「進捗管理を見える化すると、どのようなメリットがあるか知りたい」
「見える化がうまく機能しておらず原因を知りたい」
このような課題をお持ちではないでしょうか。
進捗管理を見える化することは、プロジェクト進行をスムーズに行う手法の1つです。しかし、手法自体は知っているものの、現場でうまく効果が出ずお困りの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、進捗管理を見える化することで得られる効果や、実施してもうまく機能しない場合の原因について解説します。プロジェクト管理に課題を抱えている方には、ぜひ最後までご覧ください。
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進捗管理の見える化とは
進捗管理の見える化とは、個人単位の業務・作業の進捗を目に見える形で明らかにすることです。
進捗管理の見える化を行う方法には、ホワイトボードのようなアナログツールの使用や、Microsoft Excel・プロジェクト管理ツールなどデジタルツールの使用があります。
いずれにしても、進捗状況をひと目みて分かる状態にすることが見える化の基本です。
進捗管理の見える化によって得られるメリット
ここでは、進捗管理の見える化によって得られる7つのメリットについて解説します。
- プロジェクトの進捗状況が明確になる
- コミュニケーションコストを減らせる
- 問題の早期発見につながる
- 生産性の向上につながる
- 必要な情報をメンバー全員に共有できる
- メンバーの助け合いを促せる
- 集中してタスクに取り組める
上記のうち、先に紹介する4つはプロジェクトマネージャーが得られるメリット、後に紹介する3つはプロジェクトに関わる全員が得られるメリットです。それぞれのメリットについて順番に詳しく解説します。
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プロジェクトの進捗状況が明確になる
進捗管理の見える化によって、プロジェクト全体の進捗状況が明確になります。
進捗状況が明確であれば、タスクの遅れや開発メンバーの状況などの確認がしやすくなります。結果、確認の手間を削減でき、問題が発生した場合でも迅速に対応することが可能です。
また、当初の計画が変更となり、急遽タスクが追加されることもプロジェクトでは少なくありません。進捗状況をしっかりと把握できていれば、急なタスクが発生した場合でも、負担を少なくスケジュール調整ができるでしょう。
コミュニケーションコストを減らせる
進捗管理の見える化によって、コミュニケーションコストの削減も可能です。見える化によって、各メンバーが抱えている仕事量の把握が容易になり、仕事を依頼する場合でも一人ひとりに確認する必要がなくなります。
また、見える化によって全メンバーに進捗状況が共有されます。仮に進捗が遅いタスクのフォローをメンバーに依頼する場合でも、最初から最後まで説明せずとも状況を理解してくれるでしょう。
問題の早期発見につながる
進捗管理の見える化を行うと、プロジェクトマネージャーは各チームメンバーの進捗を正確に追跡し、迅速な意思決定を行えるようになります。作業が予定よりも遅れている場合は、スケジュールの再調整や追加の人員配置などの措置を講じて、トラブルの予防が可能です。
このように問題を早期に特定し、トラブルを避けたりリスクを軽減できる点も、進捗管理の見える化がもたらす大きなメリットです。
生産性の向上につながる
進捗管理の見える化によって、各タスクの期限や、タスク間の依存関係が把握しやすくなります。そのため、タスクの優先順位を考慮したプロジェクト進行が可能です。
タスクの優先順位がしっかりと把握できていれば、「今やるべきタスクの開始を後回しにしてしまう」「今必要のないタスクに取りかかってしまう」といった事態を防げます。その結果、無理や無駄のない効率的な進行が可能となり、プロジェクト全体の生産性向上につながるでしょう。
必要な情報をメンバー全員で共有できる
プロジェクト進行をスムーズに行うために、周囲との連携は不可欠です。なぜなら、プロジェクトはほとんどのケースにおいて複数の人と関わるからです。
進捗管理の見える化によって、全体の流れや担当以外のタスク状況など、プロジェクト全体の進捗状況を全メンバーが把握できるようになります。結果、プロジェクトマネージャーから情報を伝える際や、メンバー間において情報をやりとりする際の手間を削減できます。
また、メンバー全員がプロジェクトの方向性やスケジュールに対する共通認識を持ち、同じ方向を向いて業務に取り組める効果も期待できるでしょう。
メンバー間の助け合いを促せる
例えば、あるタスクに遅延が発生したとします。見える化ができていなければ、遅延を知っているのは担当者とプロジェクトマネージャーのみになります。
状況によっては、プロジェクトマネージャーの把握も行き届いていないかもしれません。結果として対応が後手となってしまい、最悪の場合はプロジェクト全体の納期遅延にもつながりかねません。
反対に見える化ができている場合、担当以外のメンバーでも遅延に気づけるようになり、他メンバーからの自発的なフォローを期待できます。このように、メンバー同士がフォローしやすい環境を構築できる点も、進捗管理の見える化を実施するメリットと言えるでしょう。
集中してタスクに取り組める
進捗管理の見える化によって、各タスクの開始日や完了日、タスク間の依存関係をメンバー全員に周知できます。
各担当者は「自身が進めているタスクがプロジェクトにどのような影響をおよぼすか」を明確にイメージでき、より高い集中力や責任感を持って業務に臨むことが可能になります。
進捗管理の見える化が機能していない原因
ここでは、進捗管理の見える化がうまく機能しない場合に考えられる原因を、次の4つを解説します。
- タスクの優先順位が明確になっていない
- メンバーに対して周知できていない
- 基準の共有ができていない
- 進捗状況の更新頻度が低い
詳しく見ていきましょう。
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タスクの優先順位が明確になっていない
タスクの優先順位が不明確な場合、進捗管理の見える化はうまく機能しません。プロジェクトを構成する各タスクには、「Aが終了しないとBは始められない」「CとDが両方完了することでEが始められる」といった依存関係を持つものがあります。
そのため、タスクの優先順位が不明確であったり、タスクごとの依存関係を無視した不正確な優先順位を設定していたりした場合には、進捗管理の見える化をしていても現場に混乱が生じます。
混乱を生じさせないためにも、スケジュールを作成する際は各タスクの期日や依存関係を整理して行いましょう。
メンバーに対して周知できていない
進捗管理の見える化ができていても、メンバーにその状況を周知できていなければプロジェクト進行に悪影響を及ぼします。
見える化された進捗状況を知っている人と知らない人では、業務の進め方やフォローの仕方に違いが生まれてしまい、その結果「Aさんは困っているときはいつも助けてもらっているのに、余裕があっても周りのフォローをしない」となり、メンバー間の軋轢を生む原因につながりかねません。
このような事態を防ぐためにも、見える化を実施する際はメンバーに漏れなく周知しましょう。
基準の共有ができていない
進捗報告の基準が共有されていない場合も、進捗管理の見える化がうまくいかない原因の1つです。
例えば、プロジェクトにおいて各タスクの完了基準が共有できていない場合、何をもって完了とするかがメンバー個人の判断となってしまいます。その結果、「完了と報告されているタスクが完了基準を満たしていない」といった事態が生じ、現場の混乱につながります。
このような事態を防ぐためには、タスクを設定するときに明確なステータスの判断基準を設け、漏れなく全員に伝えるようにしましょう。
進捗状況の更新頻度が低い
更新頻度が低いと情報が古くなり、見える化によるメリットや効果が生かせなくなります。できるだけ高い頻度、可能であれば毎日の更新が必要です。
更新頻度が低い主な原因の1つには、メンバーからの進捗報告が少なく、情報が集まらない点が挙げられます。進捗報告をする仕組みが複雑であれば、メンバーは報告を後回しにしてしまうでしょう。
後回しにされず、定期的に報告をもらうには、ツールなどを使って報告しやすい環境を整えることが重要です。
また、報告内容のテンプレート化もおすすめです。メンバーが報告内容を考える手間が削減され、プロジェクトマネージャーも欲しい情報を漏れなく得られます。
進捗管理を見える化するための具体的な手法
ここからは、進捗管理を見える化する具体的な手法として、以下の2つを紹介します。
- ガントチャート
- ボードやカンバン
それぞれの特徴を理解し、自社のプロジェクトに適した手法を取り入れましょう。
ガントチャート|進捗をチャート形式で表す
ガントチャートは、プロジェクトの生産管理や工程管理を行う際に用いられる表です。「計画表」「スケジュール表」「進行表」などとも呼ばれます。
ガントチャートは棒グラフ形式のチャートで、縦軸にはタスクや担当者を、横軸には日程や進捗率を記載します。タスクごとに棒グラフが伸びており、作業の進行具合や期間を示します。
ガントチャートを使用すると、プロジェクトに含まれる全タスクとその期限が明らかになり、進捗状況を一目で確認できるようになります。
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ボードやカンバン|タスクごとの進捗を可視化する
ボードやカンバンは、タスクの進捗管理に用いられる手法で、縦に分かれた列にタスクを配置し、進捗に応じてタスクを移動させて管理します。この方法では、プロジェクト全体の進捗状況を一目で確認でき、スケジュール管理が容易になります。
ボードやカンバンは「どのメンバーがどのタスクを担当しているか」を明確に示せるため、メンバー間の業務のばらつきやタスク重複の防止にも役立ちます。これらの手法は、もともと製造業の生産工程管理に使われていましたが、現在では多様な業種で利用されています。
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進捗管理の見える化に使える方法
ここでは、進捗管理の見える化を実施する具体的な方法について解説します。
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業務の進捗管理にはMicrosoft Excelが便利!
ホワイトボード
1つ目はホワイトボードと付箋を使う方法で、IT機材が必要なく誰でも実施できる点が特徴です。最初にホワイトボードを次の3つに分けます。
- ToDo:これからやるべきタスク
- Doing:現在進行中のタスク
- Done:完了したタスク
その後、付箋に担当者やタスク内容を記載し、それぞれの領域に貼り付けたら準備は完了です。
プロジェクト開始後は、進捗に合わせて付箋を貼り替えましょう。全てのタスクがDoneになればプロジェクトは完了です。
Microsoft Excel(エクセル)などの表計算ソフト
表計算ソフトでも、進捗管理を見える化することは可能です。表計算ソフトは「データの管理がしやすい」「別の場所にいても共有しやすい」といったメリットがあります。
特に、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートでは、プロジェクト管理に適したテンプレートも用意され、簡単な表であればすぐに作成可能です。また、表計算ソフトは操作した経験を持つ方も多いため、スムーズに導入しやすい点も魅力と言えるでしょう。
ただし、表計算ソフトはプロジェクトに特化していないので、そのためのカスタマイズや設定は自身で行わなければなりません。複雑なプロジェクト管理をするには、表計算ソフトに関する一定以上の知識やスキルが求められる点に注意が必要です。
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの運用・管理に特化したツールです。多くはクラウド上で利用でき、導入するだけで進捗管理の見える化につながることも少なくありません。
また、プロジェクトマネージャーが変更した内容や、メンバーが進捗を更新した内容もすぐに反映されます。これにより、プロジェクト関係者全員は常にリアルタイム状況の把握が可能です。
他にも、プロジェクト管理に関する主要な機能が備わっています。専門的なシステム構築に頼らず、誰でも不足なく利用できる点も魅力と言えるでしょう。
進捗管理の見える化を推進するコツ
プロジェクトにおいて進捗管理の見える化を推進するには、以下を実践しましょう。
- チームの教育とトレーニングを行う
- 目標やKPIに基づく評価を仕組み化する
それぞれ順番に詳しく紹介しますので、ぜひ自社のプロジェクトにお役立てください。
チームの教育とトレーニングを行う
進捗管理を見える化するために、チーム全体に適切な教育とトレーニングを実施しましょう。
その上で、適切な手法・ツールの選定が欠かせません。ガントチャートやカンバン、ツールにはMicrosoft Excelやプロジェクト管理ツールなど様々な選択肢の中から、チームのニーズに合った手法を選びましょう。
このとき、他の企業やプロジェクト成功事例をチーム内に共有すると、モチベーション向上が期待できます。進捗管理の見える化がどのようにプロジェクトを前進させたかを示せば、チームメンバーはその価値を理解して取り組んでくれるはずです。
目標やKPIに基づく評価を仕組み化する
プロジェクトやメンバー個々の目標設定は、進捗管理の見える化を実施する基礎となります。具体的で測定可能な目標を設定しておくと、進捗の見える化が進みやすくなるでしょう。
目標達成度を測定するための具体的な指標がKPIです。例えば、プロジェクトの完了期限・タスクの完了数・品質指標などがKPIとして設定されます。KPIに基づいて進捗を測定すれば、プロジェクトの現状を正確に把握でき、状況に応じて柔軟に軌道修正を行えます。
また、目標とKPIに基づく評価システムを仕組み化して、チーム全体のモチベーションを高めることも重要です。
例えば、週次・月次でレビューミーティングを設け、KPIを基に評価を行いましょう。チーム全体で進捗状況を把握でき、パフォーマンスの良し悪しについて理解できます。達成度が報酬としても還元されれば、意欲の向上やメンバー間の協力促進につながるでしょう。
進捗管理の見える化に役立つ管理ツールLychee Redmine
ここでは、進捗管理の見える化におすすめのプロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」を解説します。Lychee Redmineは7,000社以上の導入実績を持つプロジェクト管理ツールです。
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ガントチャートをはじめカンバンなど、進捗管理に役立つ機能が多く備わっている点が特徴です。
その中でもガントチャートを活用すれば、タスク同士の依存関係やマイルストーンを見ながら計画に対する進捗を確認できます。イナズマ線やクリティカルパスなどを使って遅延を特定でき、すぐにキャッチアップが可能です。
進捗管理の見える化に役立つポイントとしては以下の内容も挙げられます。
- クラウドで利用でき、導入するだけで進捗管理の見える化につながる
- プロジェクト管理に必要な機能が備わっているため、全員が情報を確認できる環境が作れる
- 全てのメンバーがリアルタイムの進捗を確認できる
- 機能間でデータ連携がされており、ある機能での変更が他の機能にも反映される
以上のことから、管理が複雑になる中規模以上のプロジェクトに対して特に役立つツールと言えるでしょう。
フリープランは基本機能(ワークフロー・通知設定・ファイル共有・Wiki)とカンバン機能の限定された機能しか利用できませんが、有料プランはガントチャートをはじめすべての機能が利用できます。
有料プランは30日間の無料トライアル期間を提供しています。無料期間終了後も自動課金されることもないためリスクなく始められ、その価値を実感できるはずです。
プラン | 月額料金 | 利用機能 |
フリー | 無料 |
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スタンダード | 900円 |
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プレミアム | 1,400円 |
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ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] | 2,100円 |
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進捗管理を見える化し、スムーズなプロジェクト進行を目指そう
進捗管理の見える化によって、次のようなメリットが得られます。
- プロジェクトの進捗状況が明確になる
- コミュニケーションコストを減らせる
- 問題の早期発見につながる
- 生産性の向上につながる
- 必要な情報をメンバー全員に共有できる
- メンバーの助け合いを促せる
- 集中してタスクに取り組める
しかし、上記に挙げたメリットを継続的に得るためには、適切な運用が重要です。記事内では進捗管理がうまく機能しない原因についても解説したので、見える化の運用に課題を感じている方は、記事を参考に原因の特定・改善を試してみましょう。
また、中規模以上の複雑なプロジェクトを管理する際には、進捗を見える化しやすいプロジェクト管理ツールLychee Redmineの導入がおすすめです。
現在、有料プランでも30日間は無料で利用できるので、スムーズなプロジェクト進行に課題を感じている方は、ぜひ一度お試しください。