「タスクが多すぎて仕事がうまく回らない」「管理が苦手で部下の育成まで考えていられない」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。仕事やプロジェクトは納期が設定されているため、うまく進めないと破綻してしまう可能性もあります。
また、管理職の場合は部下の育成も考える必要があり、より効率的に仕事をこなさなければなりません。こうした悩みは、チケット管理の導入で解決できる場合があります。
今回は、チケット管理の定義やメリット、選び方、おすすめツールを解説します。プロジェクトやタスクの管理にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
チケット管理とは?
チケット管理とは、もともとエンジニアの開発現場で活用されていたタスク管理手法です。タスクの発生日や作業内容、優先度、担当者、期限などを「チケット」として登録し、単位ごとに整理するのが特徴となります。
この仕組みにより、作業内容や緊急度・重要度を一目で把握でき、進捗状況も効率的に管理できます。
近年は開発現場にとどまらず、営業活動の進捗や経理業務の進行など、幅広い部門で活用が拡大中です。業務の透明性が高まることで、チーム全体の連携がスムーズになり、成果につながりやすくなっています。
以下の記事では、おすすめのチケット管理ツールについて詳しく解説しています。
チケット管理ツールを導入するメリット
本章では、チケット管理ツールを導入するメリットをご紹介します。
情報共有が容易になる
作業の進捗や残作業を一目で把握できることが、チケット管理ツール導入の大きなメリットです。
PM(プロジェクトマネージャー)はチケットの進捗状況のみを確認すれば良いため、軌道修正やチームメンバーのフォローに注力できます。その結果、プロジェクト運営が円滑に進みます。
過去の記録を残しやすい
チケット管理ツールの中には、変更したチケットのログをすべて残せるものも少なくありません。ログを残すことで、「言った・言わない」のトラブルを防ぐ効果が期待できます。
また、過去のふりかえりが容易にできるので、次のプロジェクトにその経験を活かしやすくなるというメリットもあります。
ガントチャートの作成やコスト計算がしやすくなる
工程管理に有用とされるガントチャートですが、作成には作業内容や作業に掛かる日数を明白にしなければなりません。
チケットで管理することで、ガントチャートに必要な情報が自然に揃います。また、組織運営には欠かせないコストの計算も、普段からチケットを管理していればすぐに割り出せます。
対応漏れや遅延を防げる
チケット管理ツールを導入すると、担当者や進捗状況が一目で把握できるため、タスクの抜け漏れや遅延を防ぎやすくなります。各タスクに担当者や期限、優先度を設定できるので、緊急度の高い作業を見落とすリスクも軽減可能です。
チーム全体で「誰がどこまで進めているか」をリアルタイムに共有できるため、対応の重複や漏れを防止しやすく、結果として納期管理やリソース配分がスムーズになります。これにより、プロジェクト全体の生産性と信頼性が向上します。
チケット管理がうまくいかないと起こる問題
チケット管理が形骸化すると、次のような問題が発生します。
- 納期遅延や品質トラブルの発生
- 業務負担の偏りによる不公平感とモチベーション低下
- チーム全体の生産性・効率の低下
上記を防ぐためには、チケットを正しく登録し、担当者・期限・進捗を明確に共有する仕組みを整えることが不可欠です。これらの問題について順に詳しくご説明します。
納期遅延や品質トラブルの発生
チケット管理が正しく機能しないと、タスクの遅延や作業の抜け漏れが発生し、最終的には納期遅延や品質トラブルにつながります。これは、チケット管理が「誰が・いつまでに・何を行うのか」を明確にする仕組みであるためです。
チケットが適切に運用されていないと、担当者の認識がずれたり、重要な作業が後回しにされたりして、期日通りに成果物を完成させることが難しくなります。進捗管理が不十分では、不具合の発見や修正が遅れ、品質にも悪影響を及ぼします。
業務負担の偏りによる不公平感とモチベーション低下
チケット管理が適切に行われないと、特定のメンバーにタスクが集中し、業務負担の偏りが生まれます。その結果、チーム内で不公平感が広がり、メンバーのモチベーションが低下します。
チケット管理は、タスクを「誰が・どのくらい」担当しているかを可視化し、バランスよく配分するための仕組みです。チケット管理が機能しないと、作業の割り当てが曖昧になることで、一部の人に過度な負担がかかってしまいます。
チーム全体の生産性・効率の低下
チケット管理が正しく機能しないと、各メンバーの進行状況が把握できないため、遅延が発生しても気づくのが遅れます。他のタスクに影響が出ても事前に調整できず、ボトルネックが発生しがちです。
また、管理職やPMが全体像をつかめないため、優先度変更やリソース配分が適切に行えなくなります。その結果、戦略的な意思決定が遅れ、全体のスケジュールに影響が生じます。
こうした結果として、生産性や効率が大きく低下しかねません。
チケット管理ツールを選ぶ際のポイント
チケット管理ツールを選ぶ際は、以下のポイントを確認してください。
- 使用しているデバイスに対応しているか
- 使いたい機能があるか(ガントチャート・通知機能など)
- 操作性は直感的でわかりやすいか
- 無料トライアルや試用期間があるか
- チーム規模やプロジェクトの性質に適しているか
ツールの機能や価格だけでなく、操作性や連携性なども確認しておくことで、導入後の効果を最大化できます。各ポイントについて、順番に詳しく解説します。
1.使用しているデバイスに対応しているか
チケット管理ツールを選ぶ際には、日常的に使うデバイスに対応しているかの確認が重要です。自社のオフィス内だけでなく、外出先やリモートワーク環境でもアクセスできるかが、ツールの定着と運用効率に直結します。
反対に、対応環境が合わないとツールの活用が制限され、せっかく導入しても効果を発揮できません。
なぜなら、チケット管理は日々の進捗確認やタスク修正といった、こまめな更新が求められる業務だからです。様々な場所・シーンでアクセスできなければ、情報更新が遅れ、チーム内での共有が滞ります。
結果的に、タスクの抜け漏れや対応遅れを引き起こすリスクが高まります。
2.使いたい機能があるか(ガントチャート・通知機能など)
チケット管理ツールを選ぶ際には、使いたい機能が備わっているかの確認も重要です。チケット管理には、以下のような機能があると効果的です。
- ガントチャート機能:プロジェクト全体の進捗を可視化し、納期管理を行う上で有効
- 通知・アラート機能:タスクの抜け漏れや遅延を防止するために欠かせない機能
- 検索・フィルタ機能:過去の対応履歴やタスクを瞬時に探せる利便性を提供
自社の業務内容(開発・製造・サポートなど)に合わせて、必要な機能が揃っているかを事前に確認しましょう。導入したツールに必須機能が不足していたため、最終的にExcelなど別の手段に戻らざるを得なかった失敗例もあるので怠らないよう注意が必要です。
以下の記事では、無料で使えるガントチャートツールをご紹介しているので、併せてご確認ください。
3.操作性は直感的でわかりやすいか
ツールの画面構成が複雑だと、利用が定着せず導入しても活用が進みません。反対に、ドラッグ&ドロップなど直感的に使える仕組みやシンプルなUIは、チーム全体への浸透を後押しします。
また、マニュアルを細かく読まなくてもすぐに使いこなせる設計であれば、現場の生産性向上にも直結します。操作が難しかったために一部の担当者しか利用せず、結果的に形だけの導入に終わってしまった失敗例は珍しくありません。
4.無料トライアルや試用期間があるか
導入する前に試せる期間があるかどうかも、ツール選定に大きく関わる要素です。実際に触れてみることで、UIの使いやすさや必要な機能が揃っているか、チームがスムーズに活用できそうかを事前にチェックできます。
もし試用期間が用意されていなければ、契約後に「欲しかった機能がない」「思ったより操作が難しい」といったギャップが生じ、導入失敗につながるリスクがあります。
5.チーム規模やプロジェクトの性質に適しているか
チケット管理ツールを選ぶ際は、チーム規模やプロジェクトの性質に合っているかを見極めることが大切です。
小規模チームには、シンプルで直感的に使えるツールが適しています。一方、大規模チームや複数案件を扱う現場では、ガントチャートや権限管理、EVM(出来高管理)といった高度な機能が欠かせません。
また、開発・製造・カスタマーサポートなど分野によっても必要な機能は異なります。規模や内容に合わないツールを選ぶと、コストや運用負担が増えたり、管理が回らなくなるリスクがあるため注意が必要です。
チケット管理に有用なツール5選【比較表あり】
本章では、チケット管理に有用なツールを5つピックアップしてご紹介します。
- Lychee Redmine
- Zendesk
- Asana
- Backlog
- Planio
上記5つの特徴を順番にご紹介するので、自社に適したツールの選定にお役立てください。
以下の記事では、タスク管理ができるクラウドサービスをご紹介しているので、合わせてご覧いただくことをおすすめします。
Lychee Redmine
Lychee Redmineは、7,000以上の導入実績を誇るプロジェクト管理ツールです。IT業界はもちろん、製造業や建設業など幅広い分野で利用されています。
特徴的な機能として「チケット追加モード」があり、表計算ソフトのように直感的な操作で複数チケットの連続入力が可能です。チケットは単なるタスク管理の単位にとどまらず、作業指示書や作業報告書としての役割も果たします。
Lychee Redmineでタスクを管理すれば、プロジェクト終了後には自動的に作業報告書が完成している状態となり、作業報告書を別で作る必要はありません。
結果として、すべてのタスクが履歴として残り、過去の実績を分析・活用しながら改善や応用につなげられます。業務改革をスピーディーに進められるのが大きな強みです。
公式HP:Lychee Redmine
Zendesk(ゼンデスク)
引用元:Zendesk
Zendeskは、世界中で利用されているクラウド型のカスタマーサービスソフトウェア(CXプラットフォーム)で、特に顧客サポート分野に強みを持っています。メール・チャット・電話・SNSなど複数チャネルから届く問い合わせを自動でチケット化し、一元管理できるのが大きな特長です。
例えば、顧客からのメールはチケットとして登録され、担当者へ自動振り分けされます。また、有料プランに含まれるAI機能「Answer Bot」によって定型的な質問は自動応答され、顧客はスピーディーに解決し、担当者は複雑な案件に集中できます。
さらに、分析ツール「Zendesk Explore」を活用することで、顧客対応の質を可視化・改善に役立てることが可能です。
Asana(アサナ)
引用元:Asana
Asanaは、元Facebookのエンジニアによって開発されたタスク・プロジェクト管理ツールです。タスクを直感的に整理・管理できるのが特徴で、チームの進行状況を一目で把握できます。
ボードビュー(カンバン形式)やタイムライン(ガントチャート形式)を使えば、進捗や期日をわかりやすく可視化可能です。さらに「Googleカレンダー」への自動登録や「Dropbox」ファイルの添付をはじめ、200以上の外部アプリと連携できる点も大きな魅力です。
小規模なチームから幅広い業種まで、スピーディーに導入して活用しやすいツールと言えるでしょう。
Backlog(バックログ)
引用元:Backlog
Backlogは、IT企業だけでなく、大手新聞社や広告代理店、製造業など幅広い業界で導入されている国産のプロジェクト管理ツールです。タスクをチケット形式で管理でき、ガントチャートやタイムラインを使って進捗を直感的に把握できるのが特徴です。
チーム内ではコメントや絵文字・スター機能を使ったやり取りができ、コミュニケーションを円滑にします。さらにWiki機能により議事録や業務フローを蓄積でき、属人化を防ぎながら常に最新の情報を共有可能です。
トヨタ自動車やチームラボといった導入事例でも、Excel管理の煩雑さを解消し、タスク漏れ防止や進捗の可視化に役立っています。日本語でのサポートや国内の商習慣に合わせた仕様も整っており、IT部門以外でも安心して利用できる点が大きな強みです。
Planio(プラニオ)
引用元:Planio
Planioは、ドイツのPlanio GmbHが提供するクラウド型プロジェクト管理ツールで、タスクをチケット形式で登録・管理できるのが特徴です。
問い合わせメールを自動でチケット化できる機能も備えており、カスタマーサポートや運用部門でも活用しやすい設計となっています。日本語対応のサポート体制も整っているため、海外製ツールであっても安心して導入できます。
料金はプランによって異なり、最上位プランは高額ですが、すべてのプランで無料トライアルが用意されているため、導入前に十分に検証することが可能です。
代表的なチケット管理ツールの機能・特徴比較【比較表】
以下に、代表的なチケット管理ツールの機能・特徴を比較できる表を示しました。適したツールの選定にお役立てください。
ツール名 | 料金(目安) | チケット管理における主な特徴 | UIの使いやすさ | 外部連携例 | チケット管理のおすすめ利用シーン |
---|---|---|---|---|---|
Lychee Redmine | 無料トライアルあり/有料プラン月900円〜 |
チケットでタスク・工数・コストを一元管理 ガントチャート/EVM/カンバンと連動 |
ドラッグ&ドロップ中心の直感操作 日本語UI |
Slack、GitHub、Redmine | 複数プロジェクトのチケットを統合的に管理したい開発・製造業 |
Zendesk | 有料プラン月$19〜 |
メール/チャット/電話/SNSなど問い合わせを自動チケット化し一元管理 SLA/自動化に対応 |
サポート担当向けに最適化された画面で運用負荷を軽減 | HubSpot CRM、Salesforce、Zoho | 顧客サポート部門での問い合わせ管理 |
Asana | 無料プランあり/有料月1,200円〜 |
依存関係/期限/優先度を設定し、タイムラインやボードで進捗可視化 ルール自動化も対応 |
非IT部門でも使いやすい分かりやすいUI | Google Workspace、Slack、Dropbox | 部門横断/マーケ施策のチケット・タスク管理 |
Backlog | 無料トライアルあり/有料月2,970円〜 |
課題(チケット)管理にガント/バーンダウン/Wikiを統合 国産で運用しやすい |
日本語UIで馴染みやすい 学習コスト低め |
Typetalk、Cacoo、Nulab Pass | 開発チーム・Web制作での課題チケット管理 |
Planio | 無料トライアルあり/有料月2,900円 |
Redmineベースでチケット/Wiki/ファイル/リポジトリを統合 細かな権限管理に強み |
高機能で柔軟(やや上級者向け) | Git、Subversion | 海外拠点を含む開発/運用でのチケット管理 |
※掲載しているサービスや料金は2025年9月現在の情報です。変更される場合があるため、最新の詳細は公式HPでご確認ください。
Lychee Redmineがチケット管理におすすめの理由
Lychee Redmineは、ガントチャート・カンバン・バックログ・ダッシュボードなどの標準機能を備えており、タスク管理から工数管理、進捗把握まで一元的に行えるのが特長です。
特に、予定工数・実績・進捗を定量的に把握できる EVM(Earned Value Management)機能 により、コストやスケジュールのズレを早期に発見できます。さらに、Slack・GitHubなど外部サービスとの連携を通じて、チーム内外の情報共有を効率化できます。
また、プロジェクトレポート機能では、進捗・コスト・品質といった主要指標を一画面で確認でき、履歴比較や分析も可能です。上位プランではCCPM(クリティカルチェーン法)や高度なリソース管理なども利用でき、規模や業種に応じた柔軟な運用が可能です。
UIは直感的で扱いやすく、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応しています。
Lychee Redmineの料金体系について、下表にまとめました。
プラン | 月額料金 | 利用機能 |
フリー | 無料 |
|
スタンダード | 900円 |
|
プレミアム | 1,400円 |
|
ビジネス[無料トライアルはこちらをお試しできます] | 2,100円 |
|
無料版ではワークフロー管理・通知設定・ファイル共有・Wiki機能などの基本機能に加え、制限付きでカンバンが利用可能です。一方、有料版ではガントチャートをはじめとする多彩な機能が解放されます。
さらに、30日間の無料トライアルが提供されているため、リスクなく導入を検討できます。ぜひ一度試用していただき、操作性をご確認ください。
チケット管理で業務を効率化するために押さえておきたいこと
チケット管理は、タスクの進捗や対応状況を可視化し、情報共有や属人化防止に直結する重要な仕組みです。導入時には、自社のチーム規模やプロジェクト特性に合ったツールを選ぶことが成功の鍵です。
さらに、必要な機能・操作性・外部連携・サポート体制を事前に確認しておくと、導入後の定着もスムーズに進みます。自社に適したチケット管理を活用すれば、業務効率の向上と成果の最大化が期待できます。
まずは30日間の無料トライアルを活用し、実際の業務で使い勝手を確認してみてください。
30日無料トライアルをはじめる
- 多機能ガントチャート/カンバン/バックログ/リソース管理/CCPM/レポートなど
- ・ クレジットカード登録不要
- ・ 期間終了後も自動課金なし
- ・ 法人の方のみを対象
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