プロジェクトが計画通りに進まず「また失敗か」と頭を抱えていませんか。期待通りの成果を上げられずに終わってしまうプロジェクトもありますが、プロジェクトの失敗は決して終わりではありません。

本記事では、 プロジェクト失敗の兆候や原因、 事例と対策、・再起のためのステップなどを解説します。成功率向上のポイントも併せてご覧ください。

プロジェクト失敗につながる危険な兆候チェックリスト

プロジェクトの進行中に、下記のような兆候があった際は注意が必要です。

  • コミュニケーション不足
  • 計画の曖昧さ
  • リソース不足
  • リスク管理の欠如
  • 要件の肥大化
  • 進捗遅延

失敗するプロジェクトには、事前に予兆・危険信号があります。プロジェクトの状況を常にモニタリングし、変化に柔軟に対応することが重要です。 

計画不足型 |ゴール設定の甘さが招く失敗

プロジェクトの失敗原因として、計画段階における不備は非常に多く見られます。特に、ゴール設定の甘さはプロジェクト全体の方向性を曖昧にし、結果として失敗を招く大きな要因です。

【事例】初期計画の曖昧さが長期化を招いたケース

新規顧客獲得のためのWebサイトリニューアルプロジェクトを立ち上げた際の例です。

プロジェクトが失敗した原因は、初期段階で「Webサイトを今よりもっと良くする」という抽象的な目標を設定したこと。具体的なターゲット顧客・獲得したい顧客数・コンバージョン率などの数値目標が設定されず、プロジェクトチームは手探り状態で作業を進めることになりました。

その結果、デザインの方向性やコンテンツの内容が二転三転し、関係部署からの要望も際限なく追加されていきました。プロジェクトは当初の予定よりも大幅に遅延し、予算も超過。最終的にWebサイトはリニューアルされたものの、新規顧客獲得にはほとんど貢献せず、プロジェクトは失敗に終わりました。

【対策】SMART原則に基づいた目標設定と定期的な進捗確認

計画不足による失敗を回避するためには、SMART原則に基づいた目標設定が不可欠です。SMART原則とは「Specific(具体性)・Measurable(測定可能性)・Achievable(達成可能性)・Relevant(関連性)・Time-bound(時間制約)」の5つの要素を満たす目標設定の手法です。

上記のWebサイトリニューアルプロジェクトの例でSMART原則を適用すると、以下のような目標設定が適切です。

  • Specific:20代女性をターゲットとした、オーガニックコスメの新規顧客獲得
  • Measurable:Webサイト経由での問い合わせ数を月間50件増加、コンバージョン率を3%に向上
  • Achievable:過去のデータや市場調査に基づき、現実的な数値目標を設定
  • Relevant:事業拡大というビジネス目標に直結
  • Time-bound:6カ月以内に目標を達成

さらに、目標設定後も定期的な進捗確認を行い、計画との乖離がないかを確認することが重要です。もし乖離が生じている場合は、速やかに原因を分析し、計画の修正や追加の対策を検討する必要があります。

このように、SMART原則に基づいた目標設定と定期的な進捗確認を行うことで、プロジェクトの方向性を明確にし、計画倒れを防ぐことができます。

コミュニケーション不全型|情報共有の遅延と認識のズレ

プロジェクトにおけるコミュニケーション不足は、情報伝達の遅延や誤解を生み、結果として手戻りの発生やプロジェクトの遅延につながる深刻な問題です。 働き方が多様化している現代において、コミュニケーションの重要性が高まっています。

【事例】チーム内での情報共有不足による手戻り発生

あるシステム開発プロジェクトにおいて、担当者が個別に作業を進めていたため、仕様変更の情報がチーム全体に共有されず、Aさんが変更前の古い仕様で開発を進めてしまいました。その結果、結合テストの段階で不具合が発覚し、Aさんは大幅な手戻りを余儀なくされました。

また、この手戻りによって、プロジェクト全体のスケジュールも遅延してしまいました。 情報共有の遅れは意思決定の遅延にもつながる可能性があります。

【対策】コミュニケーションルールの明確化とツール導入による情報共有の効率化

コミュニケーション不全を解消するためには、以下の対策が有効です。

対策 詳細
コミュニケーションルールの明確化
  • 情報共有のタイミング、方法、責任者を明確に定める。
  • 報連相(報告・連絡・相談)の徹底。
  • 定期的な進捗会議の実施。
情報共有ツールの導入
  • チャットツール・プロジェクト管理ツール・グループウェアなどを導入し、情報共有を効率化する。
  • ツールの利用方法に関する研修を実施し、メンバー全員が使いこなせるようにする。
情報共有の重要性の周知
  • 情報共有がプロジェクト成功に不可欠であることを、チーム全体で認識する。
  • 情報共有を積極的に行うメンバーを評価し、モチベーションを高める。

なお、情報共有ツールを導入する際は、運用ルールの整備と周知を要することを覚えておきましょう。運用ルールがなければ、不必要な情報まで共有されるリスクがあり、非効率的になる可能性があるためです。

ソース不足型|人員・スキル・予算の不足が引き起こす問題

プロジェクトにおけるソースとは、人員・スキル・予算といった、プロジェクトを成功に導くために必要な資源のことです。これらの資源が不足すると、プロジェクトは立ち行かなくなり、失敗へとつながる可能性が高まります。

【事例】スキル不足のメンバーに重要なタスクを割り当てたケース

あるシステム開発プロジェクトにおいて、経験の浅いプログラマーに、データベース設計という重要なタスクが割り当てられました。プロジェクトマネージャーは、そのプログラマーの成長を期待しての判断でしたが、結果的に設計の段階で多くの不備が発生し、その後の工程で手戻りが頻発。スケジュールは大幅に遅延し、最終的には納期に間に合わず、プロジェクトは失敗に終わりました。

【対策】スキルマップ作成による人員配置の最適化と外部リソースの活用

有効な対策は、プロジェクト開始前にチームメンバーのスキルを可視化する「スキルマップ」を作成すること。例えば個人のスキルを5段階で評価したスキルマップを活用できれば、各メンバーの得意分野や不足しているスキルを把握し、タスクの割り当てを最適化できます。

また、人的リソースが不足しているときは、一部業務の外部委託も有効な手段です。プロジェクトマネージャーは、状況把握に努めるとともに、柔軟に対処する姿勢を持つことが大切です。

リスク管理不足型|予期せぬ事態への対応遅延

プロジェクトにおけるリスク管理は、計画の遅延やコスト超過といった予期せぬ事態を最小限に抑えるために不可欠です。リスク管理が不十分な場合、プロジェクトは目標達成から大きく逸脱する可能性があります。

【事例】リスクアセスメントの甘さから発生した遅延

あるシステム開発プロジェクトにおいて、初期段階でのリスクアセスメントの不十分さに起因して、プロジェクト開始後に予期せぬ問題が頻発しました。具体的には、以下のような事態です。

  • 技術的な問題:新しい技術要素の導入にあたり、技術的な課題の洗い出しが不十分だったため、開発段階で想定以上の時間がかかり、スケジュールが大幅に遅延した。
  • 外部要因の変化:市場動向の変化を予測していなかったため、開発途中で要件の変更を余儀なくされ、追加の作業が発生した。
  • コミュニケーション不足:プロジェクトチーム内での情報共有が不足していたため、問題の早期発見が遅れ、対応が後手に回った。

これらの問題は、初期のリスクアセスメントで潜在的なリスクを十分に特定し、適切な対応策を講じていれば、ある程度回避できた可能性があります。

【対策】リスクアセスメントの徹底と緊急時対応計画の策定

リスク管理不足によるプロジェクトの失敗を防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

リスクアセスメントの徹底 プロジェクトの目標達成を阻害する可能性があるリスクを、技術的・経済的・人的・環境的側面から洗い出す。リスクマトリクスを活用してリスクを可視化する。
緊急時対応計画の策定 リスクアセスメントの結果に基づき、発生する可能性が高いリスクや、発生した場合に大きな影響を及ぼすリスクに対する対応計画を策定。対応策・責任者・連絡体制などは明確化して計画に盛り込む。
定期的なリスクの見直し 定期的な見直しにより、新たに発生する可能性があるリスクを洗い出し、必要に応じて緊急時対応計画を修正する。

 

スコープクリープ型|要件定義の曖昧さがプロジェクトを肥大化させる

スコープクリープとは、当初予定していたプロジェクトの範囲を超えて、機能やタスクが際限なく追加されてしまう現象です。これは、要件定義の曖昧さが根本的な原因で、プロジェクトの肥大化・予算超過・納期遅延といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。

【事例】当初予定になかった機能追加が頻発したケース

顧客管理システムの開発プロジェクトでのことです。当初の要件定義では、顧客情報の登録と管理・問い合わせ履歴の記録・メールマガジン配信機能などが盛り込まれていました。

しかし、開発が進むにつれて、営業部門やマーケティング部門から多くの要望が寄せられるようになりました。プロジェクトマネージャーは、これらの要望を安易に受け入れた結果、開発チームの負担は増大し、当初のスケジュールは大幅に遅延。最終的には、予算も大幅に超過してしまい、プロジェクトは失敗に終わりました。

【対策】要件定義の明確化と変更管理プロセスの確立

スコープクリープは、プロジェクトの成功を阻害する大きな要因の一つです。要件定義の明確化と変更管理プロセスの確立を通じて、スコープクリープを効果的に抑制し、プロジェクトを成功に導きましょう。明確なプロジェクトスコープを定義し、プロジェクト計画のための強固な基盤を作りましょう。

プロジェクト失敗を回避するための重要なポイント

プロジェクトを成功に導くためには、計画段階から実行、そして完了まで、様々な点に注意を払う必要があります。ここでは、プロジェクトの失敗を回避するために特に重要な3つのポイントについて解説します。

責任の所在を明確化|責任範囲と報告義務

プロジェクトにおける責任の所在を明確にすることは、円滑なプロジェクト進行の基礎です。誰が何に対して責任を持ち、誰に報告する義務があるのかを明確にすることで、タスクの遅延や品質の低下を防ぎ、問題発生時の対応を迅速化できます。

プロジェクト全体を管理するPM(プロジェクトマネージャー)や、プロジェクトを成功に導くために積極的に動くPL(プロジェクトリーダー)などを中心として、責任の範囲や報告の相手を決めましょう。

関係者との合意形成|ステークホルダーマネジメントの重要性

プロジェクトには、顧客・経営層・チームメンバーなど、様々な関係者(ステークホルダー)が存在します。プロジェクトを成功に導くには、ステークホルダー間で、プロジェクトの目標・スコープ・スケジュール・予算などについて合意形成を図ることが大切です。

要素 詳細
ステークホルダーの特定 プロジェクトに関わるすべての関係者を特定。関係者の影響力や関心度合いを分析し、優先順位をつける。
コミュニケーション計画の策定 各ステークホルダーに対して、どのような情報を・いつ・どのように伝達するかを計画。情報伝達の頻度や方法(会議・メール・報告書など)を具体的に決定する。
期待値の調整 各ステークホルダーの期待値を把握し、現実的な範囲に調整。プロジェクトの制約やリスク説明を行い、理解を得るように努める。

ステークホルダーマネジメントによって、関係者からの協力や支援を得やすくなり、プロジェクトの円滑な進行を促進できます。また、関係者との間で認識のずれが生じることを防ぎ、後々のトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

プロジェクト失敗から再起するための5ステップ

「失敗」をただの失敗にとどめず、再起のために活用する姿勢が重要です。本章では、プロジェクト失敗から再起するための5つのステップを解説します。

ステップ1:徹底的な原因分析

最初に行うべきは、徹底的な原因分析です。失敗した原因を、客観的な視点から深く掘り下げて分析します。感情的な要素を排除し、データや記録に基づいて、何が問題だったのかを明確にすることが重要です。

原因分析には、関係者へのヒアリングやプロジェクト関連の書類を活用するのが有効です。目標は明確かつ適切だったか・進捗管理はできていたか、などの視点から分析を進めましょう。

ステップ2:問題・課題の抽出

原因分析の結果を踏まえ、具体的な問題点と課題を抽出します。表面的な問題のみでなく、根本的な課題に焦点を当てることが重要です。

例えば、コミュニケーション不足が原因であれば「チーム内での情報共有の遅延」や「認識のずれ」といった具体的な問題点を洗い出します。問題を特定する際には、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識するのがポイント。より具体的に問題を把握でき、改善策を立てるための土台構築が容易です。

ステップ3:改善策の立案

抽出された問題点と課題に対して、具体的な改善策を立案します。単に過去の失敗を繰り返さないだけでなく、より効果的な対策を検討してください。

例えば、コミュニケーション不足という課題に対しては「コミュニケーションルールの明確化」や「情報共有ツールの導入」といった具体的な改善策です。改善策は、実現可能性や費用対効果も考慮し、優先順位をつけながら検討するのも重要です。

ステップ4:計画の見直し

立案した改善策を基に、プロジェクト計画を全面的に見直します。目標設定・スケジュール・リソース配分・リスク管理など、プロジェクトのあらゆる側面を再検討し、必要に応じて修正を加えます。

計画の見直しでは、現実的な目標設定と具体的なアクションプラン作成が重要です。スケジュールの策定が甘い場合は余裕を持たせたスケジュールに変更する、リソース不足の場合にはリソースを追加する方法を検討する、といったように策定します。

ステップ5:再チャレンジ

見直した計画に基づき、再チャレンジします。過去の失敗から得られた教訓を活かし、改善策を徹底的に実行することが重要です。

再チャレンジする際には、チーム全体のモチベーションを高く保つ・積極的な情報共有を実現できる体制の構築・問題が発生時の迅速な対応などの要素も大切です。再チャレンジの過程で、計画通りに進捗しているかどうかを定期的に確認し、粘り強く取り組みましょう。

プロジェクト成功率向上につながる4つのポイント

プロジェクトを成功に導くためには、計画や実行管理だけでなく、チームを構成する個々の能力を最大限に引き出すことが不可欠です。本章では、プロジェクト成功に不可欠な5つの重要なポイントについて解説します。

チームを鼓舞し、方向性を示す「リーダーシップ」

近年では、プロジェクトのリーダーシップとなる存在として、PMやPLなどが注目されています。

PMやPLがプロジェクトの中心的な存在となることで、リーダーシップを発揮しやすく、効率的かつ的確な進行が実現できるためです。特に、PMはプロジェクトマネジメントを適正化する役割として重要性が高く、利益の最大化にも期待できます。

プロジェクトを円滑に進めて成功に導くためにも、PMやPLを活用しましょう。

円滑な情報伝達と関係構築「コミュニケーション能力」

プロジェクトを円滑に進めるためには、チーム内外の関係者との効果的なコミュニケーションが不可欠です。情報共有ツールを活用した体制を構築し、スムーズなコミュニケーションを実現できるよう整えてください。

ただし、情報共有ツールに頼りすぎるのも良くありません。なぜなら、互いの考え方を知る・認識合わせなど、直接的なコミュニケーションが有効な場合があるためです。対面とデジタルを使い分け、効果的なコミュニケーションを心がけ、チーム全体の連携強化につなげましょう。

冷静な判断と迅速な対応「問題解決能力」

プロジェクトで発生した問題への迅速な対処には、リスクマネジメントと危機管理(クライシスマネジメント)が欠かせません。リスクマネジメントと危機管理の違いは下記の通りです。

リスクマネジメント 発生するリスクに対する予防的な対処
危機管理 すでに発生したことへの対処

プロジェクトにおいて問題が発生した際は、予防的な対処ができているかが大きな鍵です。適切なリスクマネジメントを大切にし、冷静な判断をもって問題解決に取り組んでください。問題解決能力の充実が、プロジェクトの不確実性を低減し、目標達成の可能性向上につながります。

効率的なスケジュール管理と進捗管理「時間管理能力」

プロジェクトを期限内に完了させるためには、効率的な時間管理と進捗管理が不可欠です。時間管理能力とは、タスクの優先順位をつけてスケジュールを作成し、進捗状況を把握する能力のこと。時間管理能力を高めるためには、以下の要素を大切にしましょう。

  • タスクの洗い出し
  • タスクの優先順位付け
  • スケジュールの作成
  • 進捗状況の把握
  • スケジュールの調整

時間管理を徹底することで、プロジェクトの遅延を防ぎ、期限内に目標を達成できます。

プロジェクト成功につながる5つの実践的フレームワーク

プロジェクトを成功に導くためには、計画・実行・管理の各段階で効果的なフレームワークを活用することが重要です。本章では、効果的な5つのフレームワークを解説します。

WBSでタスクを細分化

WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトをより小さく、管理しやすいタスクに分割するためのフレームワークです。プロジェクト全体の目標を達成するために必要な作業を階層的に分解し、各タスクの範囲・期間などの必要なリソースを明確にします。

WBSは、以下のステップで作成します。

  1. プロジェクトの目標を明確にする
  2. 主要な成果物を特定する
  3. 成果物を達成するために必要なタスクを洗い出す
  4. タスクを階層的に整理する
  5. 各タスクの担当者を割り当てる

WBSを作成する際はルールを意識し、WBSの各レベルにおけるタスクが、それぞれの親タスクにつながっているかを確認しましょう。また、8/80ルールを参考に、各タスクの作業時間が8時間(1日)以上80時間(2週間)以下になるように調整してください。

ガントチャートでスケジュールを可視化

ガントチャートは、プロジェクトのスケジュールを視覚的に表現するためのツールです。各タスクの開始日・終了日・期間・担当者などを一覧で表示し、プロジェクト全体の進捗状況を可視化します。

ガントチャートを活用することで、タスク間の依存関係を明確にし、クリティカルパスを特定できます。また、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握できるため、遅延が発生しているタスクの早期発見も可能です。

ガントチャートの作成には、プロジェクト管理ツールや表計算ソフトなどを利用するのが一般的。オンラインで利用できるガントチャート作成ツールも多数提供されており、チームメンバーとの情報共有体制の強化も容易です。

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KPTでふりかえり

KPT(Keep・Problem・Try)は、プロジェクトのふりかえりを行うためのフレームワークです。プロジェクトの各段階で、良かったこと(Keep)・問題点(Problem)・次に試したいこと(Try)を洗い出し、改善につなげます。

KPTの活用によりチーム全体の学習能力が高まり、継続的な改善を促進できます。また、問題点の早期発見と迅速な再発防止策の実施ができるため、プロジェクトの品質向上につながります。

KPTは、以下のステップで実施します。

  1. プロジェクトの期間または特定のイベントを区切り、ふりかえりの対象範囲を定める
  2. チームメンバーそれぞれが、良かったこと(Keep)・問題点(Problem)・次に試したいこと(Try)を付箋などに書き出す
  3. 全員で付箋の内容を共有し、議論する
  4. Tryとして挙げられた改善策の中から、次回の行動計画を立てる

アジャイル開発で柔軟な対応

アジャイル開発は、変化に柔軟に対応できる開発手法です。計画・設計・実装・テストといった開発プロセスを短いサイクルで繰り返し、顧客からのフィードバックを反映しながら、段階的にシステムを開発します。

アジャイル開発を活用することで、顧客のニーズに迅速に対応し、市場の変化に合わせた製品開発ができます。また、開発チームのコミュニケーションを密にし、創造性と自主性を引き出せます。

アジャイル開発には、スクラム・カンバン・XP(Extreme Programming)など、様々な手法があります。プロジェクトの特性やチームのスキルに合わせて、最適な手法を選択することが重要です。

コミュニケーション計画で情報共有を徹底

プロジェクトにおけるコミュニケーションは、チームメンバー間の連携を円滑にし、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。コミュニケーション計画は、誰が・いつ・どのような情報を・どのように共有するかを明確にするための計画です。

コミュニケーション計画を策定することで、情報伝達の遅延や誤解を防ぎ、チーム全体の認識統一を実現できます。また、ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にし、期待値をコントロールできます。

プロジェクト失敗からの学びは成功率上昇につながる

本記事では、プロジェクトが失敗する原因や事例、プロジェクト成功率を向上させるポイントなどを解説しました。特に大切なのは、プロジェクトの失敗をポジティブな観点から捉えて考えることで、新たなビジネスの可能性を見出せる可能性がある点です。

プロジェクト失敗から学んだことを活かし、次のプロジェクト成功につなげましょう。

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