「チャート図とは一体どのようなものか知りたい」
「チャート図とフローチャートは何が違うのか知りたい」

プロジェクトの管理を任せられた場合、業務フローやタスクの進捗を可視化することが重要です。

しかし、可視化する際に用いる図は数多くあり、それぞれの特徴や用途を正確に理解するのは容易ではありません。

そこで本記事では、プロジェクト管理で重要なチャート図とは何かフローチャート図との違いやそれぞれの種類などを解説します。また、プロジェクト管理に役立つフローチャートの作り方やおすすめツールも紹介するので、参考にしてください。

チャート図とフローチャートの違い

チャート図とは、情報やデータを視覚的に理解して分析するためのものです。大量にある数値やデータをグラフや表にまとめることで、比較やカテゴリー分けができるため、傾向の把握や分析に役立ちます。

伝えたい情報を視覚的に整理された状態で提示できるので、プレゼンなどでよく用いられます。

対してフローチャートは、手順や流れなどを可視化するための図です。例えば、プロジェクトを管理する際にタスクをどのような流れで進めていくのかを図を使って表現します。矢印で流れを示したり、あらかじめ定めた図形を用いたりして、プロセスを直感的に把握できるのが大きな特徴です。

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チャート図の種類6つを紹介

ここでは、主に使われる6種類のチャート図を解説します。

  1. レーダーチャート
  2. フローチャート
  3. ブロックチャート
  4. ゲージチャート
  5. バーチャート
  6. ラインチャート

1.レーダーチャート

レーダーチャートとは、クモの巣グラフとも呼ばれ、複数の項目を一つのグラフにまとめた図です。中心を0として、それぞれの項目の数値が大きいほど外側にグラフが伸びていきます。5〜6角形で表されることが多く、対象物の総合的なステータスがわかる表現手法です。

2.フローチャート

フローチャートは、業務のプロセスやシステム、プログラム処理の流れを示す図です。複雑化しやすいプロセスの記録・学習・計画・改善・伝達を、わかりやすい方法で実現するツールとして、幅広い分野で活用されています。

フローチャートを活用すれば、プロジェクトメンバーやステークホルダーと共通認識を持てるため、業務やプロジェクトをスムーズに進行できます。

3.ブロックチャート

ブロックチャートとは、軸を複数設定し、円グラフのようにそれぞれの割合を比較できる図です。ブロックは、それぞれの軸に応じて高さや幅が変化し大きさが決まるため、グラフ全体に占める割合を視覚的に理解できます。

4.ゲージ・チャート

ゲージ・チャートは、メーター・チャートなどとも呼ばれ、ダイヤルの示度と針を用いて情報を示すものです。 一つの指標に対して、複数の項目が比較される場合に用いられ、エグゼクティブ・ダッシュボード・リポートで主要なビジネス指標を比較する際に活用されます。

5.バーチャート

バーチャート工程表は、プロジェクトの進行状況を視覚的に図示した工程表の一種です。主に建設業や製造業で、工期や進捗を管理する際に使われています。 縦軸に作業内容を、横軸に時間軸を配置し、プロジェクトの進み具合をひと目で確認できます。

棒グラフを採用しているので、各工程の開始と終了を視覚的に捉えてプロジェクトの全体像を理解できる点が特徴です。

6.ラインチャート

ラインチャートは、時間の経過によって特定の項目がどのように変化したのかを表す図です。

X軸(横軸)に時間、Y軸(縦軸)に指定の項目を当て、複数のデータの推移を計測していきます。例えば、年間の売り上げ推移を月別で観察したり、金融・証券市場の株価動向などを把握したりする際に用いられます。

プロジェクトの資料作成にはLychee Redmineのプロジェクトレポートがおすすめ

ガントチャートの使いやすさで選ぶならLychee Redmine

プロジェクトを進める上で、データを活用した分析や傾向把握は重要であり、チャート図を使う場面があります。しかし、それぞれのチャート図が持つ特徴や適切な使い方を理解することは容易ではありません。

プロジェクトレポートは、プロジェクトの進捗やデータをメンバーで共有するために作る報告書を自動作成できます

レポートの作成は、直感的に操作できてラインチャートや表、コメントなどを入れることができるため、プロジェクトに合わせて自由に組み替え可能です。

さらに、作成した報告書はプロジェクトごとに保存と自動更新されるため、業務の負担も軽減できます。

プロジェクト管理で、データの可視化や報告書の作成を効率化したい方は、こちらの記事をご覧ください。

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プロジェクト管理にフローチャートが選ばれる理由

フローチャートは、複雑なプロセスやシステムについて、効果的なコミュニケーションをとるために利用されます。例えば、プロジェクトマネジメント、プログラミングなどで利用されることが多いです。

フローチャートを利用するメリットは、主に次の3点です。

  • フロー(工程・流れ)が可視化されて全体像が見えやすくなる
  • 業務の標準化を図れる
  • 手順の抜け漏れを防止できる

手順を示すマニュアルやチェックリストよりも迅速に作成できるため、業務の効率化にも役立ちます。

フローチャートに関して、より詳しく知りたい方は、下記の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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プロジェクト管理で利用するフローチャートの種類

プロジェクト管理で利用するフローチャートは、主に次の6種類があります。

チャート図 概要
ワークフローチャート

業務を個々に分解し、業務の流れや最終目的地までの手順を順序立てて図解したもの。

プロセスの文書化やナレッジの共有などの目的で活用され、業務効率化、人材育成、業務改善など、様々な効果をもたらす。

スイムレーン図

各業務の進行状況やタスク間の相互関係を明確に示せるもので、業務の効率化や問題点の洗い出しなどに有効的な図。

新規プロジェクトの立案・計画で活用され、複数の部署を横断しながら、各役割に応じて工程を進めていくプロジェクトに役立つ。

意思決定フローチャート

複数の選択肢が存在するプロセスにおいて、最適な意思決定を判断する上で役立つ図。

選択肢や分岐点を図形で示し、それらを矢印でつないでプロセスの流れを視覚的に整理する。多くの場合は「はい」「いいえ」の2択で意思決定の分岐を作成する。

文書フローチャート

文書・情報の流れを視覚的に表現する上で役立つ図。業務プロセスや事務処理において、文書がどのように作成・伝達・保管されるのかを示す際に用いられる。

送信ミスや送り漏れなどのミスを防ぎ、現行の文書処理プロセスを見直す際に、どこに無駄があるのかを見つけられる。

BPMN

業務プロセスを明確にし、企業や部署の垣根を超えて、関係者全員が同じ理解を共有するために使用される。
新規プロジェクトの立案・計画で利用されるケースが多い。

作成・使用時にはBPMNのルールに関する知識が求められる点は注意が必要。

それぞれに適した目的や用途があるため、特徴を理解して最適な場面で活用してください。

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フローチャートの作り方3ステップ

プロジェクト管理や業務の効率化を図るために、フローチャートは効果的です。しかし、フローチャートを適切に作れなければ、逆効果になってしまう場合もあります。

ここでは、フローチャートの作り方を3つのステップに分けて解説します。

  1. 工程を洗い出す
  2. ルールに沿って工程を配置する
  3. 工程の内容に合わせて記号を変更する

詳しく見ていきましょう。

工程を洗い出す

フローチャートを作成するために、必要な工程をすべて洗い出します。この段階でルールや条件などを気にする必要はありません。リストアップし終えた段階で、抜け漏れや内容の調整を行います。

ルールに沿って工程を配置する

次に、洗い出した工程を適切に配置していきます。

ポイントは、次の4つです。

  • 時系列に沿って左上から右下へ並べる
  • 図記号が重ならないように一定の間隔を設ける
  • 共通理解できる記号のみを使う
  • 基本構造を理解した上で作る

フローチャートは、メンバー間での共有が前提にあるため、複雑で理解しにくいものになってはいけません。上記のような基本に則り、メンバー全員がわかりやすいように作成することが大切です。

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工程の内容に合わせて記号を変更する

工程の配置が終わったら、工程の内容ごとに記号を変更します。処理・判断など、それぞれにカテゴリーを設けて記号を割り当てます。 図記号は様々な種類があるため、所属先やメンバーで共通認識が取れているものを使いましょう。

フローチャートをわかりやすく作るためのポイント

フローチャートは、見やすさや使いやすさなども考慮する必要があります。そのため、次のポイントを抑えて作成しましょう。

  • シンプルで一貫性のあるデザインにする
  • 適切なサイズで配置する
  • 色を適度に利用する

デザインはできる限りシンプルにすると、混乱を防ぎ誰でも理解しやすく仕上がります

また、サイズも統一感を持たせ、全体のバランスを整えることで、工程の流れを把握できます。さらに、 強調すべき部分だけに目立つ色を使うことも、見やすいチャートを作るためのポイントです。

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フローチャートが簡単に作れるツール

ここからは、フローチャートを簡単に作れるツールを紹介します。

「Strap」

Strap 引用:Strap

Strapは、オンラインホワイトボードと呼ばれる、クラウドツールです。大きなメリットは、文字や画像、図形などを自由に配置できるカスタマイズ性にあります。各点にリンクを設定して、参考資料を入れたり、URLで共有したりできる自由度の高さがおすすめのツールです。

「Lucidchart」

lucidchart

引用:Lucidchart

Lucidchartは、アイデアを形に変えるための作図ツールです。フローチャートをはじめ、ビジネスで用いる様々な図表を作成できます。複数人でリアルタイムに同時編集ができる点も魅力です。

操作性に優れており、画面左側に用意された図形から簡単にフローチャートを作成できます。フローチャートを迅速・ストレスフリーに作成したい場合に適しており、個人利用の場合は無料プランでも豊富な機能を使用できます。

Miro

miro

引用:Miro

Miroはオンラインホワイトボードサービスで、チームでの共同作業を促進してくれるツールです。直感的な操作性で、初心者でもすぐに図・アイデアを描き始められます。

複数の人が同じボード上で一緒に作業できるので、チームでアイデアを出し合ったり、議論をしながら内容を作り上げたりする場合にも適しています

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チャート図を理解してプロジェクトや業務を効率化させよう

今回は、情報やデータを視覚的に理解して分析するためのチャート図について解説しました。

直感的に情報や思考をまとめて共有できるチャート図は、適切に使えばプロジェクトの管理や業務の効率をスムーズにしてくれます。

なかでも、業務の流れやプロジェクトの管理には、フローチャートが最適です。必要に応じて適切なフローチャートを活用すれば、業務プロセスやフローを直感的に理解・共有できます。

なお、フローチャートで構築したプロジェクトを実際に動かす上では、プロジェクト管理ツールの導入も効果的です。

数あるプロジェクト管理ツールの中でもLychee Redmineは、ガントチャート・タスク管理・タイムマネジメントなど、プロジェクト管理に役立つ機能を豊富に備えています。プロジェクト規模や人を選ばずに使える使い勝手の良さが魅力です。有料プランも30日間は無料でお試しができるので、フローチャート作成後のプロジェクト管理に役立ててみましょう。

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