「業務工程の最適化に向けてワークフローを使って整理したい」
「ワークフローの作成方法が分からないので理解したい」

業務工程を最適化したい場合、ワークフローの作成がおすすめです。ワークフローを作成すれば、業務工程の可視化・業務内の承認工程の明確化が実現し、業務工程の最適化につながります。

本記事では、ワークフローを作成する方法・手順を分かりやすく解説します。ワークフローの作成メリットや手段、ワークフローを整理するコツも解説していますので、自社における業務工程の最適化にお役立てください。

ワークフローとは

ワークフローとは、仕事で発生する一連の業務の流れのことです。例えば、決済書類などの 「作成 → 申請 → 承認 → 決済」 という流れをワークフローと呼びます。

企業内で行われる業務には、複数のワークフローが存在します。一つひとつのワークフローには、「誰がどのように始めて、どの部署の誰が判断・処理をして、そのタスクを完了するのか」といった流れがあります。

部門ごとに頻出するワークフロー例は、以下の通りです。

  • 経理:経費精算、給与計算
  • 人事:入退社手続き、社会保険や労働保険の申請手続き、人事異動
  • 企画:企画案の提出と承認

ワークフローを作成するメリット

一連の業務をワークフローとして確立すれば、業務工程が可視化され、一つひとつのタスクを整理できます。また、業務内の承認工程も明確化でき、業務工程の最適化につながるのも利点です。

さらに、業務の引き継ぎや共有がしやすくなり、結果として業務効率化や組織全体の生産性向上も期待できます。

ワークフローを作成する手段

ワークフローを作成するツールとして代表的なのが、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートです。

これらは表計算ソフトという性質上、多様な図形を利用できます。矢印やテキストボックスを組み合わせて、容易にワークフローを作成できるのが大きな特徴です。

図形をパズル感覚で組み合わせ、テキストボックスで自在に文字を入力できるので、特別なスキルや専門的な知識がなくても直感的に作成できます。また、各シートには罫線が引いてあるので、ワークフローをきれいに作成しやすいメリットもあります。

Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートを活用すれば、ワークフロー作成のために特別なアプリケーションやシステムを導入する必要がありません。導入コストがかからないので、定番のツールとなっています。

その他、最近では専用のワークフローツール・システムを活用する企業も増えています。

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ワークフローの作成方法・手順

既存の業務にワークフローを適用したい場合、まずは以下の手順でワークフローを作成するのが一般的です。

  1. 対象業務を決める
  2. タスクを細分化・整理する
  3. 各タスクで用いる書類を整理する
  4. 時系列で業務の流れを整理し図式化する

それぞれのステップですべき内容を順番に解説します。

1. 対象業務を決める

まずは、ワークフローを作成する対象となる業務を選定します。例としては、経費精算、休暇申請、住所変更申請などが挙げられます。

これらの業務では、申請先や承認者、決裁者が異なるのが一般的です。なので、業務ごとに個別にワークフローを作成する必要があります。

2. タスクを細分化・整理する

ワークフローの対象業務が定まった後は、その業務に関連する各タスクを細分化・整理します。タスクを明確にするために、担当者も特定しておくと役立ちます。

経費精算のワークフローを作成する場合を例に挙げると、金額・経費の種類によって承認・決裁が必要な人物が変わる場合があります。具体的には、「10万円以上の経費では課長の決裁が必要」「交際費の精算は部長の承認が必要」などのルールがあるケースが多いです。

上記の点に注意しながら、関係者や条件を細かくリストアップし、タスクが漏れなく抽出されているか確認しましょう。

3. 各タスクで用いる書類を整理する

タスクと関係者が定まったら、次に必要な書類を整理しましょう。

タスクを実施する際に参照する書類(インプット)と、そのタスクで作成や更新される書類(アウトプット)を整理します。もし、使用する書類のフォーマットが決まっておらず、人によってまちまち体裁が異なるような場合は、新しく作成して統一した方が良いでしょう。

書類を整理するときは、書類名、その書類の用途、誰がその書類を使うかを明確にします。これにより、必要な書類を漏れなく正確に整理できます。

また、契約書のような重要な文書が関係する場合は、法的な問題がないかリーガルチェックを行うのが一般的です。このように、作成や更新される書類が次にどのように使用されるかを把握して、前段で洗い出したタスクに漏れが無かったかを再チェックしましょう。

4. 時系列で業務の流れを整理し図式化する

細分化したタスクを担当者に割り当て、それらを時系列に沿って配置しましょう。例えば、経費精算の場合は、通常「社員の申請 → 上長の承認 → 経理部門の承認」といった手順を踏みます。

ただし、経費の金額や科目によっては、承認者が追加される可能性があります。この点を考慮し、タスクをパターン分けした上で時系列に沿って配置してみましょう。

タスクを時系列に沿って配置したら、誤りがないか慎重に確認してください。確認後はワークフローを図式化します。

はじめから完璧に作成することに固執し過ぎずに、力を抜いて書き始めるところから始めましょう。

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作成したワークフローを整理するコツ

前章で紹介した方法を実践すれば、既存業務に関するワークフローを作成できます。ただし、業務工程の最適化を図っていくには、作成したワークフローの整理・改善も大切です。

本章では、業務プロセス最適化に向けて、現在あるワークフローを整理・改善するコツとして、以下の4つを紹介します。

  • 現状のワークフローに効率化できる余地がないか探す
  • ひと目見てすぐに分かる図を作成する
  • 適度に色分けする
  • ワークフローツール・システムを導入する

それぞれのコツを順番に詳しく解説します。

現状のワークフローに効率化できる余地がないか探す

申請・承認が紙ベースで行われている場合、ペーパーレス化への移行を検討しましょう。取引先の都合で請求書・契約書のデジタル化が難しい状況では、申請書のフォーマットをシンプルにし、一部の効率化を図れないか考えると良いです。

また、ワークフロー改善のためには、既存のワークフローにある無駄の発見・除去も大切です。例えば、時間を浪費している作業や重複しているタスク、不要な会議・メールのやり取りなど、非効率的な要素を洗い出します。

これらの無駄を削減できれば、作業の流れがスムーズになり、時間・リソースの節約につながるでしょう。

ほかにも、社内のプロセスを見直す例としては、不必要な承認者の削減によって承認プロセスを簡略化するのも効果的です。

ひと目見てすぐに分かる図を作成する

ワークフローを作成する目的は、関係者が対象のプロセスを理解して、その通りに統一的に、かつ迷うことなく効率的に運用することです。なので、異なる部門の社員や新入社員でも業務の流れを簡単に把握できる形で整理しましょう。

ワークフローでは冗長な説明を避け、視覚的な分かりやすさを心掛けてください。タスクを表す際は、「押印する」「コメントを追加する」など具体的かつ簡潔な表現を使うと、誰もが直感的に理解しやすい図が完成します。

また、視覚的に分かりやすくするには、文字の説明に加えて図形や記号を活用すると効果的です。例として、書類のアイコンを使用して書類添付が必要な工程を示したり、メール通知が必要な場合はメールアイコンを挿入したりといった方法があります。

工程間のつながりを示す際は、矢印を使用します。この際、人の視線が自然に左から右へと移動するのを考慮して左から右への方向で統一し、流れを追いやすくしましょう。

適度に色分けする

ワークフローの整理・改善では、色の使用にも気を配りましょう。ただし、不必要に多くの色を使うと、かえって分かりにくくなる可能性があります。

ワークフローの目的の一つに、業務の流れを可視化し、社内ルールを明確にすることも挙げられます。重要な箇所に限り赤や黄色を使って強調し、登場人物ごとに色分けする程度に留めておくことで、ワークフローを分かりやすくできます。

ワークフローツール・システムを導入する

ワークフローツール・システムを活用すると、申請書の作成から提出までのプロセスをオンラインで完結させられます。これにより、管理者も承認手続きを迅速に行えます。

ワークフローツール・システムは、過去のデータ検索、条件設定、通知機能など多岐にわたる機能を提供しており、業務効率の大幅な向上が可能です。

ツール選びの際は、既存の申請書フォーマットをそのまま使用できるシステムを選びましょう。これにより、申請者の手間を省きつつ、業務の効率化が図れます。

また、承認ルートの変更・追加が容易にできるかどうかも、導入の際に考慮すべきポイントです。

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ワークフロー作成に役立つツールおすすめ4選

ここからは、ワークフロー作成に役立つツールを4つ厳選してご紹介します。

  • Lychee Redmine
  • rakumo ワークフロー
  • Asana
  • コラボフロー

各ツールの機能や特徴を中心に紹介します。それぞれ把握してご自身・自社の業務工程の最適化にお役立てください。

Lychee Redmine

Lychee Redmine

Lychee Redmineは、プロジェクト管理におけるワークフロー導入におすすめのシステムです。タスクや課題のチケット情報に対する進行管理が容易になり、作業の進捗状況を可視化できます。

先行チケットの完了通知機能を活用すれば、ワークフローの面でスムーズに後続担当者へとタスクの受け渡しが可能です。

また、カンバン機能やガントチャート機能などプロジェクト管理に必要な機能が充実しています。その上に操作もしやすく、システム操作が苦手な方がいても問題なく導入可能です。

フリープランは基本機能(ワークフロー・通知設定・ファイル共有・Wiki)とカンバン機能の限定された機能しか利用できませんが、有料プランはガントチャートをはじめすべての機能が利用できます。

プラン 月額料金 利用機能
フリー 無料
  1. 基本機能
  2. カンバン
スタンダード 900円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
プレミアム 1,400円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8.  CCPM
ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] 2,100円
  1. 基本機能
  2. ガントチャート
  3. カンバン
  4. ダッシュボード
  5. 工数リソース管理
  6. EVM
  7. コスト管理
  8. CCPM
  9. プロジェクトレポート
  10. カスタムフィールド
  11. チケット関連図
  12. グループの階層化機能

いまなら全機能を試せるプレミアムプランを30日間無料で使える無料トライアルが実施されています。クレジットカード登録も不要で、期間終了後に自動で有料化される心配もございませんので、ぜひお試しで利用してみてください。

rakumo ワークフロー

引用:rakumo ワークフロー

rakumo ワークフローは、 rakumo株式会社が提供している、クラウド型ワークフローシステムです。マニュアル不要で直感的に利用でき、社内の業務プロセスの可視化やペーパーレス化を支援してくれます。

企業規模や業種を問わず導入されています。申請書は用途に応じたテンプレートをもとに、ノーコードで簡単に作成できます。

各申請書の承認状況は一覧画面で確認でき、コメント機能でのコミュニケーションも可能なので申請が滞る心配もありません。タブレットやスマートフォンにも対応しているので、外出先・出張先での申請や承認が可能です。

電子契約サービス「クラウドサイン」と連携しているので、契約書のためのハンコ出社ゼロも実現できます。

Asana

引用:Asana

Asanaは、タスクやプロジェクトを一元管理するための企業向け仕事管理ツールです。現在、190の国々で10 万を超える人がAsana の有料プランを利用してワークフローを実行しています。

独自機能の「ワークフロービルダー」は、視覚的なツールで効率の良いワークフローを作成できる点が強みです。1か所でチームを連携させて仕事を整理し、プロジェクトのスムーズな進行につながります。

コラボフロー

引用:コラボフロー

コラボフローは、愛知県名古屋市に本社を構えるコラボスタイルが運営するワークフローシステムです。直感的な操作性が特徴で、誰でも気軽に利用できるワークフローシステムとして人気を集めています。

数あるワークフローシステムの中でも、コラボフローはサイボウズ製品との連携に強いのが特徴です。kintoneやサイボウズOffice、ガルーンとのシームレス連携により、さらにワークフローを強化できます。

Lychee Redmineで業務プロセス最適化につながるワークフローを作成しよう

ワークフローは、仕事で発生する一連の業務の流れです。ワークフロー作成により、業務工程の可視化・業務内の承認工程の明確化が実現し、業務工程の最適化につながります。

ただし、紙を用いた運用の場合、申請内容ごとに書類が異なることによるミスや保管場所の確保などの問題も発生します。その点、一連の流れを自動化・電子化できるワークフローシステムを導入すれば、紙運用による問題の多くを解消可能です。

紙運用によるワークフローによって課題を抱えている方は、ワークフローシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Lychee Redmineは、業務プロセス最適化につながる機能を豊富に備えたツールです。ワークフロー機能に加えて、カンバン機能やガントチャート機能なども備えており、業務工程の最適化だけでなく、プロジェクトの効率的な管理も実現します。

有料プランも30日間は無料でお試しできるので、ぜひ申し込みをご検討ください。

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