ワークフローとは、経費精算や報告書の作成などの一連の作業や手続きの流れを図示したもので、実施により業務効率化や抜け漏れ防止などの効果を得られます。
しかし、運用方法によっては、メリットを十分得られない可能性もあります。
この記事では、ワークフローについて知りたい方や、現在のワークフローに課題を感じている方に向け、概要や効果的な改善方法について詳しく解説します。
ワークフローとは
ワークフローとは、経費精算や報告書の作成など、ある業務や活動における一連の作業や手続きの流れを図示したものです。
組織内でよく行われる業務をワークフローにすることで、業務の効率化や抜け漏れ防止、コスト削減などの効果を得られます。
多くの人が関わる業務や大きな金額を扱う業務の場合、条件によって承認者や部署が変わるなど業務内容は複雑化します。
このような複雑な業務を、関係者全員が漏れなく効率的に実施するためにワークフローは不可欠です。
紙によるワークフローが抱える問題点
現在の企業においては、経費申請や報告書の提出において紙の書類提出を必要とするワークフローは少なくありません。
しかし、紙による運用は、次のような問題点を抱えています。
- 申請ごとに使用書類が異なることによるミス
- 保管場所の確保
- 承認者によっては社内便や郵送などの手間が発生する
- 書類を書く時間がかかる
上記の問題点は、一つひとつであればそこまでの問題ではありませんが、これらの問題点が積み重なると、業務の合理化や効率化が阻害され、結果として企業の生産性低下につながる可能性があります。
ワークフローの改善にはワークフローシステム導入が効果的
紙による運用の問題点を改善し、業務プロセスを効率化するためにはワークフローシステムの導入が効果的です。
ワークフローシステムは、業務における一連の流れを自動化・電子化するためのシステムを指し、導入により組織内における経費や稟議などの申請業務を無駄なく効率的に運用できるようになります。
特に、ビジネスにスピード感が求められるうえに、テレワークやフレックスタイムなどさまざまな働き方がある現代においては、システムの導入は大きな効果を発揮するでしょう。
ワークフローシステム導入によるメリット
ここでは、ワークフローシステム導入により得られる具体的なメリットを解説します。
1.業務効率を改善できる
紙による運用の場合、書類の作成や過去書類を探す手間がありますが、ワークフローシステムを導入することで、それらの手間を削減できます。
システム上で作業を進めることで、申請から承認までのフローをスムーズに進めることができます。
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2.ペーパーレスによりコストが削減できる
システムを導入することで、業務のペーパーレス化が可能です。
そのため、紙や人件費などのコストが削減できます。
また、紙による運用では、書類の保管場所が必要になりますが、そのようなコストも削減できます。
3.プロセスの可視化
システムを導入することで、業務プロセスの流れや現在の担当者をすぐに確認可能です。
これにより、業務の進捗状況を常に把握し、業務の停滞を防ぐことができます。
また、進行中の業務について、どのステップで誰が担当しているかが明確になるため、チーム内でのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。
4.内部統制を強化できる
システムの導入により、社内のワークフローが見える化されます。
これにより、申請先の間違いや承認者のスキップなどの防止が可能となり、内部統制の強化につながります。
また、システムには、履歴の保存機能を備えているものも少なくありません。
そのため、誰がどのような承認をおこなったのか、履歴から確認可能なため、不正防止にも役立ちます。
5.決裁期間を短縮できる
システムを導入することで、承認先が遠くても郵送する必要がなくなります。
また、システムによってはスマートフォンにも対応しているため、承認者は社内にいなくても承認可能です。
これにより、郵送や承認者不在によるタイムラグがなくなるため、業務のスピードアップが図れます。
6.さまざまな働き方に対応できる
ワークフローシステムは、紙による運用に比べ、さまざまな働き方に柔軟に対応できます。
最近は、テレワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方が広がっています。
しかし、従来の業務プロセスでは紙やメールによるやりとりが中心であったため、場所や時間に縛られたり、業務の進捗が遅れたりすることがありました。
一方でワークフローシステムは、システム上でタスクのやりとりや承認プロセスを行うため、場所や時間に縛られることなく業務を進めることができます。
近年は多様な働き方が増えるにつれ、企業側にもさまざまな働き方を受け入れる柔軟性が求められるようになってきました。
今後ますます多様化する働き方に対応するためにも、システムの導入は有効な手段と言えます。
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ワークフローシステム導入の流れ
ここではワークフローシステムを導入する流れを紹介します。
1.目的の明確化
システムを導入する前に、業務の効率化やミスの削減、内部統制の強化、作業の可視化など、自社が何を目的として導入するのか、明確にする必要があります。
目的を事前に明確にすることで、自社に合ったシステムを導入できるとともに、導入後の効果を定量的に評価することも可能です。
反対に、目的を明確にしていない場合、自社の望む機能を備えていないシステムを選んでしまい、それまでにかけた費用や教育などのコストを無駄にしてしまう恐れがあります。
2.既存フローの抽出・整理
次に、現在利用されている申請・承認フローを抽出し、整理することで、システムの導入によって改善すべき点を洗い出します。
廃止すべきフローの洗い出しや、フローの一本化など、フローの改善を検討することで、ワークフローシステムの効果を最大化できます。
改善点を洗い出す際は、承認に関わる社員にヒヤリングを実施することで、より現状に即した改善をおこなうことができるでしょう。
3.システムを利用するフローの選定
洗い出しが完了したら、システムへと移行するフローの選定をおこないます。
すべてのフローを一度にシステムへ移行した場合、現場の社員が混乱する可能性があります。
そのため、ステップ1で定めた目的に沿って「よく使用するものから移行する」「お金に関わるフローから移行する」など優先順位をつけて段階的に移行するようにしましょう。
4.ワークフローシステムの選定
システムへ移行するフローが決まったら、次はワークフローシステム自体の選定です。
選定の際は、「目的を遂行するための機能が備わっているか」という観点の他、次のポイントもおさえておくとよいでしょう。
- 操作性・スマートフォンで利用できるかなどの使いやすさ
- 承認・申請ルートを柔軟に設定できるか
- セキュリティが万全か
他にも、導入費用やランニングコストなども十分に検討し、継続的に問題なく運用できるシステムを選ぶことも重要です。
5.試験運用
ワークフローシステムを導入する際は、まず一部の部署やチームで試験的に導入することがおすすめです。
試験運用の実施により、問題点の抽出・解消や問題発生時の対応方法、操作方法などを確認できます。
また、全社導入時の具体的な運用方法についても、試験運用時に検討し、改善点を取り入れた運用マニュアルを作成することが重要です。
6.全社へ導入
試験運用が完了したら、最後は全社への導入です。
ただし、システム導入による問題発生や混乱のリスクを抑えるため、次のような準備を事前にしておきましょう。
- 試験運用の結果をふまえた調整
- 運用マニュアルの作成
- 利用者への説明会やトレーニングの実施
また、全社への導入が完了した後にも、システムの管理・運用を継続しておこない、利用者に適切なサポートを提供することが重要です。
おすすめのワークフローシステム3選
ここでは、おすすめのワークフローシステムを3つ紹介します。
Lychee Redmine
Lychee Redmineは、プロジェクト管理におけるワークフロー導入におすすめのシステムです。
タスクや課題のチケット情報に対する進行管理が容易になり、作業の進捗状況を可視化できます。
また、カンバン機能やガントチャート機能などプロジェクト管理に必要な機能が充実しているうえ、操作もしやすく、システム操作が苦手な方がいても問題なく導入可能です。
なお、Lychee Redmineのワークフロー機能は、プロジェクトの進行管理を目的としたもので、一般的な帳票用紙の承認フローを回すシステムとは異なります。
そのため、紙帳票のフォーマットをそのまま使用する運用は難しいですが、以下の方式を採用すれば実現可能です。
- 「紙帳票と同じ見栄えをした入力様式」で入力し、「同じ見栄え」で表示したレコードを承認者が確認
- 「紙帳票と同じ入力欄があるレコード」に入力し、「紙帳票とは異なる見栄え」で表示したレコードを承認者が確認
フリープランは基本機能(ワークフロー・通知設定・ファイル共有・Wiki)とカンバン機能の限定された機能しか利用できませんが、有料プランはガントチャートをはじめすべての機能が利用できます。
有料プランは30日間の無料トライアル期間を提供しています。無料期間終了後も自動課金されることもないためリスクなく始められ、その価値を実感できるはずです。
プラン | 月額料金 | 利用機能 |
フリー | 無料 |
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スタンダード | 900円 |
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プレミアム | 1,400円 |
|
ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] | 2,100円 |
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ジョブカンワークフロー
参考:ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、社内のあらゆる申請に対応しており、スマートフォンからも申請・承認が可能なワークフローシステムです。
中小企業から大企業、自治体に至るまで幅広い導入実績があり、シンプルな操作性が特徴です。
申請フォームの作成が容易で、ワークフローを自由にカスタマイズできます。
コラボフロー
参考:Collaboflow
コラボフローは、Excelを申請フォームとしてそのまま電子化できるワークフローシステムです。
誰にとっても「使いやすい」「わかりやすい」操作性が特徴で、用意されたパーツをパズル感覚で並べていくだけでフローを作成できます。
また、外部システムとの連携も可能で、社内にあるさまざまなデータを活用し、業務の幅を広げることが可能です。
まとめ|ワークフローシステムを導入して業務の効率化を進めよう
ワークフローは業務や書類申請における一連の作業や手続きの流れを図示したもので、作成により業務の効率化や抜け漏れ防止、コスト削減などの効果を得ることが可能です。
しかし、紙による運用の場合、申請内容ごとに書類が異なることによるミスや保管場所の確保などの問題も発生します。
その点、一連の流れを自動化・電子化できるワークフローシステムを導入すれば、紙運用による問題の多くを解消可能です。
そのため、紙運用によるワークフローによって課題を抱えている方は、今回ご紹介している導入方法やおすすめのツールを参考に、ワークフローシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。