「Excelで工数管理を始めたいけど、どこから手をつければ良いのか」
「もっと効率的に工数を管理する方法はないか」
このようにお考えのプロジェクトマネージャーの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Excelを使った工数管理をスムーズに行うための8つのステップを詳しく解説します。WBSの作成からガントチャートの活用まで、具体的な方法とポイントを挙げました。Excelの機能を最大限に活かして、プロジェクトの効率化を目指しましょう。
Excelで工数管理をする際に必要なファイル
Excelを使って工数管理をする際は、いくつかのファイルを作成する必要があります。複数のファイルを使い分けて工数管理を進めていくのです。
作成するファイルはWBS・日報・ガントチャートの3種類です。それぞれの概要を説明します。
WBSとは
WBSは、プロジェクト完遂のために取り組むタスクを一覧表にしたものです。
タスクの一覧に加え、各タスクの担当者や開始日・終了日も記載します。
日報とは
日報はプロジェクトのメンバーが編集するもので、タスクの完了にかかった工数を記録するために使います。
日報のファイルはメンバーの人数分用意します。
ガントチャートとは
ガントチャートはタスクをいつ進めるかを記載した表です。
日付を横に並べて色を付けることで作業予定を表します。
ガントチャートとは?使用方法や作成手順、WBSとの違いも解説
Excelを使った工数管理のやり方
ここからは、Excelを使った工数管理のやり方を手順に沿って説明します。
Excelを使って工数管理をするには、プロジェクト開始前の準備が必要です。本項では、事前準備の手順から説明していきます。
1.タスクを洗い出す
すべてのタスクを把握していないと、今後の予定を立てるのは難しいです。
まずはプロジェクト完遂のためにやるべきタスクを洗い出しましょう。細かいものも見逃さず洗い出すのが重要です。
2.タスクの担当者を決める
担当者を明確にしていないタスクは放置され、着手が遅くなりやすいです。
一つひとつのタスクを円滑に進めるために、すべてのタスクの担当者を決めましょう。担当者を決めるときは特定の人に負荷がかからないよう、満遍なく割り振ることを意識します。
3.タスクの開始日・終了日を決める
プロジェクト全体のスケジュールを決めるには、何のタスクから進めるかを考える必要があります。
それぞれのタスクについては開始日・終了日も決めましょう。タスクの内容や担当者のスキル感を踏まえて、かかる工数を考えながら決めるのが大事です。
スケジューリングとは?プロジェクト管理に最適な組み方やメリット
4.WBSを作る
タスクに関する情報を一つの表にまとめておくと、プロジェクトの全体像が一目でわかるので便利です。
タスクの種類、担当者、開始日・終了日を記載したWBSを作成しましょう。WBSの形はわかりやすければ何でも構いません。一例としては、下図のような形が挙げられます。
5.作業日報のフォーマットを作る
工数管理を行うためには、タスクを終わらせるのにかかった時間を各メンバーに確認する必要があります。
メンバーが作業工数を報告できるように、プロジェクト開始前に作業日報を作りましょう。下図のようにメンバーの名前・担当するタスク・進捗を書く欄を設けると良いです。
6.ガントチャートを作る
タスクの開始日・完了日はWBSでわかりますが、ガントチャートであればより直感的にスケジュールを把握できます。工数管理がスムーズにできるので、ガントチャートも事前に作成しましょう。
下図のように、タスクの一覧と日付を表の形でまとめます。タスクを進める日を色で塗りつぶすことで、各タスクをどういったスケジュールで進める計画なのかが一目でわかるようにします。また、予定していた計画と実際の進み具合を比較するために、実際にタスクを開始した日・終了した日も書けるようにすると使いやすいです。
ガントチャートまで作成できたら、プロジェクト開始前に必要な準備はすべて完了です。
7.プロジェクト始動後、実際にかかった工数を反映する
プロジェクト開始後は各メンバーがタスクに着手しますが、すべてのタスクを予定通りに進められるとは限りません。
タスクを終わらせるために実際にかかった工数を確認し、ガントチャートに反映していきましょう。作業工数を確認するにはメンバーに日報を書いてもらうとスムーズです。メンバーには事前に作成した日報ファイルを共有し、毎日更新して提出するように伝えましょう。
8.作業の予定と実績を見比べて分析する
事前に立てた計画と実際の進行を見比べてマネジメントに活かすことで、はじめて工数管理をする意味が出てきます。
作業の予定と実績を見比べて、予定より進みが遅いタスクについては原因を考えましょう。原因を分析できたら、稼働するメンバーを割り当て直したりスケジュールを調整したりして、タスクの進行を改善しましょう。
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工数管理をExcelで行うメリット
Excelは多くの人が利用している点や、表計算を快適にできる点が特徴です。
そのため、工数管理をExcelで行うことには下記のようなメリットが存在します。
導入する際のコストを抑えられる
例えば、新たに管理ツールを導入すると導入費用がかかります。また、メンバーに操作を教えるために時間を割く必要があるのもコストが発生するポイントです。
一方で、Excelはすでに社内のパソコンに導入されているケースが多く、詳しい操作説明が不要です。そのため、導入する際のコストを抑えられます。
関数を使うことができる
関数とは、対象のセルに入力する数値を、他のセルの情報をもとに自動計算できる機能です。例えばガントチャートの日付欄を記載するときに、月を入れるだけで日付と曜日をすべて入力できるような仕組みを作れます。
関数を使いこなすには勉強が必要ですが、うまく活用すると工数管理に必要なファイルを効率よく作成できます。
工数管理に必要なファイルのテンプレートを探しやすい
Excelは世界中の人々が使っているツールなので、Google検索で多くの情報を見つけられます。工数管理に必要なファイルについても、Excelで作成できるテンプレートを簡単に探せます。そのため、どのような表を作るかを短時間で決められるのです。
ファイルのテンプレートを探しやすいのは、多くの人に利用されているExcelならではのメリットだといえます。
サッと作れる!ガントチャートのExcel(エクセル)テンプレート│おすすめのツールも紹介
工数管理をExcelで行うデメリット
Excelは便利なツールですが、複数人で一つのファイルを扱うのは難しいです。
そのため、下記のようなデメリットも存在します。
日報の確認に手間がかかる
Excelで工数管理を行う場合、各メンバーから日報のファイルを提出してもらい、プロジェクト管理者自身で開いて確認する作業が必要です。しかし、一人ひとりのメンバーの日報を開いたり閉じたりするだけでも時間がとられるため、手間はかかってしまいます。メンバーの入力ミスがあった場合は、差し戻して修正してもらう手間も発生するのです。
Excelで工数管理をする場合、日報の確認作業は総じて面倒くさく感じてしまいます。
大きな表はスマートフォンでは見にくい
Excelで大きな表を作成した場合、スマートフォンで確認すると表が見切れてしまいます。全体像を確認するにはスワイプ操作が必要なので、スマートフォンで大きな表を見るのは少し大変です。
外出が多いプロジェクト管理者にとっては、特に大きなデメリットです。
入力ミスでファイルが破損するリスクがある
WBSやガントチャートなど、Excelで作成したファイルはいつでも編集可能です。つまり、更新する際の操作ミスで表示が崩れる可能性があります。
Excelのファイルを更新する際は破損しないように気をつけなければいけません。
工数管理はExcelよりプロジェクト管理ツールで行うのがおすすめ
Excelは工数管理に特化したツールではないため、スムーズな工数管理を実現させるには限界があります。
スムーズに工数管理を進めたいなら、専用のプロジェクト管理ツールを使うのがおすすめです。導入にコストがかかるものの、コストに見合う価値は十分あります。
今回はプロジェクト管理ツールの中からLychee Redmineを詳しく紹介します。
Lychee Redmineで工数管理を行うメリット
Lychee Redmineは7,000社以上の導入実績があるプロジェクト管理ツールで、プロジェクト管理者にとって嬉しいポイントが盛りだくさんです。
本項では、Lychee Redmineで工数管理を行うとどのようなメリットがあるのかを紹介します。
予定表の編集から各メンバーの工数チェックまで完結できる
Lychee Redmineは予定表を確認できるガントチャートや、メンバーのタスク詳細を把握できるカンバンなど、様々な機能が搭載されています。
Lychee Redmineだけを導入すれば、予定表の編集からメンバーの工数チェックまで完結するのです。Excelでは予定表と工数チェック用の日報を別のファイルにわけるので切り替える手間が発生しますが、Lychee Redmineであれば省くことができます。
入力ミスで表が崩れない
ガントチャートをはじめ、Lychee Redmineで確認できる表はデフォルトで備わっています。Excelを使って自分で作成した場合と異なり、誤操作で崩れる心配がありません。
誤操作のリスクを考えなくて良いため、各メンバーがガントチャートを更新する体制でも安心です。プロジェクト管理者が一人でファイルを更新するよりも時間を節約できます。
各メンバーの稼働率をグラフで視覚化できる
Lychee Redmineではプレミアムプランに加入すると、工数管理に便利な機能であるリソースマネジメントを使えます。リソースマネジメントの画面ではメンバーの稼働率が折れ線グラフで表されるので、手が空いているメンバーを一目で判断できます。遅れているタスクについて、新たなメンバーを割り当てたいときに便利です。
ほかにも各メンバーの工数を一覧表で確認したり、生産性をグラフで視覚化できたりと、様々な面で工数管理を助けてくれる機能です。
ガントチャートの機能が豊富
Lychee Redmineのガントチャートはスケジュールの把握ができるだけでなく、イナズマ線で遅れているタスクを一目で判断したり、予定していたスケジュールと実際の進み具合を比較したりできます。
Excelで作成したガントチャートと異なり豊富な機能が備わっているため、プロジェクトの状況をより速く確実に確認できます。
工数管理以外の用途にも使える
加入するプランによっては、作業工数に基づいた費用を算出できるコストマネジメントや、プロジェクトの進捗や品質などを総合的に俯瞰できるプロジェクトレポートといった機能も使えます。
Lychee Redmineなら工数管理に留まらず、予算管理や報告書の作成も楽に進められます。
スムーズに工数管理をしたいならLychee Redmineを使うべき
本記事では、Excelを使った基本的な工数管理方法に加え、より高度な機能を求める方に向けて、プロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」をご紹介しました。
Excelは、手軽に使える表計算ソフトとして、工数管理にも活用できますが、大規模なプロジェクトや複数人での共同作業には、機能的な不足を感じることがあるかもしれません。一方でLychee Redmineは、Excelでは実現しにくい工数の自動計算やリソースの最適化などを可視化し、プロジェクト全体の効率化をサポートします。
ご自身のプロジェクトの規模や複雑さ、チームの状況に合わせて、最適なツールを選択してみましょう。Lychee Redmineは30日間の無料トライアルができるので、この機会にぜひお試しください。