開発現場では、規模の大きな案件や長期的なプロジェクトなどが広く実施されています。
こうした案件・プロジェクトを円滑に進めるには、「プログラムマネジメント」の考え方を取り入れることが大切です。

そこで今回は、プログラムマネジメントの定義と各ポジションの役割、プロジェクト管理との違いなどをご紹介します。

プログラムマネジメントのメリットや効果的に行うポイントについても解説していますので、初めてプログラムマネージャーを任された人にとって必見の内容です。

プログラムマネジメントとは

簡単にいうと、複数のプロジェクトを統合的に効率よく管理するための手法のことです。

ここでいう「プロジェクト」とは特定の目標を持つ活動のことで、その目標を達成するために必要な作業を期限までに完了させることを目的に進められます。

基本的には、プログラムの掲げる目的を達成するためにどのようなプロジェクトが必要かを決めたうえで、それらをどのように進行させるかを管理します。

会社が経費削減を目指すケースを想定すると、その経費削減活動全体をプログラムとし、具体的な取り組みである節電や交通費削減などが個々のプロジェクトとして位置付けられます。

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プログラムマネジメントの3パターン

プログラムとひとことで言っても、実は大まかに以下3つのパターンに分かれます。

  • プロジェクトを分割してプログラムとして扱うパターン
  • プロジェクトを段階的に管理するパターン
  • プロジェクトに修正が伴うパターン

それぞれのパターンに見られる特徴を順番に詳しくお伝えしていきます。

プロジェクトを分割してプログラムとして扱うパターン

大規模なプロジェクトをいくつかに細分化し、それぞれ独立したものとして扱うパターンです。
別名「分割パターン」とも呼ばれています。

一般的に、大きなプロジェクト全体を一度に管理するのは困難です。
特に、さまざまな部門が関わる場合、管理の業務がより複雑化します。

そこで、分割パターンを用いれば、大きなタスクを分割してそれぞれを別々に管理することで、作業の効率を上げることが可能です。

分割パターンは、事業・部署・業務内容などにより分割がしやすいプロジェクトでの導入が適しています。

プロジェクトを段階的に管理するパターン

一つのプロジェクトが完了した後に次のプロジェクトを始める、というように段階的に管理するパターンです。
別名「段階的パターン」とも呼ばれています。

例えば、「今年はA町で店舗を開き、来年はB町で店舗を開く」というように、時間の流れに沿って順番にプロジェクトを進めていくのが基本です。

このパターンの大きな特徴は、複数のプロジェクトを同時に進行させる必要がない点にあります。

一方で、どのプロジェクトから始めるべきか、すでに完了したプロジェクトから得た経験・教訓を次のプロジェクトにどのように適用するかを検討するにあたり、リソースの配分に関しても考慮する必要があります。

また、プログラムが長期間にわたるケースが多く、プログラム期間中に技術の進歩や経営環境の変化が生じやすくなるため、その状況の変化へ応じた対応が求められます。

プロジェクトに修正が伴うパターン

新商品の開発や新規事業の立ち上げといった、未知の領域に進出するプロジェクトをまとめて管理するのに適したパターンです。
別名「イノベーションパターン」とも呼ばれています。

通常、新商品の開発や新規事業の立ち上げなどのプロジェクトは未来の見通しが立てにくく、計画を修正したり方向性を変えたりする必要性が頻繁に出てくるのが特徴です。

また、特に新商品や新サービスの開発では、商品企画・マーケティング・研究開発・プロモーションといった異なる部署間での連携も必要です。
それぞれのプロジェクトは他のプロジェクトに影響を及ぼし、社会の変化に応じて進行方向を調整することも求められます。

こうした状況ではプログラムマネジャーを配置し、全体の流れを把握しながら、各プロジェクトの進行状況を効率的に監督・調整することが大切です。

必要に応じてプロジェクトの方向性を変更したり、プロジェクトを打ち切ったりといった難しい決断を下すことになります。

プログラムマネジメントとプロジェクト管理の違いを比較

プロジェクトとは、目標を達成するために組織される特定のタスクの集まりのことです。
それぞれのタスクを計画し・管理し、実行するプロセス全体をプロジェクト管理と呼んでいます。

一方、プログラムとは、会社の事業戦略上の目標を達成するために組まれるプロジェクトの集合体のことです。
各プロジェクトが1つの目標を目指し、結果として会社の大きな目標に寄与します。

こうした複数のプロジェクトを会社の事業戦略上の目標達成に向けて適切に管理し、調整して進めることをプログラムマネジメントと呼んでいます。

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プログラムマネジメントにおける役割・責任

プログラムマネジメントを担う当事者は、以下のような役割・ポジションに分けられます。

  • プログラムマネージャー(PgM)
  • スポンサー
  • SRO(Senior Responsible Owner)
  • BCM(Business Continuity Management)

プログラムマネジメントの実施にあたって、必ずしも上記の役割・ポジションすべてを採用する必要はありませんが、各役割の概要と仕事内容を理解しておくことは大切です。

それぞれの役割の責任範囲を順番に詳しく解説します。

プログラムマネージャー(PgM)

複数の関連したプロジェクト全体を指導・監督するポジションです。

プログラム内の各プロジェクトの進行状況をこまめにチェックし、その結果が戦略的な目標やビジネスの目標と一致していることを保証する役割を担います。

PgMの具体的な仕事内容は以下のとおりです。

  • 会社の目標に合わせてプログラムが進行していることを確認する
  • 各プロジェクトの進捗状況をチェックする
  • プログラムが経営層からの承認を得られるように働きかける
  • 上司からの指示や部下への指示を管理し、コミュニケーションを円滑に行う
  • プログラム全体に一貫性のある意思決定を下す
  • 全体で必要となるリソースの管理計画を立案・実行する

スポンサー

プログラムマネジメントを担う最上級ポジションのことです。

プログラムの予算・成果物・関連するビジネス計画など、プログラムの重要な要素を承認・認可する役割を担います。

また、プログラム全体を推進し、経営陣から承認を得ることをサポートするポジションでもあります。
後述する「SRO」の任命も、スポンサーの役割の一つです。

SRO(Senior Responsible Owner)

スポンサーグループを代表して重要な決定を下す役割を担うポジションです。
プログラムの目標達成は、最終的にはSROの責任となります。

プログラムに関する予算の大部分はスポンサーが承認しますが、各プロジェクトチームの予算や社内の財務チームからの資金調達はSROが取り仕切ります。

また、SROはPgMと密接に連携し、プログラムが事業目的と戦略的に一致していることをチェックします。

プログラムの実施はPgMが行いますが、プログラムと会社組織の高層部との戦略的な連携はSROが保証します。

BCM(Business Continuity Management)

プログラムから具体的な価値を生み出すためのプロセスを設計し、その実行を担当するポジションです。

PgMとSROがプログラムの成果を定義し達成を目指すのに対して、BCMの役割は、これらの成果が組織に適切に活用されることを確保することにあります。

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プログラムマネジメントを行うメリット

本章では、プログラムマネジメントを行うメリットとして代表的な4つの内容をピックアップし、順番に解説します。

プロジェクトをビジネス上の目標に紐づけられる

プログラムマネジメントは、各プロジェクトをビジネスの戦略的なゴールと結びつけるために役立ちます。

PgMは、まずプログラム内の各プロジェクトを調整し、それらが全体としてどのように機能しているのか全体像を把握します。
これにより、各プロジェクトを全体的な視野から評価することが可能です。

そして、各プロジェクトの目標をプログラム全体の目標と連携させ、プログラムの目標が組織全体の目標やOKR(目標と主要結果)と一致するよう調整します。

プロジェクト間の関係を視覚化できる

​​PgMは、複数のプロジェクトを一手に引き受けます。
そのため、プロジェクト間の関係性を視覚化し、どの問題を優先的に解決すべきかを容易に判断することが可能です。

複数のプロジェクトをまとめて管理する場合、各プロジェクトを個別に捉えていると、プロジェクト間の依存関係を把握することは難しいかもしれません。

しかし、PgMであれば、会社の目標を踏まえたうえで、プログラム全体の状況を詳細に把握できます。
これにより、全体の視点からプロジェクトごとの課題やタスクを柔軟に調整することも可能です。

リソースを合理的に割り当てられる

PgMは、プログラム内の各プロジェクトの関係性を深く理解しているため、リソースが必要となるプロジェクトを的確に見極められます。

ここでいうリソースには、従業員の勤務時間・予算・新たなツールやソフトウェアなどが含まれます。

プロジェクトの予算はプログラム全体から割り当てられますので、PgMはSROと共にどのプロジェクトにどれだけのリソースが必要かを見極め、最適に割り当てます。

例えば、一つのプロジェクトチームが予定よりも早く目標を達成した場合、その余ったリソースを他のプロジェクトに振り分け、全体の成功可能性を高めることが可能です。

プロジェクトにおけるリスクを回避しやすくなる

PgMは、プログラム内の全てのプロジェクトを一望できるため、リスクを適切に管理できます。

例えば、プロジェクトが人手不足や予算超過といった問題に直面した場合、リソースを適切に割り振り、必要に応じて再配分することで、これらのリスクを軽減できます。

プログラムマネジメントを効果的に行うポイント

本章では、プログラムマネジメントの効果的な実施にあたってPgMが意識すべきポイントを2つ解説します。

ベネフィットを追求する

PgMは、常にベネフィット(価値)の追求を念頭に置くことが大切です。
具体的には、プロジェクトがもたらす利益がビジネス上の価値につながるよう意識しましょう。

例えば、ベネフィットとは以下のようなものをさします。

  • 企業競争力の強化
  • 利益率の改善
  • ビジネスプロセスの効率化

これらのベネフィットを得られるよう、プログラムとして各プロジェクトを俯瞰的に見据え、適切に進めて管理することがPgMの役目です。

ステークホルダーと良好な関係を構築する

ステークホルダーとは、プロジェクトやプログラムに関わる全ての人々のことです。
これらの人々と良好な関係を維持することが、プログラムを成功に導くためには必要不可欠です。

例えば、ステークホルダーには、以下のような人々が含まれます。

  • 会社の経営者
  • プログラムのメンバー
  • 各プロジェクトのマネージャー・メンバー
  • 関連部署
  • 取引先
  • 顧客

プロジェクト管理でもステークホルダーとの関係構築は重要ですが、プログラムマネジメントでは広範囲のステークホルダーを考慮する必要があります。
それぞれのステークホルダーが持つニーズ・影響力を把握し、良好な関係を築くことが求められます。

プログラムマネジメントの課題・対策

プログラムマネジメントの目標を達成するためには、進行状況の管理や情報の共有が重要となります。

プログラム内のプロジェクトの進行状況を効率的に管理したい場合、各メンバーのタスクとその進行状況を視覚的に把握できるツールの活用が役立ちます。

例えば、プロジェクト管理ツールに備わっているダッシュボード機能を活用すれば、グラフやチャートで進行状況を一目で把握できます。

また、タスク管理を効率化したい場合、タスク管理表のテンプレートが備わったツールを選択すると、タスク設定にかかる時間を減らせて、全体のプロジェクト品質の向上につながります。

メンバーの具体的なタスクを確認するためには、タスク管理できるツールを導入しましょう。
例えば、カンバンやガントチャートなどの機能を備えたツールが効果的です。

プロジェクト管理ツール選びにお悩みでしたら、Lychee Redmineの利用をおすすめします。

Lychee Redmineには、カンバンやガントチャートをはじめ、プログラムマネジメントに必要な機能が豊富に備わっています。

各プロジェクトに携わるメンバーが簡単に扱えるような、直感的な操作性も魅力的です。

プログラムマネジメントの業務を効率化し、PgMの手間を省けますので、Lychee Redmineの導入を検討してみましょう。

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プログラムマネジメントを行うことで、プロジェクトをビジネス上の目標に紐づけられたり、プロジェクト間の関係を視覚化できたりするメリットがあります。

ただし、プログラムマネジメントを効果的に実施するためには、ベネフィットを追求したり、ステークホルダーと良好な関係を構築したりすることが求められます。

また、プロジェクト管理と同様に、プログラムマネジメントでも、目標達成に向けて進行状況の管理や情報の共有が重要です。

効率的な進捗管理や情報共有を行いたい場合、プロジェクト管理ツールの導入を検討しましょう。
最もおすすめのプロジェクト管理ツールは、誰にでも扱えて、プログラムマネジメントに必要な機能が豊富に備わっている「Lychee Redmine」です。

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