受け入れテスト工程で発生する顧客との認識齟齬の発覚や、顧客要望の取り込み等で、想定よりも大幅に工数増が発生する事態は多くの現場で発生しているものではないでしょうか。

DX化が進む近年、ソフトウェア開発のスピード感と顧客要望に対する柔軟性がますます重要になっています。

今回は、迅速で変化に強い「アジャイル開発」について、

・アジャイル開発の概要
・アジャイル開発の導入時のポイント
・アジャイル開発のおすすめツール5選

を紹介します。

この記事を読み、迅速で変化に強いアジャイル開発を現場に導入しましょう。

アジャイル開発とは?を解説

まずはアジャイル開発とは何なのか、導入することによりどういうメリット・デメリットが生まれるのかを解説します。

アジャイル開発の概要

はじめに必要な機能をリストアップして、各機能ごとに「要件定義」「設計」「開発」「テスト」を行って、実際に動くものを作り上げていく手法をアジャイル開発といいます。

アジャイル開発のアジャイル(agile)は「迅速な」「俊敏な」という意味であり、従来よりも顧客の要望に沿った形で迅速なソフトウェア開発が可能となるアジャイル開発を取り入れる現場が年々増加しています。

アジャイル開発のメリット

アジャイル開発には下記のようなメリットがあります。

・本当に必要なドキュメントをもとに迅速に開発に着手
・仕様変更が発生しても各機能内で完結するため手戻りの影響が軽微
・開発した機能から順次サービス提供が可能

最終形が不透明なものを作成する場合には、従来よりも短納期での開発が可能になると共に、仕様変更にも柔軟な対応が可能です。

各機能ごとに顧客レビューを行い、順次サービス提供を行うことで、顧客満足度の向上を図れるという大きなメリットもあります。

アジャイル開発を導入するポイント3つ

ここでは実際にアジャイル開発を現場導入する際に重要な3つのポイントを解説します。

ポイント①開発の目的を明確化する

アジャイル開発を行う際には、まず開発する機能の目的を明確化しましょう。

アジャイル開発は、迅速に開発に着手できることがメリットです。
しかし、目的がブレれば誤った形で開発される可能性が出てくるため、コストが余計にかかるような状況にもなりかねません。

ですので、あらかじめ開発する機能に期待する内容を、その機能の目的としてしっかり明確にしましょう。

ポイント②開発スケジュール・進捗を見える化する

アジャイル開発を行う際には開発スケジュール・進捗を見える化することを意識しましょう。

全体の状況がわからなければ、納期遅れやコミュニケーションを阻害する要因となりかねません。

開発スケジュール・進捗を見える化する方法はいくつかありますが、最も簡単で効率的なのがツールを導入することです。
ツールの中にはカンバンやバックログ、バーンダウンチャートのような進捗や優先度を可視化できる機能があります。

アジャイル開発に適したツールを導入することで、効果的なアジャイル開発を実施することができるようになります。

ポイント③コミュニケーションを活性化する

アジャイル開発では、開発チームメンバー間で十分なコミュニケーションがとれる環境を整えましょう。

迅速かつ柔軟な開発に重点を置くアジャイル開発では、チームメンバー間のコミュニケーションがとても重要です。

コミュニケーションが不足すれば、認識の齟齬や作業の抜け漏れが発生しやすくなります。

近年ではコラボレーションを促進するコミュニケーションツールが複数あり、社内やプロジェクトに沿って適切なコミュニケーションツールを導入することができます。

アジャイル開発ツールのおすすめ5選

ここからはアジャイル開発を導入する上でおすすめのツールを5つ紹介します。

①Lychee Redmine

Lychee RedmineはオープンソースであるRedmineをベースにしたプロジェクト管理ツールです。

Lychee Redmineにはカンバンやバックログ、バーンダウンチャート、ガントチャート等の機能があり、柔軟なカスタマイズ性にも富んでいるためアジャイル開発に適しています。

30日間の無料お試し利用期間を設定されているのでアジャイル開発を行う際にまず試してみるツールとしておすすめです。

プラン 月額料金 利用機能
フリー 無料
  1. 基本機能
  2. カンバン
スタンダード 900円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
プレミアム[★一番人気] 1,400円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8.  CCPM
ビジネス 2,100円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8. CCPM
  9. プロジェクトレポート
  10. カスタムフィールド
  11. チケット関連図
  12. グループの階層化機能

②Trello

引用:Trello

Trelloはシンプルで見やすさを重視した少人数のプロジェクトに適したタスク管理ツールです。

プロジェクトごとにボードを作成し、各タスクをカンバンで管理することで視覚的に見やすくなっています。
テンプレートも充実しており、直感的・感覚的な操作が可能です。

プラン 料金(月額) ボード数 機能 容量
フリー 0円 10 自動コマンドの実行 50 回/月
無制限のアクティビティ ログ
担当者と期限
iOS および Android モバイル アプリ
2 要素認証
10MB/1ファイル
ビジネスクラス 約1,373円($12.50) 無制限 フリー+
高度なカスタマイズ機能
250MB/1ファイル
エンタープライズ 要問合せ 無制限 全ての機能 250MB/1ファイル

③JIRA

引用:JIRA

JIRAはカスタマイズ性に優れ、アジャイル開発にも特化したタスク管理ツールです。

カンバンでタスク管理を行いやすく、独自に設定できる項目も多いため、プロジェクトにあわせてカスタマイズ可能、かつスクラムにおけるスプリントごとに計画・管理がしやすい機能設計がされているためアジャイル開発に強いタスク管理ツールと言えます。

プラン 料金(月額) ユーザー数 機能 容量
フリー 0円 10 スクラムおよびカンバンボード
バックログ
アジャイルレポート
カスタマイズ可能なワークフロー
アプリと統合
2GB
スタンダード 8,400円 10,000 フリー+
高度な管理権限
250GB
プレミアム 16,700円 10,000 スタンダード+
高度なロードマップ
高度な管理権限
無制限
エンタープライズ 要問合せ 10,000 全ての機能 無制限

 

④GitHub

引用:GitHub

GitHubは、Gitというコードのバージョン管理システムを使用したソフトウェア開発のプラットフォームです。

ナレッジの保存・共有ツールというイメージが強いですが、カンバンとして使えるProjectという機能等もありプロジェクト管理にも活用できます。

プラン 料金(月額) 機能 容量
Free 0円 無制限のパブリック/プライベートリポジトリ
無制限のコラボレータ
コミュニティボードによるサポート
500MB(パブリックリポジトリ除く)
Team 約439円($4) Free+
必須レビューワー
コードオーナー
2GB(パブリックリポジトリ除く)
Enterprise 約2,306円($21) Team+
SAMLによるSSO
高度な監査機能
50GB(パブリックリポジトリ除く)
GitHub One 要問合せ Enterprise+
コミュニティに支えられたセキュリティ機能
生産性をあげるメトリックス
24/7対応のサポート
トレーニング
要問合せ

 

⑤Microsoft Excel

引用:Microsoft Excel

Microsoft Excelはガントチャート等を作成してプロジェクト管理にも活用できる表計算ソフトウェアです。

多くの組織でMicrosoft Office製品が導入されているため最も馴染み深く、ナレッジを入手しやすいことがメリットです。

アジャイル開発でスピード感のある開発を

今回は以下の内容を紹介しました。

・アジャイル開発の概要
・アジャイル開発の導入時のポイント
・アジャイル開発のおすすめツール5選

アジャイル開発は従来のウォーターフォール開発に比べ、迅速かつ仕様変更に強い開発が可能になります。

そして、アジャイル開発を進めるにあたっては、アジャイル開発に適したツールを導入することが有効です。

今回紹介したツールは、アジャイル開発におけるプロジェクト・タスク管理に活用でき、フリープランも充実しているため導入がしやすいです。

・Lychee Redmine
・Trello
・JIRA
・Github
・Excel

この記事を参考に、ぜひ現場にアジャイル開発を導入してみてください。

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