「フローチャートの種類が多くて、どれを使えば良いのか分からない」とお悩みではないでしょうか。
フローチャートには、目的や場面に応じた様々な種類の様式が存在するため、最大限の効果を発揮するには、適切な種類を選択することが重要です。
この記事では、代表的な6種類のフローチャートの特徴や使い方を分かりやすく解説します。プロジェクト管理に活かすコツも紹介しているので、自社の効率的なプロジェクト進行に役立ててください。
フローチャートとは
業務のプロセスやシステム、プログラム処理の流れを示す図をフローチャートと呼びます。複雑化しやすいプロセスの記録・学習・計画・改善・伝達を、分かりやすい方法で実現するツールとして、幅広い分野で活用されています。
フローチャートは、長方形・円形・ひし形をはじめ、多種多様な図形を使用して手順を定義し、図形を接続する矢印でフローやシーケンスを表します。シンプルな手描きの図から、複数の手順とルートを示す包括的な図まで、様々な種類があります。
フローチャートの主な使用目的は、プロセスやワークフローの計画・視覚化・記録・改善です。
複雑化しやすい業務の場合、チームメンバーとの共有事項に混乱が生じるケースがあります。こうした場合、ワークフローやアルゴリズムを図式化すると、構造全体が視覚化されて的確な情報伝達が可能です。
フローチャートを活用することで、プロジェクトメンバーやステークホルダーと共通認識を持てるようになるため、業務やプロジェクトをスムーズに進行できます。
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フローチャートの活用場面
フローチャートは、業務効率化から問題解決まで、どのように活用できるのか、具体的な活用場面を把握しておきましょう。
下表に、主な活用場面をまとめました。
活用場面 | 補足 |
新規プロジェクトの立案・計画 |
明確な視点を示せば、チーム全体がプロジェクトに集中して取り組める環境を構築できる。これにより、プロジェクトを効率的に進められる。 細部まで可視化して提示すれば、異なる部門であっても作業プロセスのふりかえりをスムーズに実施できるようになる。 |
プロセスの文書化 |
ワークフローの可視化により、業務の流れをパターン別に洗い出せば、無駄なプロセスを的確に把握できる。これにより、プロセスのつながりや、部門ごとの責任範囲を明確に示せるようになる。 パターンにより変わる作業・手続きなどのルールを統一しておけば、業務改善に取り組みやすい環境を構築できる。 |
ナレッジの共有 |
プロセスの文書化により、途中からプロジェクトに参加したメンバーへのナレッジ共有や、新しいメンバーへの研修資料としても活用できる。 過去の成功したプロジェクトをベストプラクティスとして、文書化し保存しておくのも効果的。新規プロジェクトを実行する際、モデルケースとして有効活用できる。 |
意思決定 |
意思決定が求められる部分および、意思決定を下す人を明示できる。 これにより、複雑な承認フローもスムーズに把握でき、迅速な意思決定が実現する。 |
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フローチャートの種類6選【特徴・書き方】
ここからは、代表的な6種類のフローチャートについて、特徴や書き方、活用場面を中心に取り上げます。
- ワークフローチャート
- スイムレーン図
- 意思決定フローチャート
- 文書フローチャート
- BPMN
- その他の種類のフローチャート
それぞれ順番に細かく解説しますので、適切な使い方を理解しましょう。
ワークフローチャート
業務を個々に分解し、業務の流れや最終目的地までの手順を順序立てて図解したものです。
ワークフローチャートを見れば、一人でも業務をスムーズに進められるため、人材の入れ替わりが多い部門や新人が配属される場合でも、効率的な人材教育が可能です。
数あるフローチャートの中でも一般的なもので「円形・長方形・ひし形などの図形」や「矢印」といった図形を用いれば作成できます。それぞれの図形の意味は、以下のとおりです。
- 円形:プロセスの開始点と終了点
- 長方形:具体的な作業やアクション
- ひし形:条件分岐や選択肢
- 矢印:プロセス間の流れ
一般的に、プロセスの文書化やナレッジの共有などの目的で活用され、業務効率化、人材育成、業務改善など、様々な効果をもたらします。
スイムレーン図
各業務の進行状況やタスク間の相互関係を明確に示せるもので、業務の効率化や問題点の洗い出しなどに有効的な図です。水泳のレーンを模した形状をしており、そのまま図の名称として付けられました。
主に新規プロジェクトの立案・計画で活用され、複数の部署を横断しながら、各役割に応じて工程を進めていくプロジェクトに役立つフローチャートです。
スイムレーン図は縦にアクション、横に担当者を書くのが一般的で、各担当の業務を縦線で結びます。業務の引き継ぎが発生する場合、横線で隣のレーンに到達させて表現します。
複数の人・部署が関わる作業工程のフローチャートは、スイムレーン図を使って役割・責任・権限所在を明確にし、伝達ミスなどのリスク回避を行いましょう。
意思決定フローチャート
複数の選択肢が存在するプロセスにおいて、最適な意思決定を判断する上で役立つ図です。選択肢や分岐点を図形で示し、それらを矢印でつないでプロセスの流れを視覚的に整理します。これにより、複雑なプロセスも一目で理解しやすくなるはずです。
分岐点では複数の選択肢が示され、それぞれの選択肢に対応する次のステップが明確に描かれます。どの選択がどのような結果をもたらすかが明確です。そして、選択肢ごとの利点・欠点・リスク・利益などを比較しながら、最適な意思決定につなげられます。
作成する際は、ひし形の図形を用いて「意思決定を通して次のステップに移る地点」を示すのが一般的です。その下に配置する選択肢は複数に分かれますが、多くの場合は「はい」と「いいえ」の2択です。
文書フローチャート
ドキュメント・情報の流れを視覚的に表現する上で役立つ図です。主に業務プロセスや事務処理において、文書がどのように作成・伝達・保管されるのかを示す際に用いられます。
活用すれば、送信ミスや送り漏れなどのミスを未然に防げます。現行の文書処理プロセスを見直す際に、どこに無駄があるか、どこを改善すべきかを明確にする手助けにもなるはずです。
ただし、文書の流れを明確に表している一方で、文書を送る際に行うアクションは記載されないのが一般的です。文書を渡す具体的な方法を補うには、他のフローチャートとの併用が望ましいです。
基本的な書き方は、ワークフローチャートと同様で、左から右へと書いていくのが基本です。
BPMN
OMG(Object Management Group)によって維持されており、国際規格ISO/IEC 19510として標準化されているビジネスプロセスのモデリング手法及び表記法です。
企業の業務プロセスを明確にし、企業や部署の垣根を超えて、関係者全員が同じ理解を共有するために使用されています。新規プロジェクトの立案・計画の際に活用されるケースが多いです。
作成・使用にはBPMNのルールに関する知識が求められる点は要注意です。
その他の種類のフローチャート一覧
ここまでに紹介したもの以外にも、数多くのフローチャートが存在します。活用場面別と、主な種類をまとめました。
主な活用場面 | フローチャートの名称 |
新規プロジェクトの立案・計画 | データフローチャート PERTチャート プロセスフローチャート |
プロセスの文書化、ナレッジの共有 | システムフローチャート プログラムフローチャート イベント駆動型プロセスチェーン(EPC)フローチャート |
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フローチャートをプロジェクト管理に活かすコツ
一般的にフローチャートは、業務・プロジェクト管理の効率化を目指す際に作成・活用するものですが、作成そのものに時間を取られていては、本末転倒となってしまいます。
そのため、フローチャートを作る際は、専用の作成ツール・アプリを使用することをおすすめします。また、プロジェクト管理ツールと組み合わせれば、プロジェクト管理をさらに効率化できます。
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状況に合った種類のフローチャートを使ってプロジェクト管理を効率化
フローチャートは、複雑な事象を分かりやすく整理し伝えることのできる優れたツールで、多くの種類が存在しています。それぞれに特徴があり、適した種類のフローチャートを選択することが、フローチャート作成の第一歩です。
また、フローチャート作成の容易さ・再編集性・保存性・共有性などを考慮すると、専用ツールの利用が望ましいです。フローチャートをプロジェクト管理に役立てたいなら、プロジェクト管理ツールの導入をおすすめします。
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