複数のプロジェクト管理とは、一つの組織内で一人の担当者が複数のプロジェクトを兼任している状態のことです。組織内のリソースやプロジェクト管理ができる人材のスキルなどが影響し、一人の担当者が複数のプロジェクトを管理するのは珍しくありません。
しかし、複数のプロジェクトを管理する場合には多くの課題が挙げられ、円滑な進行が難しいものです。
そこで本記事では、複数のプロジェクト管理の課題を明確にし、成功させるためのコツなどについて詳しく解説します。複数プロジェクトを管理する際に役立つツールもご紹介するので、効率化やできるだけトラブルを減らしたい方はぜひ参考にしてみてください。
複数プロジェクト管理の4つの課題
複数のプロジェクトを管理する際の課題として、以下の4つが挙げられます。
- メンバーが兼任している場合に正確な工数の予測が難しい
- スケジュール管理が難しい
- マルチタスクになりミスが増えやすい
- トラブルが起きると他のプロジェクトにも影響する
混乱やトラブルを防止するためにも、まずはどのような課題があるのか確認していきましょう。
メンバーが兼任している場合に正確な工数の予測が難しい
複数のプロジェクトを兼任する場合、必然的に工数や予測が難しくなります。
特に、メンバーが複数のプロジェクトを兼任している場合、「どのタスクを割り当てるべきか」「いつ対象のタスクに取り掛かれそうか」など、正確な工数予測が困難です。加えて作業時間の見積もりにも注意する必要があり、設定を謝れば納期に遅れるなどの事態になりかねません。
このように人的リソースの分配を正確にできないと、プロジェクト全体の遅延や品質低下に影響してしまいます。
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スケジュール管理が難しい
複数のプロジェクトを横断する場合、タスクの多さゆえに情報を整理しきれなくなるのも課題です。
各プロジェクトの納期、マイルストーン、依存関係などを考慮しながらスケジュールを立てていても、予期せぬトラブルやリソースの変動などにより、スケジュールの調整を強いられることもあります。
また、優先度順にタスクを処理していると、どうしても優先度の低いタスクは疎かになり、漏れてしまう可能性もあります。
複数のプロジェクト管理において一つの調整やトラブルがある場合、その他のスケジュールに影響しないかなど、多くのことを気にしなければなりません。
マルチタスクになりミスが増えやすい
複数のプロジェクト管理は、複数の作業(タスク)を同時進行、または短時間で切り替えながら作業するマルチタスクになりがちです。
複数プロジェクト管理では、特に意識をせずに行っているケースが多いのではないでしょうか。進捗確認をしながら関係各所に連絡するなど、2つ以上の作業を行っているケースは少なくありません。
マルチタスクは生産性や集中力低下の原因になるので、シングルタスクになるような作業の優先度付けが理想です。加えて特定のプロジェクトの優先度だけでなく、プロジェクトを横断して優先順位を付ける必要も出てきます。
マルチタスクが苦手な人や効率化を図りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
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トラブルが起きると他のプロジェクトにも影響する
複数のプロジェクト管理は一つの作業でトラブルが起きると、その影響が他のプロジェクトにも波及する可能性があります。
先述のようにメンバーも複数プロジェクトを兼任している場合に、トラブルが起きるとその対応やサポートのためにリソースが必要になり、トラブルが起きなかったプロジェクトにも影響しかねません。
また、トラブル対応に追われると、新たな問題やタスクに対応する時間がなくなることもあります。
こうした予期せぬトラブルに対応するためにも、複数のプロジェクトを可視化して余裕のあるスケジュール管理をする必要があります。
複数プロジェクト管理をスムーズにするための流れ
複数のプロジェクト管理をスムーズに行うための流れは以下の通りです。
- プロジェクト単位で都度タスクを洗い出す
- タスクに優先順位を付ける
- 無理のないスケジュールを立てる
- 各プロジェクトの進捗確認をこまめに行う
何も考えずに複数のプロジェクト管理をしてしまうと、トラブルへの対応が遅れるだけでなく、空いた時間の有効活用などが難しくなり、円滑なプロジェクト管理が難しくなってしまいます。それぞれについて以下で詳しく紹介します。
プロジェクト単位で都度タスクを洗い出す
多くの場合、複数のプロジェクトが同時に開始されることはほとんどありません。基本的には五月雨式でプロジェクトが開始されます。
そのためプロジェクト単位で都度タスクを洗い出す必要があります。その上で、すでに進行しているプロジェクトが遅延しないようにタスク調整しましょう。
なお、同時に複数プロジェクトが開始するケースでは、すべてのタスクを洗い出し、できるだけ細分化して調整します。
タスクに優先順位を付ける
プロジェクト単位で都度タスクを洗い出したら、優先順位を明確に設定しましょう。重要なタスクを見逃さないようにするためには、以下4つのカテゴリーに分けて考えるのが一般的です。
- 緊急かつ重要:(例)納期が迫っている
- 緊急度は低いが重要度が高い:(例)突破的な会議への参加
- 緊急度は高いが重要度は低い:(例)マニュアルの改善
- 緊急度も重要度も低い:(例)毎日の作業報告
上記のように優先度付けをすることで、新しいタスクと古いタスクが混在していても、どのタスクから着手すれば良いのかを容易に把握できます。
現在進行しているプロジェクトのスケジュールを円滑に進めるためにも、タスクの優先順位を付けましょう。
無理のないスケジュールを立てる
スケジュールを組む際はタスクだけでなく、メンバーの稼働時間や休憩時間などを考慮します。タスクの合間に適度な隙間を作ることができれば、トラブルが発生したい際に柔軟な対応がしやすいです。
また、同じメンバーが複数プロジェクトを兼任する場合は、それぞれのプロジェクトが遅延しないタイミングで、そのメンバーの開始・終了をはめ込むようにスケジューリングします。パズルのようなイメージをしてみましょう。
各プロジェクトの進捗確認をこまめに行う
複数のプロジェクト管理をする際は、各プロジェクトの進捗確認をこまめに行いましょう。進捗状況を把握できるほかトラブルなどを早期発見でき、対処しやすくなるためです。
また、想定よりも早くタスクを終えられた場合は、空いた時間をどのように使うのかを検討できます。
スケジュール通りに進められているかどうかを毎週末など決まったタイミングでチェックすると、トラブルの早期発見から空いた時間をどこに使うかなどに役立ちます。
なお、スケジュールの落とし込みにはプロジェクトの進捗を可視化し、リソースの割り当てや期日の追跡などにも役立つガントチャートがおすすめです。
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複数のプロジェクト管理を成功させる3つのコツ
最後に複数プロジェクト管理を成功させる3つのコツを紹介します。
プロジェクトを運営するのにあたり重要なポイントに絞ってご紹介するので、ぜひ実際に取り入れてみてください。以下で3つのコツについて解説します。
ボトルネックを把握し対策する
複数のプロジェクト管理を成功させるには、ボトルネックを把握して対応することが重要です。ボトルネックは、プロジェクトの妨げとなる要素のことで、事前に予想できていなければ、問題が生じたときに落ち着いて対処できません。
解消されないまま放置すると、スケジュールの遅延やメンバーのモチベーション低下などにつながる可能性があります。
対策としてタスクの担当者を変更するほか、タスクの分割などを検討するなどして早めに対策しましょう。タスクの担当者変更が可能かどうかを判断できるよう、各メンバーのスキル、及びそのレベルを把握しておくと円滑に対処できます。スケジュールに余裕を持たせられるようにするのも対策の一つです。
密なコミュニケーションでトラブルを回避する
メンバーとの密なコミュニケーションは問題点や課題を早期に共有できる重要な機会です。複数プロジェクトを円滑に進めるためにも、密なコミュニケーションは欠かせません。
コミュニケーションの取り方として、Dailyで朝会か夕会を実施するのがおすすめです。その日に起きた遅延は、朝会または夕会で意識合わせをして、可能な範囲でリカバリーにも取り組んでもらうように働きかけていきます。
また、ケースとしては稀ですが、より綿密にスケジュール管理をしたい場合は、朝会と夕会の両方を実施するのも有効です。
このようにメンバーとのコミュニケーション機会を増やしつつ、報連相が行われる雰囲気作りも心がけましょう。
プロジェクト管理ツールを活用する
複数のプロジェクト管理には、情報の一元管理、進捗状況の可視化、コミュニケーションの円滑化などができるプロジェクト管理ツールの活用が欠かせません。
一つのプロジェクト管理であれば、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの管理でもあまり手間にはなりません。しかし、複数のプロジェクトを管理するとなると、データの集約や連携する手間、進捗情報の変更管理など、相応の手間がかかるものです。
プロジェクト管理ツールであれば、管理コストを減らすことにつながり、適切なリソース分配に役立ちます。
プロジェクトの進捗管理におすすめのツールやその種類については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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複数プロジェクト管理ツールなら「Lychee Redmine」がおすすめ
複数のプロジェクト管理は、混乱やトラブルといった様々なことに着目する必要があります。さらに自分だけでなく、メンバーが別のプロジェクトを兼任している場合には、細かな調整も必要です。
複数のプロジェクトの進捗を適切に管理するためには、常に最新の進捗状況を正確に把握しておく必要があります。そのためには、情報の一元管理ができるプロジェクト管理ツールの活用がおすすめです。
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