん、プロジェクトマネージャーが効率的にプロジェクトを管理・分析できるかどうかが非常に重要です。選定する際には、以下の機能が備わっているかを確認しましょう。

  • レポート機能が使いやすく、データ分析に役立つか
  • 納期遅れなどの重要な通知をアラートする機能が充実しているか
  • 複数のプロジェクトを一覧で管理しやすいインターフェースが整っているか
  • 予算と実績の比較など、自社に必要な管理機能がバランス良く配置されているか

Microsoft Excelに比べると、工数管理ツールはリアルタイムでのデータ管理・分析に長けています。そのため、プロジェクトの課題を迅速に特定し、対策を打つことが可能です。

効率的にプロジェクトを進め、利益の向上に寄与する機能の備わったツールを選びましょう。

勤怠管理と連携できるか

「労働時間と工数の一致に時間がかかる」問題がある場合、勤怠管理と工数管理が連動するツールを選びましょう。

通常、労働時間と各工数の合計は一致すべきですが、勤怠と工数を別々に記録していると、正確な作業時間を反映するのが困難になり、労働時間と工数の間にズレが生じます。

勤怠管理と工数管理が一体となったツールを利用すれば、このような不整合を防げて正確な工数情報を得られるようになり、管理業務の効率化にもつながります。

操作性が優れていて従業員が使用できそうか

操作性が優れた工数管理ツールであれば、社内の定着度合いは上がるはずです。

工数管理ツールの入力画面は、製品ごとに異なります。Webサイトや資料だけで判断するのではなく、実際に製品のトライアルやデモを利用して操作感を体験しましょう。

工数管理ツールの操作性を確認する際は、以下のポイントを検討してください。

  • 直感的に操作できるかどうか、例えばスライダー入力があると便利
  • 実際に操作する従業員にとって使いやすいユーザーインターフェースであるか
  • スマートフォンやタブレットなど、PC以外のデバイスからも入力が可能か
  • カレンダーなど外部ツールとの連携が円滑で、工数入力を同じ画面で完結できるか

カレンダーと連携する工数管理ツールでも、別の画面に移動する必要があると不便です。入力が難しいと、毎日のこまめな記録が習慣になりにくく、結果として正確な工数情報が得られません。

そのため、ストレスなく簡単に入力できるかどうかの確認も非常に重要です。

プロジェクト管理全般をカバーする工数管理ツール

ここからは、プロジェクト管理全般をカバーする工数管理ツールを3つ厳選して紹介します。

  • Lychee Redmine
  • Asana
  • monday.com

各ツールの機能や特徴を中心に紹介します。

Lychee Redmine

Lychee Redmine

Lychee Redmineは、Redmineをベースとしたプロジェクト管理ツールです。工数管理に役立つ機能も豊富に備えており、導入企業は7,000社を超えています。

Redmineの基本機能に加え、コスト管理やEVM(出来高管理)などの追加機能や研修・定着化支援サービスも利用できます。

Lychee Redmineを用いた工数管理は、操作が簡単です。直感的な操作ができるインターフェースを採用しているので、難しい操作が必要ありません。

フリープランは基本機能(ワークフロー・通知設定・ファイル共有・Wiki)とカンバン機能に限定されていますが、有料プランはガントチャートをはじめ全ての機能が利用できます。

有料プランは30日間の無料トライアル期間を提供しています。クレジットカード登録も不要で、期間終了後に自動で有料化される心配もないため、試しに一度利用してみましょう。

 

プラン 月額料金 利用機能
フリー 無料
  1. 基本機能
  2. カンバン
スタンダード 900円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
プレミアム 1,400円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8.  CCPM
ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] 2,100円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8. CCPM
  9. プロジェクトレポート
  10. カスタムフィールド
  11. チケット関連図
  12. グループの階層化機能

Asana

引用:Asana

Asanaは、工数管理やプロジェクト管理だけでなく、すべての仕事を全社的な目標やビジネス戦略に結びつけられるツールです。タスクの洗い出しや、各タスクの担当者・期限の設定を容易に行うことができます。

また、各タスクの進捗状況の表示・管理もスムーズです。メンバーの業務量や作業負荷が一覧で表示でき、工数管理に役立つはずです。

monday.com

引用:monday.com

monday.comは、チーム作業に不可欠なタスク管理、プロジェクト管理、スケジュール管理、ファイル共有、チャットなどを一元管理できるクラウド型の業務管理ツールです。

工数管理機能を使用すると、各スタッフ・各タスクの工数を集計できます。グラフで表示できるので、タスクの比較分析が容易です。

プロジェクトの特性や自社の方法に合わせて活用すれば、プロジェクト管理で発生しがちな業務の漏れや納期の遅れ、業務量の偏りといった問題の解消が可能です。

単に工数を管理するだけでなく、より生産性を向上させたい場合におすすめです。

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勤怠管理との連携に強みの工数管理ツール

次に、勤怠管理との連携に強みがある工数管理ツールを3つ厳選して紹介します。

  • チームスピリットシリーズ
  • ジョブカン勤怠管理
  • クラウドERP ZAC

各ツールの機能や特徴を中心に紹介します。

チームスピリットシリーズ

引用:チームスピリットシリーズ

チームスピリットは、勤怠管理・工数管理・経費精算といったバックオフィス業務製品を、必要に応じて組み合わせて導入できるクラウドサービスです。

「チムスピ勤怠」は、固定労働制・変形労働制・みなし労働制など様々な働き方に対応できるようカスタマイズ可能な勤怠管理システムです。

出勤状況・有給日数・残業時間などの勤怠管理と「チムスピ工数」という工数管理機能を連携すれば、さらに効率的に工数削減を図れます。

工数管理機能は、スライダーを使用して一日の作業割合を簡単に入力し、自動で工数を計算します。プロジェクト原価管理機能をオプションで追加すれば、各プロジェクトの予算や単価を登録でき、リアルタイムで予実管理を行えます。

ジョブカン勤怠管理

引用:ジョブカン勤怠管理

自社に必要な機能を組み合わせて使えるシンプルな勤怠管理システムです。シリーズ累計20万社(2024年5月時点)の導入実績があるため、多くの企業で導入されている勤怠管理システムを選びたい企業におすすめです。

ジョブカン勤怠管理では、工数と勤務時間に差分があった場合、差分の時間をアラートで表示してくれます。工数登録の基本ルールを設定して入力を簡素化する、工数かんたん入力機能があるのも特徴です。

クラウドERP ZAC

引用:クラウドERP ZAC

クラウドERP ZACは、システム業・広告業・コンサルティング業などといったプロジェクト型ビジネスに特化した工数管理ツールです。必要な機能を組み合わせて、業種に合わせたソリューションを実現できます。

タイムリーな損益管理や利益予測など、プロジェクト業務が抱える様々な課題を解決できるシステムです。

工数管理に特化した工数管理ツール

続いて、工数管理に特化したツールを3つ厳選して紹介します。

  • CrowdLog
  • freee工数管理
  • Bitrix24

各ツールの機能や特徴を中心に紹介します。

CrowdLog

引用:CrowdLog

CrowdLogは、直感的で使いやすいインターフェースを持ちながら、ガントチャートやタスク管理などの基本的なプロジェクト管理機能を充実させた工数管理ツールです。

工数管理・勤怠管理・プロジェクト管理が一つのシステムに統合されています。チームメンバーとマネージャー双方にとって効率的で快適な作業環境を提供してくれます。

freee工数管理

引用:freee工数管理

freee会計を含むfreeeシリーズのうち、工数管理に特化したシステムがfreee工数管理です。シンプルな機能と使いやすさが特徴で、直感的な操作が可能なユーザーインターフェースで工数入力のストレスを軽減します。

特に、工数管理を初めて取り入れる場合や、他の複雑な機能を必要としない場合に適しています。

Bitrix24

引用:Bitrix24

欧米を中心に、約1,500万の組織で導入されている工数管理ツールです。クラウド型とインストール型の両方が揃っています。

豊富な機能が揃っているので、工数管理はもちろんプロジェクト管理・タスク管理・顧客管理など様々な場面で活躍してくれます。

また、Bitrix24では、時と場所を選ばない工数管理が可能です。WindowsとMac両方のPCで使用可能な上に、アプリ(Android・iOS対応)を用いたスマートフォンからの操作も行えます。

工数管理とプロジェクト管理をまとめて行うならLychee Redmine

おすすめの工数管理ツールを9つご紹介しました。機能や導入実績、特に力を入れている部分などを比較しながら、導入する工数管理ツールを検討してみてください。

なお、工数管理だけでなくプロジェクトの管理・分析も一元的に実施したい場合、プロジェクト管理全般をカバーしているツールの導入をおすすめします。

Lychee Redmineは、工数管理に役立つ機能を豊富に備えたプロジェクト管理ツールです。Redmineの基本機能に加え、コスト管理やEVM(出来高管理)などの追加機能や研修・定着化支援サービスも利用できます。

有料プランも30日間は無料で試すことができるので、一度操作性を体験してみてください。

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