「業務プロセス改善を図りたいものの、何から始めたらよいのかわからない」
上記のように考えている方は、多いのではないでしょうか。
昨今、企業における働き方改革が進められるなかで、社員一人ひとりにも業務プロセス改善の意識を持って仕事を進めていくことが求められるようになっています。
業務プロセスを見直すことで、日々当たり前にこなしている業務に潜むムダが浮き彫りになり、コスト削減や労働環境の改善などが期待できます。
しかし、業務プロセス改善の進め方を十分に理解し、実践できている人はそれほど多くありません。
この記事では、業務プロセス改善の方法や効率的に進めていくためのポイントなどを解説します。
業務プロセス改善に潜む課題とその解決方法も紹介していますので、働き方改革をスムーズに進めていきたい人に必見の内容です。
業務プロセス改善とは
業務プロセス改善とは、業務の担当者・連携の仕方・作業方法などを見直し、業務プロセスがスムーズに進むよう改善することです。
業務プロセス改善と働き方改革は、密接な関係にあります。
仕事と生活を調和させる「ワークライフバランス」を実現するうえで働き方改革は効果的な施策であり、柔軟に働ける環境や業務体制を構築するためには業務プロセス改善が必要不可欠です。
そもそも業務プロセスとは、利益獲得をはじめとする企業の目的達成のために業務をどのような手順で実施するかを定義し、それを実行する一連の手順のことです。
別名、「業務フロー」や「ビジネスプロセス」などとも呼ばれています。
例えば、製品の開発・製造・販売・アフターサポートといった一連の業務の流れが、業務プロセスに該当します。
もしも製品の開発からアフターサポートまでのプロセスの中で問題が生じていたり、業務効率が悪かったりすれば、目的達成が遠のいてしまうでしょう。
業務プロセス改善の目的
業務プロセス改善をおこなう目的を定めるうえで軸となる主な観点を下表にまとめました。
主な目的 | 概要 |
業務効率化・生産性向上 | ムダなオペレーションや作業を省くことで、より少ない人員で業務を進められたり、より少ない時間で業務を完了できたりしたりするようになる。 |
リスクマネジメント | 属人化やブラックボックス化など、業務に関する致命的なリスクを取り除ける。 |
DXの推進 | 業務プロセス改善でITシステムを導入することで、労働人口が減少するなかでも、業務の生産性や正確性を向上させられる。 |
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業務プロセス改善を進める手順
本章では、業務プロセス改善を進める際の基本的な手順を5つのステップに分けて解説します。
現状の把握と分析
まずは、現状の業務プロセスを把握・分析することから始めます。
現状を把握することで、課題や改善すべき内容が浮き彫りになります。
把握・分析をスムーズに進めるためには、業務プロセスの管理・可視化・改善を支援する「BPMツール」を用いて、業務プロセスを図式化していくのもよいでしょう。
図式化すると現状のプロセスに潜む問題点を可視化でき、メンバーに共有できます。
各手順や工程を細かく可視化すれば、再設計や組み換えなどの改善案が生まれやすくなるメリットもあります。
優先順位の検討
課題や改善すべき内容を洗い出したら、業務プロセス改善に求められる工数対効果を計算し、優先順位を決めましょう。
優先度の高い課題から着手すると、より高い成果を得られるようになります。
優先順位を検討する際は、改善策の有効性に加えて、どれほどの期間で改善が図れるのかという現実性も加味することが大切です。
そのためには、目的達成のための具体的な評価指標であるKPIを設定しましょう。
このときには主に、「売上の増加」や「残業時間の短縮」などの観点からKPIを設定することが一般的です。
小規模であり、なおかつ効果の出やすい改善策から展開していくことをおすすめします。
改善案の作成
有効性と現実性から優先順位を決定した後は、上位の課題から順番に改善案を作成していきます。
改善案を検討する際は、業務効率化・生産性向上やリスクマネジメント、DXの推進といった目的を達成できるような施策を練ることが大切です。
例えば、人員不足を要因とする課題を解決するためには、単純な人員補充策では業務効率化や生産性向上にはつながりません。
そこで、現状の人数でも対応できるような、DXの推進を軸とした改善案の検討が求められるでしょう。
改善案の実行
改善案を実行に移す準備を整えたら、実行前にチームメンバーに計画の内容を伝えましょう。
具体的な計画を伝えればチーム全体で常に状況を把握でき、新しいプロセスへの抵抗感を緩和できます。
改善案をチームに伝えたら、実行に移します。
効果測定と次回のプロセス改善に向けた検討
業務プロセス改善は、1度実施したら終了するのではなく、継続的に取り組みましょう。
継続的に取り組むためには、実施した施策の有効性を検証することが大切です。
具体的には、KPIで目的達成率を評価し、未達の場合には原因を分析して、次回の施策に向けて改善案の内容を再検討するとよいでしょう。
その後はPDCAサイクルを回して試行錯誤を繰り返し、施策の完成度を高めていきましょう。
その他、プロセスの改善後も新しいプロセスとその結果を注意深くモニタリングし、従業員が新しいプロセスに従っていることをチェックすることも大切です。
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業務プロセス改善を図る際の課題
前章で紹介したステップに沿って進めたとしても、思うような成果が得られないことがあります。
本章では、業務プロセス改善で成果を得るために克服しなければならない課題を3つ紹介します。
効果測定や客観的評価のシステムがない
業務プロセス改善の意義が薄れてしまう要因のひとつに、効果測定や客観的評価のシステムを使用しないことが挙げられます。
効果測定や客観的な評価が実施されなければ、何がどのように改善したのか、改善できたのか悪くなったのかがわかりません。
具体的な目標が掲げられていない
具体性が欠けている目標も、業務プロセス改善の効果が十分に得られなくなる原因のひとつです。
例えば、「有休取得率の向上」「残業時間をゼロにする」などの目標を掲げたとしても、これを実現するための施策を検討・実行しなければ、業務プロセス改善ひいては働き方改革につながりません。
業務プロセスの変化を望んでいない人の存在
「現状のままでよい」や「波風立ててほしくない」といった考えで変化を望んでいない(もしくは抵抗がある)人の存在も、業務プロセス改善の効果が得られなくなる原因のひとつです。
この原因の本質は、業務プロセス改善が否定的に受け止められていることにあります。
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業務プロセス改善の課題を解決する方法
続いて、前ステップで取り上げた課題を解決するために役立つ方法を3つピックアップし、順番に解説します。
PDCAの考え方を取り入れる
業務プロセス改善の目標を決めたり、効果測定や客観的評価のシステムを取り入れたりするうえで、PDCAの考え方は非常に有用です。
PDCAの考え方を導入することで、「具体的な目標の定義」「現状に潜む問題の分析」「解決策の検討と実行」「結果の評価」をサイクルとして継続的に回せるようになります。
PDCAの考え方を効果的に活用するためには、現状や目標を数値で評価し、改善案の実行によってどのような変化が起きたかを把握することが大切です。
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改善の理由・根拠を明確にする
当然ながら、企業や組織で業務を手掛けるのは社員であり、彼らが納得できる施策でなければ業務プロセス改善の実現は不可能です。
そのため、社員にメリットが伝わりやすいよう明確な理由や根拠を提示しましょう。
具体的には、「事務作業の負担軽減」「残業時間の減少」「有休取得率の向上」「出産や介護のために休暇が取りやすくなる」「在宅ワークや短時間勤務など柔軟に働ける環境が提供される」などのメリットを訴求するのがよいでしょう。
DXの推進や働き方改革も併せて導入する
業務プロセス改善で大きな効果を得るためには、これまでとは大きく異なる業務プロセス・人員配置などの導入も大切です。
そこで、ITを活用したDXの推進および働き方改革を軸に改善を進めていくことをおすすめします。
DX意識した業務プロセス改善の一例を以下に提示します。
- ITによる自動化で属人化を解消し、特定の社員が休めない状況を改善する
- ペーパーレス化やオンライン化により紙ベースの事務作業の軽減や削減を図る
上記のように、DXの推進や働き方改革を意識することは、業務プロセス改善の具体的な目標を考えるうえでも役立つため、積極的に検討しましょう。
業務プロセス改善の効率を上げるポイント
最後に、業務プロセス改善の効率を上げるために役立つ施策・ポイントを2つ解説します。
プロジェクト管理ツールの活用
業務プロセス改善を図るうえで、業務の可視化は必要不可欠です。
チーム全体で共通認識を持って取り組むことで、業務プロセス改善の効率を上げられます。
そこでプロジェクト管理ツールを用いて、現状業務の問題点や進捗状況、改善後の状況をリアルタイムで可視化しましょう。
プロジェクト管理ツールの導入によりチームメンバーから経営陣までの情報共有を徹底することで、PDCAを回しやすくなり、業務プロセス改善にかかる工数を減らせます。
数あるプロジェクト管理ツールの中でも、「Lychee Redmine」の導入をおすすめします。
Lychee Redmineは、プロジェクト管理に便利な機能が多数備わっているサービスで、7,000社以上の企業が導入しています。
企業の職種を問わず、従業員のスケジュール管理やタスク管理などに利用されています。
各プロジェクトの進捗・品質・コストを把握できるので、データベースとしても役立てられます。
コンサルティングへの依頼
業務プロセス改善に関するノウハウが社内にない場合、社外のコンサルティング会社にソリューションを提案してもらう手段もあります。
コンサルティングに依頼する場合、自社業界に精通している会社を選ぶことが大切です。
相談時に、これまでの改善事例実績を提示してもらいましょう。
業務プロセス改善を図るならLychee Redmineの導入も検討しよう
この記事では、業務プロセス改善の方法や効率的に進めていくためのポイントなどを解説しました。
業務プロセス改善に取り組む際は、効果測定や客観的評価のシステムを導入することが大切です。
具体的な目標を設定したうえで業務プロセス改善を進めるためにも、PDCAの考え方を導入することが望ましいと言えるでしょう。
業務プロセス改善を図る際は、プロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」を用いて業務の可視化をおこなうこともおすすめです。
操作性に優れており、初めて扱う方でも直感的に操作可能です。
ドラッグアンドドロップや右クリックなど、基本的な操作のみで扱えます。
Lychee Redmineには、基本的な機能の備わっている有料プランをコストゼロで使える期間があります。
まずは、無料期間の間にLychee Redmineの優秀な機能を体験してはいかがでしょうか。